障害者差別解消に関する条例
(令和6年7月28日更新)
【制定状況】
〇 障害者差別解消に関する条例の制定状況を調査したものとしては、内閣府「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果(令和6年3月内閣府障害者施策担当)」27頁以下がある。これによると、令和5年4月1日現在で、都道府県が39団体、指定都市が8団体、中核市等が15団体、一般市が72団体、町村が50団体、合計184団体が制定済みとしている。
但し「障害者差別解消に特化している条例に限定するものではなく、条例の一部において障害者差別解消に係る規定を設けている場合も含む。」としており、また、団体名や条例名は明らかにしていない。
平成30年4月1日現在では、都道府県が27団体、指定都市が5団体、中核市等が9団体、一般市が21団体、町村が12団体、合計74団体が制定済みとしていたので、4年間で大幅に制定団体が増加していることとなる。
〇 また、少し資料が古くなるが、内閣府「平成29年度障害を理由とする差別の解消の推進に関する国外及び国内地域における取組状況の実態調査報告書」の「2a条例における分野ごとの記述(1)分野ごとの記述の類型・考え方」は、都道府県、指定都市及び中核市における障害者差別解消に関する条例の制定状況を示している。これによると、平成29年12月時点で、都道府県が23団体、指定都市が5団体、中核市が6団体、合計34団体が制定している。この34条例については、団体名、条例名が明らかにされており、すべて障害者差別解消に特化した条例と見ることができる。
〇 インターネットで公開している例規集等から、「障害者差別解消に特化した条例」を制定していることを確認できる団体は、令和6年3月29日時点で、都道府県が41団体、指定都市が8団体、中核市が11団体、一般市が48団体、特別区が2団体、町村が34団体、合計144団体を数えることができる。数が多くなるが、以下、列挙する。
〇 政府の障害者差別解消の取組みについては、内閣府HP「障害を理由とする差別の解消の推進」を参照されたい。
また、障害者差別解消に関する条例を含む人権の尊重と差別の解消に関する条例については、「人権の尊重と差別の解消に関する条例」を参照されたい。
(都道府県)
千葉県 | 平成18年10月20日公布 | 平成19年7月1日施行 |
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北海道 | 平成21年3月31日公布 | 平成22年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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岩手県 | 平成22年12月14日公布 | 平成23年7月1日施行 |
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熊本県 | 平成23年7月1日公布 | 平成24年4月1日施行 |
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長崎県 | 平成25年5月31日公布 | 平成26年4月1日施行 |
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沖縄県 | 平成25年10月29日公布 | 平成26年4月1日施行 |
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京都府 | 京都府障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい 社会づくり条例 |
平成26年3月14日公布 | 平成26年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
茨城県 | 平成26年3月26日公布 | 平成27年4月1日施行 |
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鹿児島県 | 平成26年3月28日公布 | 平成26年10月1日施行 |
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富山県 | 富山県づくり条例 |
平成26年12月17日公布 | 平成28年4月1日施行 |
奈良県 | 平成27年3月25日公布 | 平成27年7月1日施行 |
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愛知県 | 平成27年12月22日公布 | 平成27年12月22日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山梨県 | 平成27年12月25日公布 | 平成28年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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徳島県 | 平成27年12月25日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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山形県 | 平成28年3月22日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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宮崎県 | 平成28年3月23日公布 | 平成28年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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栃木県 | 平成28年3月25日公布 | 平成28年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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埼玉県 | いける共生社会づくり条例 |
平成28年3月29日公布 | 平成28年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
岐阜県 | 平成28年3月29日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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大阪府 | 平成28年3月29日公布 | 平成28年4月1日施行 令和3年4月1日改正施行 |
