公契約条例
(令和6年7月19日更新)
【公契約条例とは】
〇 本稿では、公契約条例を取り上げる。公契約とは当事者の少なくとも一方が公の機関である契約を指し、公契約条例は「公契約に係る手続を通じて、その自治体における何らかの政策を実現するために必要な事項を定める条例」(田中孝男「条例による公契約手続整備が目指すもの~公契約条例のベンチマーキング」(自治体法務NAVI 39号)20頁)とされるが、狭義では、公契約条例のうち公契約に係る業務に従事する労働者等に受注者等が支払うべき賃金の下限額に関する規定(賃金条項)を有するものとされる。
ちなみに「公契約」という用語は、国の法令では使用例はなく、また、「広辞苑(第7版)」でも掲載されていない。他方、少なからぬ自治体の条例名に「公契約」が使用されている。この背景としては、1949年(昭和24年)に国際労働機関(ILO)で採択された「公契約における労働条項に関する条約(Labour Clauses(Public Contracts)Convention)」(第94号条約)がある。同条約名にある「Public Contracts」が「公契約」と訳されている。同条約は、対象とする契約を、当事者の少なくとも一方が公の機関であり、契約の履行に公の機関による資金の支出と契約のもう一方の当事者による労働者の使用とが伴うもの(1条)とし、同一地域の同一性質の労働に対し定められているものよりは有利な賃金、労働時間その他の労働条件を関係労働者に確保する条項を含んでなければならない(2条)としている。
同条約は日本では批准されていないが、同条約等を参考として、「バブル崩壊後の長期不況による公共工事の入札競争の激化の影響を受けた建設業において、平成13年(2001年)頃から、全国建設労働組合総連合(全建総連)等を中心に、公契約条例の制定を求める動きが活発になった。この際、公共工事に従事する者の賃金額の下落が続いていた状況を背景として、特に一定額以上の賃金を確保する規定を、条例の中に盛り込むよう要求することに重点が置かれた。このような動きは、公共サービスの民間委託の進展を背景に、次第に建設業以外の分野にも広がりを見せ、日本労働組合総連合会(連合)も、公契約条例の制定を求める運動を本格化させた。」(濱野恵「公契約条例の現状―制定状況、規定内容の概要―」(レファレンス812号 2018年9月)109頁)とされ、そして「平成21(2009)年、千葉県野田市において、一定額以上の賃金の支払を受注者に求める条例が制定されたことを皮切りに、各地で同様の条例が制定されるようになった。」(濱野論文109頁)とされる。
なお、野田市が制定した公契約条例については、「最低賃金法が定める地域最低賃金額を上回る賃金の支払いを条例で義務づけることの適法性等、法的問題について議論があるなか、公契約法の制定に向けた先導的役割を果たすことを意図して制定されたものであり、官製ワーキングプアー問題に一石を投じたといえる。」(宇賀克也「行政法概説Ⅰ(第6版)」(有斐閣 2017年12月)383~384頁)とされる。
〇 公契約条例のうち、狭義の公契約条例すなわち賃金条項を有する条例は「賃金条項型」とも呼ばれ、他方賃金条項を有さない条例は「基本条例型」又は「理念型」とも呼ばれる(濱野論文110頁)。上林陽治「公契約条例ならびに公契約基本条例をめぐる論点」(自治総研435号 2015年1月号)は、前者を「公契約条例」とし、後者を「公契約基本条例」としている(9頁、17頁)。
〇 本稿では、以下、全国自治体の公契約条例を「賃金条項を有する公契約条例」と「賃金条項を有さない公契約条例」とに整理したうえで、紹介する。なお、最近の公契約条例の制定状況を整理したものとしては、神奈川県地方自治研究センター資料「公契約条例制定状況一覧(2020年3月末現在)」や濱野論文「類型別公契約条例の制定状況」(111頁)などがある。神奈川県地方自治研究センター資料は令和2年3月末時点の公契約条例を一覧表にし、賃金条項の有無を記している。また、濱野論文は概ね平成30年3月末までに制定された公契約条例を4つの類型に分類し、各類型ごとに各条例の規定内容を一覧表にしている(115~130頁)。本稿はこれらの論文や資料を参考にしている。
なお、公契約条例については、上記で示した論文等のほか、松井祐次郎・五十嵐恵「公契約における労働条項―公契約法/条例による賃金規制をめぐる動向と課題―」(調査と情報731号 2011年12月 1頁以下)、勝島行正「公契約条例の到達点と今後の課題」(自治総研411号 2013年1月号 27頁以下)、上林陽治「公契約条例の現状と要件」(北海道自治研究594号 2018年7月 2頁以下)、古川景一「公契約条例の現状と課題」(とうきょうの自治115号 2019年12月 9頁以下)、斉藤徹史「公契約条例に関わる法的論点の検討」(自治総研512号 2021年6月号 1頁以下)、野口鉄平「公契約条例の全国動向についてー2021年度末における公契約条例の現段階ー」(自治研かながわ月報196号 2022年6月号 13頁以下)、嶋田暁文「公契約条例をめぐる多面的検討~諸論点の体系的考察~」(地方自治ふくおか 2022年77巻)、野口鉄平「公契約条例がめざす働く人の下支え」(自治研かながわ月報201号 2023年4月号 20頁以下)等多くの論文や著作がある。
【賃金条項を有する公契約条例】
〇 賃金条項を有する公契約条例であって、令和6年7月1日時点で制定が確認されるのは、次の32条例である。平成21年9月に、野田市が全国に先駆けて制定した。
千葉県野田市 | 平成21年9月30日公布 |
平成22年2月1日施行 |
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川崎市 | (昭和39年3月30日) 平成22年12月21日改正公布 |
