自動車ヤード・スクラップヤード・資材置場条例

(令和6年11月30日更新)

【自動車ヤード条例】

(ヤード条例とは)

〇 ヤード条例やヤード適正化条例などと呼ばれる条例(以下「ヤード条例」と総称する。)がある。英和辞典で見ると「ヤード(Yard)」とは「囲い地」、「作業所」、「集積場」等とされるが、ヤード条例でいう「ヤード」は自動車を解体し又はそのために自動車やその部品を保管する場所(施設)を意味している。

 こうしたヤードにおいて自動車の解体や保管を行う事業者に対して届出を義務づける等の規制を行い、自動車の盗難の防止又は自動車の部品の油等による汚染の防止を図ることを目的とする条例がヤード条例である。条例における規制の対象は、ヤードの設置ではなく、ヤードにおける自動車の解体や保管とされている。

〇 平成23年版警察白書は、ヤードに関して「ヤードとは、周囲を鉄壁等で囲まれた作業所等であって、海外への輸出等を目的として、自動車等の解体、コンテナ詰め等の作業に使用していると認められる施設のことをいい、農村部を中心として日本全国に多数点在している。一部のヤードが犯罪の温床となっている状況がみられ、このまま放置すれば我が国の治安上大きな脅威となることから、警察では平成22年6月、全国一斉ヤード対策を実施するなど、犯罪の関与が疑われるヤードに対する諸対策を推進している。」(第2章2「犯罪のグローバル化及び犯罪インフラに対応するための取組」コラム(4))と記述している。

〇 したがって、「ヤード条例」は、実質的には「自動車ヤード条例」であるともいえる。

 

(制定状況)

〇 令和6年10月8日時点で、ヤード条例は、都道府県では5条例、市町村では3条例の制定が確認できる。以下の条例である。

 全国で最初に制定されたのは、平成26年の千葉県条例である。次いで、平成28年に三木市、坂東市及び茨城県の条例が制定され、さらに、令和元年に愛知県条例、令和2年に埼玉県条例、令和3年に三重県条例、令和5年に八千代町条例が制定されている。

(都道府県)

千葉県

千葉県特定自動車部品のヤード内保管等の適正化

に関する条例

平成26年12月25日公布

平成27年4月1日施行

茨城県

茨城県ヤードにおける自動車の適正な取扱いの確保

に関する条例

平成28年12月28日公布

平成29年4月1日施行

愛知県

ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例

令和元年7月5日公布

令和元年12月1日施行

埼玉県

埼玉県ヤードにおける自動車等の適正な取扱いの確保

に関する条例

令和2年3月31日公布

令和2年7月1日施行

三重県

盗難自動車の解体及び輸出の防止等に関する条例

令和3年3月23日公布

令和3年 10月1日施行

(令和3年8月1日一部施行)

(市町村)

兵庫県三木市

三木市におけるヤード内保管等の適正化に関する条例

平成28年3月26日公布

平成28年7月1日施行

茨城県坂東市

坂東市特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例

平成28年6月17日公布

平成28年7月1日施行

茨城県八千代町

八千代町特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例

令和5年6月19日公布

令和5年7月1日施行

 

(条例の概要)

〇 条例の目的について、千葉県条例は「県内のヤード及びその周辺における自動車の部品に用いられる油等による汚染並びに県内のヤードにおける不正に取得された自動車の部品の保管等の状況に鑑み、特定自動車部品のヤード内保管等の適正化のための措置を講ずることにより、県民の生活環境の保全上の支障の防止を図るとともに、県民の平穏な生活の確保に資すること」(1条)としており、ヤードの利用による「油等による汚染の防止」と「自動車の盗難の防止」の両方が念頭に置かれている。

 他方、茨城県条例は「ヤードにおける盗難自動車の取引及び解体の現状に鑑み,ヤードにおける自動車の適正な取扱いを確保するために必要な規制を行うことにより,自動車の盗難の防止に資すること」(1条)、愛知県条例は「ヤードにおける盗難自動車の解体を防止するため必要な規制を行うことにより、自動車の盗難の防止に資すること」(1条)、埼玉県条例は「ヤードにおける盗難自動車等の保管及び解体の状況に鑑み、県内のヤードにおける自動車等の適正な取扱いを確保するために必要な規制を行うことにより、自動車等の盗難の防止を図り、もって県民の平穏な生活の確保に資すること」(1条)をそれぞれ目的としており、「自動車の盗難の防止」のみが念頭に置かれている。