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愛媛県 | 平成28年3月29日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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大分県 | 平成28年3月29日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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静岡県 | 平成29年3月24日公布 | 平成29年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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福岡県 | 平成29年3月30日公布 | 平成29年10月1日施行 |
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鳥取県 | 平成29年7月7日公布 | 平成29年9月1日施行 |
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香川県 | 平成29年10月20日公布 | 平成30年4月1日施行 |
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福井県 | 平成30年3月22日公布 | 平成30年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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三重県 | 平成30年6月29日公布 | 平成30年10月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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東京都 | 平成30年7月4日公布 | 平成30年10月1日施行 |
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佐賀県 |
佐賀県をつくる条例(改正前) |
平成30年9月26日公布 | 平成30年9月26日施行 令和6年4月1日改正施行 |
福島県 | 平成30年12月25日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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秋田県 | 平成31年3月15日公布 | 平成31年4月1日施行 |
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群馬県 | 平成31年3月22日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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滋賀県 | 平成31年3月22日公布 | 平成31年4月1日施行 |
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石川県 | 令和元年10月1日公布 | 令和元年10月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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宮城県 | 令和3年3月26日公布 | 令和3年4月1日施行 |
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長野県 | 令和4年3月24日公布 | 令和4年4月1日施行 |
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山口県 | 令和4年10月11日公布 | 令和4年10月11日施行 |
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神奈川県 | 令和4年10月21日公布 | 令和5年4月1日施行 |
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和歌山県 | 令和5年12月26日公布 | 令和5年12月26日施行 一部令和6年4月1日施行 |
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高知県 | 令和6年3月26日公布 | 令和6年4月1日施行 |
(指定都市)
さいたま市 | 平成23年3月9日公布 | 平成23年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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新潟市 | 平成27年10月1日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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横浜市 | 平成28年2月25日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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仙台市 | 平成28年3月14日公布 | 平成28年4月1日施行 令和5年10月1日改正施行 |
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北九州市 | 平成29年12月20日公布 | 平成29年12月20日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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福岡市 | 平成30年6月25日公布 | 平成31年1月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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名古屋市 | 平成30年12月20日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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広島市 | 令和2年3月24日公布 | 令和2年10月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
(中核市)
東京都八王子市 | 平成23年12月15日公布 | 平成24年4月1日施行 令和2年4月1日改正施行 |
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兵庫県明石市 | 共生のまちづくり条例 |
平成28年3月24日公布 | 平成28年4月1日施行 |