(昭和39年4月1日施行) 平成23年4月1日改正施行 |
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東京都多摩市 | 平成23年12月22日公布 |
平成23年12月22日施行 |
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相模原市 | 平成23年12月26日公布 |
平成24年4月1日施行 |
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東京都渋谷区 | 平成24年6月22日公布 |
平成25年1月1日施行 |
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東京都国分寺市 | 平成24年6月28日公布 |
平成24年12月1日施行 |
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神奈川県厚木市 | 平成24年12月25日公布 |
平成25年4月1日施行 |
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東京都足立区 | 平成25年9月30日公布 |
平成26年4月1日施行 |
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福岡県直方市 | 平成25年12月20日公布 |
平成25年12月20日施行 |
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東京都千代田区 | 平成26年3月20日公布 |
平成26年10月1日施行 |
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兵庫県三木市 | 平成26年3月31日公布 |
平成26年7月1日施行 |
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埼玉県草加市 | 平成26年9月17日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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東京都世田谷区 | 平成26年9月30日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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高知県高知市 | (平成24年1月1日公布) 平成26年10月1日改正公布 |
(平成24年4月1日施行) 平成27年10月1日改正施行 |
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千葉県我孫子市 | 平成27年3月24日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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兵庫県加西市 | 平成27年3月25日公布 |
平成27年3月25日施行 |
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兵庫県加東市 | 平成27年7月1日公布 |
平成27年7月1日施行 |
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愛知県豊橋市 | 平成27年12月17日公布 |
平成28年4月1日施行 |
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埼玉県越谷市 | 平成28年12月22日公布 |
平成29年4月1日施行 |
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東京都目黒区 | 平成29年12月7日公布 |
平成30年10月1日施行 |
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東京都日野市 | 平成30年3月31日公布 |
平成30年10月1日施行 |
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愛知県豊川市 | 平成30年9月27日公布 |
平成31年2月1日施行 |
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東京都新宿区 | 令和元年6月21日公布 |
令和元年10月1日施行 |
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東京都杉並区 | 令和2年3月16日公布 |
令和2年8月1日施行 |
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東京都江戸川区 | (平成22年3月31日公布) 令和3年6月30日改正公布 |
(平成22年4月1日施行) 令和3年10月1日改正施行 |
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東京都中野区 | 令和4年3月28日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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東京都北区 | 令和4年6月21日公布 |
