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終活支援に関する条例

                                                   (令和3年9月4日更新)

【神奈川県大和市の条例】

〇 神奈川県大和市は、いわゆる終活を支援するため、令和3年6月に、

神奈川県大和市

大和市終活支援条例

令和3年6月29日公布

令和3年7月1日施行

 を、制定した。

〇 条例は、目的(1条)、定義(2条)、基本理念(3条)、市の責務(4条)、事業者の役割(5条)、市民の役割(6条)、基本的施策(7条)、財政上の措置(8条)及び委任(9条)の全9条から構成されている。

〇 「終活」を「自らの死と向き合い、自己の希望及び周囲の人々への影響を考慮したエンディング及び死後の手続に関する準備を行う活動」(2条1号)と定義づけたうえで、「終活支援に関する基本理念及び基本的施策を定めることにより、終活支援に関する施策の総合的な推進を図り、もって心豊かな市民生活の実現に寄与すること」(1条)を目的としている。

〇 基本理念として「市民が主体的に終活に取り組むことができる環境を構築すること」、「終活に関する市民のニーズを的確に把握し、時代に適合した多様な施策を行うこと」及び「市民それぞれの終活に対する考え方を尊重し、理解を深めること」を掲げる(3条)とともに、市が実施する基本的施策として「終活に関する相談支援」、「終活に関する情報の収集及び広報」、「終活に関するイベントの開催」、「市民が終活に取り組みやすい環境整備」等(7条)を規定している。

〇 大和市は、本条例を「人生の最期のときに寄り添う、日本で初めての条例」とし、「人生の最期を迎えるまでの暮らしや死後に必要となる諸手続きなどについて本人が行う準備である『終活』に関して、これまで5年間にわたり、行政の立場から積極的な支援を行ってきました。」としたうえで、「おひとりさまが今後ますます増えていくことが予測される中、大和市は、これまで行ってきた終活に関するさまざまな施策やそれを貫く理念を条例という形で位置づけることで、『一人になっても独りぼっちにさせないまち』を実現していきます。」としている(大和市HP「「大和市終活支援条例」を制定しました」)。

〇 令和3年8月23日現在、「終活」という言葉を使用する法律や他の条例は確認できない。

〇 なお、自治体の終活支援事業については、神奈川県横須賀市の「エンディングプラン・サポート事業」及び「わたしの終活登録」の取組みがよく知られている。こうした横須賀市の取組みも含め自治体の終活支援事業について論じたものとして、八木橋慶一「地域福祉における「終活」支援と行政の役割ー横須賀市の事例からー」(地域政策研究(高崎経済大学地域政策学会)22巻4号 令和2年3月)や塩浜克也「終活事業と自治体」(法学セミナー「終活と法」2020年9月号)などがある。 

 


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