和歌山県和歌山市 | 平成28年3月28日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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島根県松江市 | 平成28年7月4日公布 | 平成28年10月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県山形市 | 平成29年3月23日公布 | 平成29年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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青森県青森市 | 平成29年3月24日公布 | 平成29年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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秋田県秋田市 | 平成29年12月22日公布 | 平成30年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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兵庫県西宮市 | まちづくりの推進に関する条例 |
令和2年3月27日公布 | 令和2年7月1日施行 |
福島県福島市 | 令和2年3月31日公布 | 令和2年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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岐阜県岐阜市 | 令和4年3月30日公布 | 令和4年4月1日施行 |
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福岡県久留米市 | 令和5年12月22日公布 | 令和6年4月1日施行 |
(一般市)
大分県別府市 | 平成25年9月20日公布 | 平成26年4月1日施行 |
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埼玉県新座市 | 平成26年4月1日改正 施行 |
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東京都国立市 | 平成27年9月29日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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千葉県浦安市 | 平成28年3月24日公布 | 平成28年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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三重県名張市 | 平成28年3月28日公布 | 平成28年4月1日施行 |
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兵庫県宝塚市 | 平成28年12月20日公布 | 平成29年1月1日施行 |
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石川県白山市 | 白山市共生のまちづくり条例(改正前) |
平成29年6月23日公布 | 平成29年10月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
宮城県石巻市 | 平成29年9月28日公布 | 平成30年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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東京都立川市 | 平成29年12月21日公布 | 平成30年4月1日施行 令和5年4月1日改正施行 |
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京都府長岡京市 | 平成29年12月26日公布 | 平成30年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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大分県杵築市 | 平成29年12月28日公布 | 平成30年4月1日施行 |
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兵庫県三田市 | 平成30年3月23日公布 | 平成30年7月1日施行 |
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島根県浜田市 | 平成30年3月23日公布 | 平成30年7月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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大阪府茨木市 | 平成30年3月27日公布 | 平成30年4月1日施行 |
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埼玉県所沢市 | 平成30年3月30日公布 | 平成30年7月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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東京都小金井市 | 平成30年6月29日公布 | 平成30年10月1日施行 令和4年4月1日改正施行 |
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三重県四日市市 | (改正前) |
平成30年7月4日公布 | 平成30年7月4日施行 令和6年4月1日改正施行 |
福岡県直方市 | 平成30年7月5日公布 | 平成30年7月1日施行 |
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香川県さぬき市 | 平成31年3月18日公布 | 平成31年4月1日施行 |
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山形県長井市 | 平成31年3月20日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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岐阜県関市 | 平成31年3月22日公布 | 平成31年4月1日施行 |
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山形県米沢市 | 平成31年3月25日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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栃木県栃木市 | (改正前) |
平成31年3月26日公布 | 平成31年7月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
大分県日田市 | 平成31年3月26日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県東根市 | 令和元年6月21日公布 | 令和元年6月21日施行 |