令和5年4月1日施行 |
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三重県津市 | (平成29年12月21日公布) 令和4年12月22日改正公布 |
(平成30年4月1日施行) 令和5年4月1日改正施行 |
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東京都墨田区 | 令和5年9月29日公布 |
令和5年10月1日施行 (一部)令和6年4月1日施行 |
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東京都台東区 | 令和5年12月19日公布 |
令和6年4月1日施行 |
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愛知県みよし市 | 令和5年12月20日公布 |
令和6年2月1日施行 |
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東京都文京区 | 令和6年6月27日公布 |
令和7年4月1日施行 (一部)令和6年6月27日施行 |
〇 賃金条項を有する公契約条例は、賃金条項の規定の仕方により、二つのタイプに分けることができる。公契約に係る業務に従事する労働者等に受注者等が一定額以上の賃金を支払うことを条例で直接義務づけるタイプと、公契約に係る業務に従事する労働者等に受注者等が一定額以上の賃金を支払う条項を当該公契約に盛り込むことを条例に規定するタイプである。
〇 上記の表のうち、一定額以上の賃金を支払うことを条例で直接義務づけるタイプのものは、野田市、渋谷区、目黒区、日野市、豊川市、北区及びみよし市の7条例であり、条例名の前に☆印を付したものである。「受注者等は労働者等に対して市長が定める額以上の賃金を支払わなければならない」等の規定を置いている。例えば、野田市条例は「受注者等は、適用労働者に対し、次に定める1時間当たりの賃金等の最低額・・・以上の賃金等を支払わなければならない。」(6条1項)と規定している。
〇 一方、一定額以上の賃金を支払うことを契約に盛り込むことを条例に規定するタイプは、「契約において、受注者等は労働者等に対して市長が定める額以上の賃金を支払わなければならないことを、定めなければならない」等の規定を置いている。例えば、多摩市条例は「市長、多摩市下水道事業管理者・・・又は教育委員会・・・は、公契約等において、受注者及び受注関係者が、労働者等(最低賃金法・・・第7条に規定する者を除く。)に対し、市長が定める額(以下「労務報酬下限額」という。)以上の賃金等を支払わなければならないことを定めるものとする。」(6条1項)と規定している。
〇 いずれのタイプの条例も、概ね①契約対象の範囲、②対象労働者等の範囲、③受注者等が労働者等に支払う賃金の下限額、④審議会等、⑤受注者の責務、⑥履行確保の方法、⑦制裁等に関する規定を置いている。
①契約対象の範囲については、対象となる契約を、工事等請負契約、業務委託契約、指定管理協定等とし、そのうち予定価格が一定規模以上のもの(指定管理協定については、すべて又は市長等が必要と認めるものとするものも多い)としている。例えば、野田市条例は、予定価格が4千万円以上の工事又は製造の請負の契約、予定価格が1千万円以上の工事又は製造以外の請負の契約のうち市長が別に定めるもの等及びすべての指定管理協定(4条)とし、多摩市条例は、予定価格が5千万円以上の工事又は製造の請負契約、予定価格が1千万円以上の工事及び製造以外の請負契約のうち市長が別に定めるもの、指定管理協定のうち市長又は教育委員会が必要であると認めたもの等(5条)としている。
②対象労働者等の範囲については、対象となる労働者を、受注者である企業に直接雇用されている者、下請業者に雇用されている者、労働者派遣法の規定により業務に派遣されている者及び自らが提供する労務の対価を得るため受注者等との請負契約により業務に従事する者(いわゆる一人親方)としている。例えば、野田市条例は、受注者に雇用され専ら当該公契約に係る業務に従事する者、下請負者に雇用され専ら当該公契約に係る業務に従事する者、法の規定に基づき受注者又は下請負者に派遣され専ら当該公契約に係る業務に従事する者及び公契約に係る2条4号に規定する請負労働者(5条)とし、多摩市条例は、受注者又は下請負者に雇用され公契約等に係る業務に従事する労働者、労働者派遣法の規定により公契約等に係る業務に派遣される者及び自らが提供する労務の対価を得るため受注者又は下請負者との請負の契約により公契約等に係る業務に従事する者(2条5号)としている。
③受注者等が労働者等に支払う賃金の下限額については、工事等請負契約に関しては公共工事設計労務単価を勘案した額(公共工事設計労務単価の8割から9割の間の額とするのが多い)としている。また、業務委託契約、指定管理協定等に関しては様々な指標が用いられ、建築保全業務労務単価、地域別最低賃金額、その他公的機関が定める労務単価の基準、生活保護水準、自治体職員給与額等を勘案して、市長等が定めるとしている。例えば、野田市条例は、工事又は製造の請負の契約については概ね公共工事設計労務単価の85%の額、工事又は製造以外の請負の契約及び指定管理協定は市職員給与、建築保全業務労務単価等を勘案して市長が定める額(6条1項)、多摩市条例は、工事又は製造の請負契約については公共工事設計労務単価を勘案して市長が定める額、工事又は製造の請負契約以外については業務の種類及び内容に応じて当該業務の標準的な賃金と認められる額を勘案して市長が定める額(7条1項)としている。