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東京都日野市 | 令和元年9月30日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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青森県三沢市 | 令和2年2月25日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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宮城県塩竈市 | 令和2年3月5日公布 | 令和2年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県酒田市 | 令和2年3月17日公布 | 令和2年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県鶴岡市 | (改正前) |
令和2年3月25日公布 | 令和2年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
大分県臼杵市 | 令和2年3月25日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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岐阜県飛騨市 | 令和2年3月30日公布 | 令和2年3月30日施行 |
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東京都多摩市 | 令和2年6月23日公布 | 令和2年7月1日施行 |
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兵庫県芦屋市 | 令和2年9月23日公布 | 令和3年1月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県新庄市 | 令和3年3月17日公布 | 令和3年3月17日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県上山市 | 令和3年3月17日公布 | 令和3年3月17日施行 |
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山形県南陽市 | 令和3年3月19日公布 | 令和3年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県尾花沢市 | 令和3年3月19日公布 | 令和3年4月1日施行 |
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東京都青梅市 | 令和3年3月22日公布 | 令和3年4月1日施行 |
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愛媛県四国中央市 | 令和3年9月29日公布 | 令和3年9月29日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県村上市 | 令和3年12月16日公布 | 令和3年12月16日施行 |
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山形県天童市 | 令和4年3月23日公布 | 令和4年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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新潟県三条市 | のまちづくり条例 |
令和5年3月23日公布 | 令和5年4月1日施行 |
山形県寒河江市 | 令和5年3月24日公布 | 令和5年4月1日施行 |
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埼玉県行田市 | 令和5年9月26日公布 | 令和5年12月9日施行 |
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山梨県笛吹市 | 令和6年3月26日公布 | 令和6年3月26日施行 |
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埼玉県戸田市 | 令和6年3月29日公布 | 令和6年4月1日施行 |
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東京都町田市 | 令和6年3月29日公布 | 令和6年10月1日施行 |
(特別区)
東京都世田谷区 | 令和4年9月30日公布 | 令和5年1月1日施行 |
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東京都江戸川区 | 令和5年11月6日公布 | 令和5年11月6日施行 |
(町村)
北海道奈井江町 | 平成25年3月29日公布 | 平成25年4月1日施行 |
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北海道新得町 | 可能な地域づくりの推進に関する条例 |
平成27年12月3日公布 | 平成28年4月1日施行 |
山形県川西町 | 平成29年6月20日公布 | 平成29年6月20日施行 |
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福島県三春町 | 平成29年12月11日公布 | 平成30年10月1日施行 |
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山形県飯豊町 | まちづくり条例 |
平成29年12月13日公布 | 平成29年12月13日施行 令和6年4月1日改正施行 |
大分県日出町 |
暮らせるまちづくり条例(改正前) |
平成30年3月7日公布 | 平成30年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
香川県土庄町 | まちづくり条例 |
平成30年3月15日公布 | 平成30年4月1日施行 |
和歌山県湯浅町 | 平成30年12月18日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年3月27日改正施行 |
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山形県真室川町 | 平成30年12月25日公布 | 平成30年12月25日施行 |
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福岡県遠賀町 | 平成31年3月19日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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福岡県芦屋町 | 平成31年3月20日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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福岡県岡垣町 | 平成31年3月22日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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福岡県水巻町 | 平成31年3月22日公布 | 平成31年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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香川県小豆島町 | まちづくり条例 |
平成31年3月25日公布 | 平成31年4月1日施行 |
山形県河北町 | 令和2年3月13日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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山形県小国町 | 令和2年3月19日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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山形県高畠町 | 令和2年3月24日公布 | 令和2年4月1日施行 |
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山形県白鷹町 | 令和2年3月25日公布 | 令和2年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県戸沢村 | 令和2年9月15日公布 | 令和2年9月15日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県舟形町 | 令和3年3月8日公布 | 令和3年4月1日施行 |
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山形県大蔵村 | 令和3年3月11日公布 | 令和3年4月1日施行 |
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山形県金山町 | 令和3年3月12日公布 | 令和3年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県三川町 | 令和3年3月24日公布 | 令和3年3月24日施行 |
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山形県西川町 | 令和3年9月16日公布 | 令和3年9月16日施行 |
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山形県中山町 | 令和3年12月10日公布 | 令和3年12月10日施行 |
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山形県大石田町 | 令和4年3月7日公布 | 令和4年4月1日施行 |
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山形県庄内町 | 令和4年3月11日公布 | 令和4年4月1日施行 令和6年4月1日改正施行 |
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山形県最上町 | 令和4年3月14日公布 | 令和4年3月14日施行 |
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山形県遊佐町 | 令和4年3月15日公布 | 令和4年4月1日施行 |
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山形県鮭川村 | 令和4年3月18日公布 | 令和4年4月1日施行 |
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福島県大玉村 | 令和4年6月17日公布 | 令和4年6月17日施行 |
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山形県山辺町 | 令和5年2月27日公布 | 令和5年4月1日施行 |
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山形県大江町 | 令和5年3月8日公布 | 令和5年3月8日施行 |
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山形県朝日町 | 令和5年3月15日公布 | 令和5年3月15日施行 |
〇 こうした自治体の障害者差別解消に関する条例の制定時期を見る場合、平成18年12月13日に国連総会で採択され平成20年5月3日に発効した障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)と平成25年6月26日に公布され平成28年4月1日に施行された障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律65号 以下「障害者差別解消法」という。)が重要な要素となる。
全国で最初に制定されたのは、平成18年10月20日公布の千葉県条例である。障害者差別解消法よりも約6年早く制定されている。国連での障害者権利条約の締結に向けての動きが、日本国内における様々な関係者の障害者の権利に関する意識を高め、議論が活発化し、それぞれの地域における条例制定の動きに結びついたと考えられる。千葉県の条例制定の後、都道府県では、北海道、岩手県、熊本県及び長崎県が、市町村では、さいたま市、八王子市及び奈井江町が、平成25年6月26日の障害者差別解消法の公布に先行して条例を制定している。
障害者差別解消法は公布された後、約3年後の平成28年4月1日に施行された。かなり長い準備期間が設けられた。多くの都道府県が、この約3年の間に条例を制定している。19府県で制定された。他方、市町村で、この間条例を制定したのは、既存の条例を改正したのも含めて11団体であり、多くの市町村は法律施行の28年4月1日以降制定している。都道府県においても、法律施行後も、制定の動きが続いている。
【条約及び法律の内容】
〇 各条例の内容を概観する前に、まず、障害者権利条約と障害者差別解消法を見てみる。
〇 障害者権利条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し,障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等を規定している。具体的には、障害に基づくいかなる差別も禁止すること、障害に基づく差別には、合理的配慮(障害者の権利の確保のために必要・適当な調整で、過度の負担を課さないもの)の否定を含むこと、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由の完全な実現を確保・促進すること等を明記したうえで、身体の自由,拷問の禁止,表現の自由等の自由権的権利及び教育,労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定している。