④審議会等については、市長等が受注者等が労働者等に支払うべき賃金の下限額を定める場合に審議会等の意見を聴くものとし、当該審議会等の設置、組織、運営等に関する規定を置いている。ほとんどの場合、学識経験者、労働者代表、事業者代表の三者で構成するとしている。例えば、野田市条例は、野田市公契約審議会を設置し、委員は労働者団体を代表する者、建設業団体を代表する者、商工団体を代表する者及び学識経験者のうちから市長が委嘱する等(14条の2~14条の7)とし、多摩市条例は、多摩市公契約審議会を設置し、委員は事業者、労働者及び学識経験を有する者のうちから市長が委嘱する等(9条~12条)としている。
⑤受注者の責務については、ほとんどの条例は、台帳等の作成・提出(受注者は、労働者等の氏名、職種、労働時間、賃金等を記載した台帳等を作成し、市長等に提出すること)、労働者等への周知(受注者は、条例の適用を受ける労働者等の範囲、賃金の下限額等について、作業所等に掲示し、又は書面を交付すること)、労働者等の申出(労働者等は、支払われた賃金が下限額を下回るなど条例や契約に違反する事項があれば、市長等や受注者等に申出することができること)、不利益取扱いの禁止(受注者等は、前記申出をしたことを理由に、労働者等に対して解雇、請負契約の解除その他の不利益な取扱いをしてはならないこと)等を規定している。また、受注者の連帯責任(受注者は、受注関係者(下請負者及び労働者を派遣する者等)が労働者等に対して支払う賃金が下限額を下回ったときは、その差額分について当該受注関係者と連帯して支払う義務を負うこと)、継続雇用(受注者は、継続性のある業務に関する契約を締結する場合は、当該契約の締結前からに従事していた労働者で希望する者を継続して雇用するよう努めること)等を規定する条例も少なくない。
⑥履行方法の確保については、ほとんどの条例は、条例や契約の遵守状況を確認するため、市長等は、受注者等に対する報告徴収、立入調査、是正命令等をすることができる旨規定している。
⑦制裁については、多くの条例は、受注者等が報告徴収や立入調査等に協力しない場合や是正命令に従わない場合等には、市長等は、契約の解除や指定管理に係る指定の取消、公表、違約金や損害賠償の請求等をすることができる旨規定している。また、指名停止について規定するものもある。
〇 以上の条例のうち、草加市条例及び世田谷区条例は、賃金条項は有するものの、受注者等に対して労働者等に一定額以上の賃金を支払うことを義務づける内容とはなっていない。このうち、草加市条例は、市長は労働賃金基準額を定めることができる(12条)としたうえで、賃金も含めた労働環境の確認を行うため報告徴収及び指導を行うことができる(13条)としているが、立入調査、是正命令、契約解除、公表等の規定は置いていない。世田谷区条例は、区長は、労働報酬下限額を定め事業者に示し、事業者がこれを遵守し、労働者に適正な賃金が支払われるように努める(4条3項1号)としたうえで、必要に応じて労働条件の改善に資する措置をとるように努める(4条3項3号)としているが、報告徴収、立入調査、是正命令、契約解除、公表等の規定は置いていない。
なお、津市条例は、令和5年4月1日改正施行により労働報酬下限額の規定(改正後6条の2)が置かれたが、規則で定める誓約事項(6条)の一つとして、一定の労働者に労働報酬下限額以上の報酬を支払うこと(津市公契約条例施行規則改正後4条7号)が規定されている。
【賃金条項を有さない公契約条例】
〇 賃金条項を有さない公契約条例であって、令和6年7月1日時点で制定が確認されるのは、次の56条例である。
山形県 | 平成20年7月18日公布 |
平成20年7月18日施行 |
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秋田県秋田市 | 平成25年3月21日公布 |
平成26年4月1日施行 |
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群馬県前橋市 | 平成25年3月29日公布 |
平成25年10月1日施行 |
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長野県 | 平成26年3月20日公布 |
平成26年4月1日施行 |
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奈良県 | 平成26年7月10日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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三重県四日市市 | 平成26年10月6日公布 |
平成27年1月1日施行 |
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奈良県大和郡山市 | 平成26年12月18日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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岐阜県 | 平成27年3月24日公布 |
平成27年4月1日施行 |
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岩手県 | 平成27年3月27日公布 |
平成28年4月1日施行 |
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京都市 | 平成27年11月11日公布 |
平成27年11月11日施行 |
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石川県加賀市 | 平成28年3月22日公布 |