〇 条約に基づく国内法の整備として、平成23年8月の障害者基本法の改正、平成24年6月の「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)の制定(障害者自立支援法の改正)及び平成25年6月の「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正とともに、平成25年6月に障害者差別解消法が制定された。
〇 改正後の障害者基本法は、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現」(1条)すべきことを目的規定で明確にしたうえで、差別の禁止として「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」(4条1項)と明記するとともに、「社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。」(4条2項)と規定している。
〇 障害差別解消法は、障害者基本法の理念を踏まえ、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定める」(1条)ものであり、「不当な差別的取扱いの禁止」を行政機関等及び事業者に義務付け、「合理的な配慮の提供」を行政機関等には義務付け、事業者には努力義務を課している(7条、8条)。政府は基本方針を策定(6条)するとともに、国の行政機関等に職員対応要領の策定を義務付け(9条)、地方公共団体の行政機関等には努力義務を課し(10条)、事業者には主務大臣が事業分野別の対応指針を定める(11条)ものとしている。また、国と地方公共団体は、相談及び紛争の防止等のための体制の整備(14条)、啓発活動(15条)等を行うとともに、地域における連携の場として障害者差別解消支援地域協議会を組織することができる(17条)としている。
障害差別解消法は、令和3年6月に改正公布、令和6年4月1日に改正施行され(「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律」)、「合理的な配慮の提供」が事業者にも義務付けられた。改正法の内容については、内閣府資料「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律の概要」及び森秀勲「障害者差別解消法の改正ー事業者による合理的配慮の義務化ー」(立法と調査436号 2021年7月)を参照されたい。
【条例の内容―法律制定前の条例を中心に】
〇 法律制定前に制定された、千葉県、北海道、岩手県、熊本県、長崎県、さいたま市、八王子市及び奈井江町の条例は、それぞれ関係者や議会などで議論、検討を重ねながら、制定が進められていった。それぞれの内容、記述の形式などは、「手作り」の工夫がなされ、特徴があり、もとより法律の規定とも異なっている。こうした先駆的な条例が、法律制定後に制定された各条例にも影響を与えていると言える。まず、これらの条例について概観する。
〇 千葉県の障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例は、「千葉県では条例制定に向けて、県民から『差別に当たると思われる事例』を募集し、教育、雇用など広範な分野に当たり、約800事例がよせられ、それを皮切りに、『障害者差別をなくすための研究会』を設置し、様々な角度から検討を加えていった。タウンミーティングの開催などを通して、条例案は詰められていったが、一時は一部の経済界をはじめとする人たちの反対もあり、廃案の危機にさらされたが、条例を求める市民の強い働きかけもあって、改めて議会に再上程、可決に至った。あらゆる階層の市民を議論に巻き込むことにとって、この条例は成立することができたということができる。」(太田修平「障害者差別禁止千葉県条例 千葉県条例を第一歩として」(法学館憲法研究所))とされる。
本条例は、2条2項本文で、差別の定義を「次の各号に掲げる行為(以下「不利益取扱い」という。)をすること及び障害のある人が障害のない人と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むために必要な合理的な配慮に基づく措置(以下『合理的な配慮に基づく措置』という。)を行わないこと」としたうえで、同項1号から8号で、「不利益取扱い」の具体的内容として、福祉サービス、医療、商品及びサービス提供、労働者の雇用、教育、施設及び公共交通機関の利用、不動産の取引並びに情報の提供等の8分野にわたって15行為を列挙している。そして、8条本文で「何人も、障害のある人に対し、差別をしてはならない。」とし、何人に対しても差別すなわち「不利益取扱い」及び「合理的な配慮に基づく措置を行わないこと」を禁止しているが、同条但書きで、「不利益取扱いをしないこと又は合理的な配慮に基づく措置を行うことが、社会通念上相当と認められる範囲を超えた人的負担、物的負担又は経済的負担その他の過重な負担になる場合においては、この限りでない。」としている。また、「地域相談員」の委託及び「広域専門指導員」の委嘱(14条~19条)、「地域相談員」による相談(20条)、「調整委員会」による助言及びあっせん等(21条~28条)を規定している。
〇 北海道の北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例は、議員提案により制定されたが、「検討の過程で、各会派ごとに、タウンミーティング、アンケート調査などそれぞれで工夫をこらした取組が行われた。また、最終的には条例案が一本化され、しかも、全ての会派の賛成により可決・成立した点が注目される。」(自治体法務研究2010年夏号CLOSEUP先進・ユニーク条例「北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例」参照)とされる。
本条例は、千葉県条例とは異なり、差別の禁止等障害者に対する権利擁護のみならず、障害者の暮らしやすい地域づくり、障害者に対する就労の支援等など、障害者支援に関する幅広い内容を規定している。一方で、差別などに関して特に定義規定は設けておらず、また、行政機関である北海道には「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的な配慮」を義務付けている(19条)が、事業者や道民には「不当な差別的取扱いの禁止」を義務付けているものの「合理的な配慮の提供」については努力義務(19条の2及び20条)としている(なお、法改正に合わせて令和6年4月1日改正施行により、事業者については「合理的な配慮の提供」を義務付けている(改正後19条の2第2項))。
〇 岩手県、熊本県、長崎県、さいたまし市及び八王子市の条例についてみると、障害者に対する差別に関する禁止行為等をどのように規定するかについては、対応が分かれる。さいたま市の誰もが共に暮らすための障害者の権利の擁護等に関する条例は、千葉県条例と同じく、差別の定義規定において、禁止されるべき行為を8分野にわたり列挙している(2条8号。なお、法改正に合わせて令和6年4月1日改正施行により、2条8号は改正され、「差別」を「次に掲げる行為及び市又は事業者が、合理的配慮に基づく措置を行わなければ障害者の不利益となることを知りながら、合理的配慮に基づく措置を行わないことにより障害者に不利益を与えること」とし、8分野の全てにわたり「合理的配慮」が必要とされた(従前は、2分野のみ)。)。一方、熊本県の障害のある人もない人も共に生きる熊本づくり条例は、定義規定ではなく、不利益取扱いの禁止行為として、11分野13行為(8条)を、長崎県の障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例は、差別の禁止行為として、個別の条建てをして10分野にわたり(10条~19条)、具体的に列挙している。