平成28年7月1日施行 |
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岐阜県大垣市 | 平成28年3月24日公布 |
平成28年4月1日施行 |
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愛知県 | 平成28年3月29日公布 |
平成28年4月1日施行 |
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香川県丸亀市 | 平成28年3月29日公布 |
平成28年4月1日日施行 |
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兵庫県尼崎市 | 平成28年10月21日公布 |
平成28年10月21日施行 |
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北海道旭川市 | 平成28年12月13日公布 |
平成28年12月13日施行 |
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福島県郡山市 | 平成28年12月16日公布 |
平成29年4月1日施行 |
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愛知県碧南市 | 平成29年3月25日公布 |
平成29年7月1日施行 |
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和歌山県湯浅町 | 平成29年3月30日公布 |
平成29年3月30日施行 |
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岩手県花巻市 | 平成29年12月7日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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秋田県由利本荘市 | 平成29年12月22日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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岐阜県高山市 | 平成29年12月25日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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愛知県尾張旭市 | 平成29年12月25日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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京都府向日市 | 平成30年3月23日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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愛知県大府市 | 平成30年3月27日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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沖縄県 | 平成30年3月30日公布 |
平成30年4月1日施行 |
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愛知県田原市 | 平成30年12月20日公布 |
平成31年4月1日施行 |
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岩手県北上市 | 平成30年12月21日公布 |
平成31年4月1日施行 |
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兵庫県丹波篠山市 | 平成30年12月26日公布 |
平成30年12月26日施行 |
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広島県庄原市 | 平成30年12月28日公布 |
平成31年4月1日施行 |
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愛知県豊明市 | 令和元年9月26日公布 |
令和2年2月1日施行 |
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愛知県岡崎市 | 令和元年12月23日公布 |
令和2年4月1日施行 |
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愛知県東郷町 | 令和2年3月25日公布 |
令和2年4月1日施行 |
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愛知県西尾市 | 令和2年3月26日公布 |
令和2年4月1日施行 |
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沖縄県那覇市 | 令和2年3月26日公布 |
令和3年4月1日施行 |
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岐阜県岐阜市 | 令和2年3月30日公布 |