また、八王子市の障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例は、定義や禁止行為ではなく、合理的な配慮の対象として、10項目を掲げている(7条1項)。岩手県の障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例は、不利益な取扱いに関して、具体的な行為を規定していないが、その定義を「障がいがあることを理由として不利な区別、排除及び権利の制限をすること並びに障がいのない人と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むことができるようにするための必要かつ合理的な配慮(社会通念上相当と認められる程度を超えた人的負担、物的負担、経済的負担その他の過重な負担を課するものと認められる場合を除く。)をしないこと。」(2条2号)とし、「合理的な配慮」をしないことも「不利益な取扱い」に含めている。
「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的な配慮の提供」を誰を対象にして義務付けるかということについては、岩手県、熊本県及び長崎県の条例は、千葉県条例と同様に、何人に対しても義務付けている。すなわち、岩手県条例は「何人も、障がいのある人に対し、不利益な取扱いをしてはならない。」(7条)、熊本県条例は「何人も、次に掲げる行為(以下『不利益取扱い』という。)をしてはならない。」(8条本文)、長崎県条例は「何人も、次条から第19条までに定めるもののほか、あらゆる分野において、障害のある人に対して、差別をしてはならない。」(9条)、さいたま市条例は「何人も、障害者に対し、差別をしてはならない」(9条)と規定し、定義規定等を含めて見た場合、何人に対しても「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的な配慮の提供」を義務付けていることになる。一方、八王子市条例は、「何人も、障害者に対し、差別をしてはならない。」(6条)と規定しているが、「合理的な配慮の提供」については、市及び事業者に対して義務付けている(7条1項)ものの、市民に対しては努力義務(7条2項)としている。
また、熊本県条例、長崎県条例、さいたま市条例及び八王子市条例は、解決のための手続として、相談、助言、あっせん等の規定を置いている。
さらに、さいたま市条例及び八王子市条例は、差別の禁止等障害者に対する権利擁護に関する規定のみならず、障害者の自立及び社会参加のための支援に関する規定(さいたま市条例)や移動手段の確保、情報伝達、医療・リハビリテーション、教育・保育・療育等に関する規定(八王子市条例)を置いている。
なお、岩手県条例及び長崎県条例は、議員提案により制定されている。
〇 奈井江町の奈井江町おもいやりの障がい福祉条例は、「差別」を「障がいのある人に対し、生活を営む上で、あらゆる場面において不当に権利利益を侵害する行為」、「虐待」を「障がいのある人に対し、身体的暴行や拘束行為、わいせつな行為、放置や養護を怠る行為、暴言や拒絶などの心理的外傷を与える行為及び不当に財産を処分又は不当に財産上の利益を得る行為」、「不利益行為」を「障がいのある人に対し、社会生活や社会参加において、障がいを理由として提供を拒み、制限又は条件を付し、強制又は指定する行為」とそれぞれ定義づけたうえで、「全ての人は、障がいのある人に対し、社会生活や社会参加等において、差別、虐待及び不利益行為を行ってはなりません。」(9条)と規定し、また、「町と町民は、障がいのある人も暮らしやすい日常生活や社会生活を営むことができるよう、社会的な障壁の除去について、合理的配慮に努めるものとします。」(10条)と規定している。相談支援体制のほか、自立と社会参加のための支援、雇用及び就労支援等についても規定している。
奈井江町は、友好都市であるフインランドのハウスヤルビとの交流等を通して、保健・医療・福祉のまちづくりを積極的に進めてきたが、「平等の上に福祉が成り立たち、障がいのある人を特別に扱うのではなく、自立を保障している、福祉の先進国フィンランドの考え方などを取り入れながら、町のスタンス、支援のイメージを示す必要」があるとして、「奈井江町障がい者地域自立支援協議会」で検討を重ね、条例を制定した(奈井江町資料「奈井江町おもいやりの障がい福祉条例制定の背景等」参照)としている。
【条例の内容―法律制定後の条例も含めて】
〇 障害差別解消法は、平成28年4月1日法施行当時、「合理的な配慮の提供」に関しては、事業者に対して努力義務とし、一般住民に対しては特段の規定は置いていないが、上記の通り、障害差別解消法制定以前に制定された自治体の条例では、事業者に対して義務付け、住民に対しても義務付けまたは努力義務を課しているものが多い(令和6年4月1日の法改正施行により事業者にも「合理的な配慮の提供」が義務付けられたが、自治体の条例が法に先行して事業者に「合理的な配慮の提供」を義務付けていたことになる。なお、法改正施行後も、住民については「合理的配慮のい提供」に関しては規定が置かれていない。)。また、法律では、差別については特に定義規定は置いていないが、条例では、差別の定義や禁止の対象となる行為等について個別分野ごとに具体的に規定している。
こうした条例と法律との関係が問題になりうるが、法6条1項に基づき策定された障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)は、「地方公共団体においては、近年、法の制定に先駆けて、障害者差別の解消に向けた条例の制定が進められるなど、各地で障害者差別の解消に係る気運の高まりが見られるところである。法の施行後においても、地域の実情に即した既存の条例(いわゆる上乗せ・横出し条例を含む。)については引き続き効力を有し、また、新たに制定することも制限されることはなく、障害者にとって身近な地域において、条例の制定も含めた障害者差別を解消する取組の推進が望まれる。」(2基本的な考え方(3)条例との関係)としており、上乗せや横出しの規定を有する既存の条例は引き続き効力を有し、新たに上乗せや横出しの規定を有する条例を制定することも制限されない旨、明記している。
なお、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月日閣議決定 令和6年4月1日より施行)においても、「地方公共団体においては、障害を理由とする差別の解消に向けた条例の制定が進められるなど、各地で障害を理由とする差別の解消に係る気運の高まりが見られるところである。法との関係では、地域の実情に即した既存の条例(いわゆる上乗せ・横出し条例を含む。)については引き続き効力を有し、また、新たに制定することも制限されることはなく、障害者にとって身近な地域において、条例の制定も含めた障害を理由とする差別を解消する取組の推進が望まれる。」と記述している。
〇 前記内閣府「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果(令和6年3月内閣府障害者施策担当)」は、障害差別解消法の制定及び施行後制定された条例を含む、令和5年4月1日時点で制定されている184条例(特化条例以外のものも含む)について、「合理的な配慮の提供」及び「差別の定義」に関して、規定の状況を調査し、その結果を示している。
これによると、事業者による「合理的な配慮の提供」については、全ての事業者に対し一律に義務付けているものは36条例(都道府県19条例、指定都市1条例、中核市等2条例、一般市9条例、町村5条例)、全ての事業者に対し一律に努力義務を課しているものは143条例(都道府県19条例、指定都市6条例、中核市等13条例、一般市61条例、町村44条例)、特定の条件を満たす事業者にのみ努力義務を課しているものは5条例(都道府県1条例、指定都市1条例、一般市2条例、町村1条例)であるとしている(28頁)。なお、令和6年4月1日に改正施行の法改正により、「合理的な配慮の提供」が事業者にも義務付けられたことに伴い、ほとんどの条例も改正が行われ、これまで努力義務としていた事業者の「合理的な配慮の提供」が義務付けられている。
また、住民による「合理的配慮の提供」については、住民に対し「合理的配慮の提供」を義務を課しているものは20条例(都道府県12条例、中核市等2条例、一般市3条例、町村3条例)、住民に対し「合理的配慮の提供」の努力義務、責務等を課しているものは85条例(都道府県10条例、中核市等7条例、一般市43条例、町村25条例)、住民に対し「合理的配慮の提供」の義務、努力義務、責務等は課していないものは79条例(都道府県17条例、指定都市8条例、中核市等6条例、一般市26条例、町村22条例)であるとしている(29頁)。
具体例を示すと、「合理的な配慮の提供」について、滋賀県の滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例(6条、2条3号)、明石市の明石市障害者に対する配慮を促進し誰もが安心して暮らせる共生のまちづくり条例(10条、3条3号)、宝塚市の宝塚市障碍者差別解消に関する条例(4条、2条3号)は、事業者にも住民にも義務付け、秋田県の秋田県障害者への理解の促進及び差別の解消の推進に関する条例(9条)は、事業者に義務付け住民には努力義務を課し、東京都の東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(7条2項)、茨木市の茨木市障害のある人もない人も共に生きるまちづくり条例(7条2号)は、事業者に義務付け住民については特に規定せず、石川県の障害のある人もない人も共に暮らしやすい石川県づくり条例(9条3項)は、事業者と住民に努力義務を課し、三重県の障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例(11条2項)は、事業者に努力義務を課し住民については特に規定していない(なお、石川県条例及び三重県条例は、法改正に合わせて令和6年4月1日改正施行により、事業者については「合理的な配慮の提供」を義務付けている)。
内閣府「平成30年度障害を理由とする差別の解消の推進に関する国外及び国内地域における取組状況の実態調査報告書」の「2.4.2事業者の合理的配慮提供の義務化について」において、平成30年度までに制定された条例(中核市以上の特化条例)のうち事業者への合理的配慮を義務付けている条例一覧を掲載しているが、その中で、「『平成29年度障害を理由とする差別の解消の推進に関する国外及び国内地域における取組状況の実態調査報告書』では、『2016年4月の障害者差別解消法施行以前に条例を制定した地方公共団体では、事業者の合理的配慮を義務付けていることが多いが、2016年4月の障害者差別解消法施行以後は、事業者の合理的配慮を努力義務とする地方公共団体が増えている』と指摘している。2018年度(平成30年度)に入り義務化に踏み切る地方公共団体が現れたことは、この傾向が変化していく可能性を示している。」としているが、上記で示した滋賀県、秋田県、東京都、石川県及び名古屋市の条例は平成30年後以降に制定されたものである。
〇 「差別の定義」については、前記内閣府「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果(令和6年3月内閣府障害者施策担当)」(30頁)は、184条例中、「差別」の定義を設けているものは112条例(都道府県20条例、指定都市7条例、中核市等11条例、一般市42条例、町村32条例)、「差別」の定義を設けていないものは72条例(都道府県19条例、指定都市1条例、中核市等4条例、一般市30条例、町村18条例)であるとしている。
内閣府「平成30年度障害を理由とする差別の解消の推進に関する国外及び国内地域における取組状況の実態調査報告書」の「2.4.1差別の定義について」は、平成30年度までに制定された条例(中核市以上の特化条例)において規定されている「差別」の定義の一覧表を掲載しているが、「初期の条例は、差別の定義に関する記述ぶりにある程度ばらつきがあるのに対し、徐々に、障害者差別解消法の条文に類似した表現の条例が増える傾向が見られる。」としている。
〇 禁止される差別、不利益取扱い又は必要とされる合理的配慮の具体的な分野や行為について、法律制定前に制定された条例では、前述の通り、千葉県条例及びさいたま市条例が差別の定義規定において、熊本県条例及び長崎県条例が差別や不利益取扱いの禁止事項として、八王子市条例は合理的配慮の対象として、それぞれ規定していたが、法律制定後も、同様の規定を置く条例は少なくない。
定義規定において示すものとして、新潟市条例及び滋賀県条例が、差別や不利益取扱いの禁止事項として示すものとして、沖縄県、京都府、鹿児島県、奈良県、山梨県、山形県、栃木県、埼玉県、大分県、福井県、仙台市、北九州市、福岡市、名古屋市、名張市、栃木市、日野市、塩竈市、三条市及び三春町の条例が、合理的配慮の対象として示すものとして、福岡県、別府市、国立市、名張市、松江市、青森市、立川市、長岡京市、杵築市、浜田市、小金井市、四日市市、日野市、臼杵市、青梅市、四国中央市及び日出町の条例がある。
それぞれの条例で個別に記述される分野は、福祉、医療、商品サービス、雇用、教育、建物・交通、不動産等が多いが、条例によって項目や内容は異なっている。
〇 法律は、相談や紛争解決に関し、「国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図るものとする。」(14条)と規定しているが、多くの条例では、相談、調査、助言、あっせん、勧告等の手続きや体制を具体的に定めている。
内閣府「平成29年度障害を理由とする差別の解消の推進に関する国外及び国内地域における取組状況の実態調査報告書」の「2.Ⅽ相談・紛争解決に関する地方公共団体の取組(1)差別に関する相談・事案解決の全体像」は、平成29年12月時点において制定されている条例(中核市以上の特化条例)における相談・事案解決のための体制について、その一覧表を掲載している。
また、内閣府が第44回障害者政策委員会(令和元年6月3日)に提出した参考1「条例の有無等による相談対応の状況」は、条例の有無による相談件数の多寡や相談体制の相違について、調査し、その結果を示している。