令和2年4月1日施行 |
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青森県八戸市 | 令和2年9月24日公布 |
令和3年4月1日施行 |
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長野県長野市 | 令和2年12月25日公布 |
令和3年4月1日施行 |
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岐阜県飛騨市 | 令和3年3月22日公布 |
令和3年4月1日施行 |
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東京都葛飾区 | 令和3年3月26日公布 |
令和3年4月1日施行 |
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静岡県 | 令和3年3月26日公布 |
令和3年3月26日施行 |
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愛知県瀬戸市 | 令和3年6月25日公布 |
令和3年10月1日施行 |
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青森県おいらせ町 | 令和3年9月13日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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愛知県日進市 | 令和3年9月30日公布 |
令和4年3月1日施行 |
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愛知県長久手市 | 令和3年10月7日公布 |
令和4年3月1日施行 |
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滋賀県 | 令和3年10月15日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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愛知県幸田町 | 令和3年12月17日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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愛知県豊田市 | 令和3年12月28日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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愛知県知立市 | 令和4年3月18日公布 |
令和4年4月1日施行 |
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熊本県 | 令和4年10月12日公布 |
令和5年4月1日施行 |
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秋田県にかほ市 | 令和5年3月20日公布 | 令和5年4月1日施行 | |
群馬県玉村町 | 令和5年3月20日公布 | 令和5年4月1日施行 | |
愛知県蒲郡市 | 令和5年3月23日公布 |
令和5年7月1日施行 |
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愛知県高浜市 | 令和5年3月24日公布 | 令和5年4月1日施行 | |
愛知県常滑市 | 令和5年3月31日公布 | 令和5年4月1日施行 | |
長野県松本市 | 令和5年6月30日公布 | 令和5年7月1日施行 |
〇 賃金条項を有さない公契約条例は、公契約に係る業務に従事する労働者等に受注者等が一定額以上の賃金を支払うことを求める規定は置いておらず、通常は、公契約に係る基本理念又は基本方針を定めるとともに、自治体の責務、受注者等の責務等を規定している。
基本理念や基本方針において、公契約の実施に当たっての公平性、透明性、競争性等の確保、地域における雇用の促進や地域経済の活性化、公契約の品質の確保や適正な履行、公契約に係る業務に従事する労働者等の労働条件等の労働環境の向上、さらには、環境保全、男女共同参画、障害者雇用等の社会的価値の向上等を規定するものが多い。
こうした理念的な事項を中心に規定している条例としては、山形県、長野県、岐阜県、加賀市、丸亀市、旭川市、湯浅町、向日市、沖縄県、葛飾区、静岡県、滋賀県及び熊本県の条例をあげることができる。
他の条例は、理念的な事項以外に、公契約に係る業務に従事する労働者等の労働条件を含む労働環境の確保を図る観点から、市長等は受注者等に対して報告を徴収し、必要な指導等を行うことができる等の規定を置いている。また、受注者は、適正な労働環境が確保されているかを確認するための文書(台帳、労働環境報告書等)を市長等に提出しなければならないことを、条例上明記しているものも多い。
さらに、労働者等の申出、申出による不利益取扱いの禁止、市長等による立入調査、条例や契約違反の場合の是正措置、是正措置に従わない場合等の契約解除、損害賠償、違約金、公表等の制裁等を規定しているものも少なくない。
なお、奈良県条例は、受注者が知事に条例の規定に基づく報告をせず、または虚偽の報告をした場合等に5万円以下の過料を科している(16条)。公契約条例全体を通して、罰則規定を置いている唯一の条例である。