 また、三重県条例は「特定自動車解体業及び中古自動車輸出業を営む者に係る届出制度を設ける等の措置を講ずることにより、盗難自動車の解体及び輸出を防止し、もって自動車の盗難の防止及び盗難被害の迅速な回復に資するとともに、地域の良好な生活環境を確保すること」(1条)を目的とし、目的には「地域の良好な生活環境を確保」も含まれているが、主眼は「自動車の盗難の防止」とみることができる。

 なお、条例の主たる担当部署は、千葉県は知事部局の生活環境部であるのに対して、茨城県、愛知県、埼玉県及び三重県は警察本部となっている。

 市町村条例である三木市、坂東市及び八千代町の条例は、ほぼ千葉県条例と同趣旨の目的規定を置いている。

〇 条例の規制の対象行為について、千葉県条例は、ヤードにおいて行う「特定自動車部品の保管又は分離」(2条4号、3条1項)としており、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)の対象とする「使用済自動車又は解体自動車の解体」(2条13項)とは別の概念を使用している。三木市条例及び坂東市条例も、ほぼ同様の規定を置いている。

 これに対して、「自動車の盗難の防止」のみを目的する茨城県条例、埼玉県条例及び愛知県条例は、概ね「自動車の解体」を規制の対象行為としている。すなわち、茨城県条例はヤードにおいて行う「自動車の解体」(2条4号、3条1項)、愛知県条例はヤードにおいて行う「自動車解体」(2条4号、5号、3条1項)、埼玉県条例はヤードにおいて行う「自動車等の保管又は解体」であって、輸出、譲渡又は引渡しを目的とする行為(2条4号、3条1項)としている。また、三重県条例は「特定自動車解体」(2条2号、3条1項)を規制の対象行為としている。

〇 「ヤード」の定義について、千葉県条例は「特定自動車部品の保管又は分離の用に供する施設のうち、その外周の全部又は一部に板塀、垣、柵、壁、コンテナその他これらに類する工作物が存する施設」(2条1号)としており、自動車の解体やその部品等の保管のための場所(施設)というだけではなく、塀、垣、柵、壁等に囲まれた場所(施設)であることを要件としている。

  茨城県、埼玉県、三木市、坂東市及び八千代町の条例は定義の仕方はそれぞれ異なるものの、いずれも千葉県条例と同様に、塀、垣、柵、壁等に囲まれた場所(施設)であることを要件に加えている。さらに、茨城県条例は「それらの存在により当該施設の外部から内部における自動車の解体の状況の視認が困難であるもの」(2条1号)に限定し、埼玉県条例は塀等の囲いは「みだりに人が立ち入るのを防止することができるものが当該施設の周囲に設けられたもの」(2条1号)に限定している。

 一方、愛知県条例は、「ヤード」を単に「自動車解体の用に供する施設又は場所」(2条1号)とし、塀等に囲まれた場所(施設)であることを要件としていない。

 また、三重県条例は特に「ヤード」という概念を使わず、条文の中で「自動車の部品を取り外す場所並びに部品を取り外す自動車を保管する場所、取り外した自動車の部品を保管する場所及び部品を取り外した自動車を保管する場所」(3条1項2号)との表現を使っている。この場合も、塀等に囲まれた場所(施設)であることを要件としていない。

〇 規制の手法については、いずれの条例も、自動車の解体や保管を行う事業者に対して知事(市長)または公安委員会への届出、自動車等の取引に際しての相手方の氏名・住所等の確認、盗難自動車等の疑いがある場合の警察官への申告、取引記録の作成・保存等を義務づけるとともに、違反行為に対して刑事罰を科し、また、土地所有者等に対して盗難自動車の解体等に使用されないことの確認の努力義務を課すなどの規定を置いており、基本的な枠組みは概ね同様のものとなっている。

 しかし、各条例は、上記のとおり条例の目的、条例の規制の対象行為、ヤードの定義、所管部局等が異なっており、それに伴うものや、知事(市長)や公安委員会の勧告、指示、命令等の有無やその内容、警察職員による立入検査等の有無、事業者に対する従業者名簿の備付けの義務づけの有無、土地所有者等が締結する契約内容の努力義務の有無等の点で異なっている。

 大きく分類すると、千葉県条例、三木市条例、坂東市条例及び八千代町条例、茨城県条例及び埼玉県条例、愛知県条例及び三重県条例の3つのタイプに分かれる。以下、それぞれのタイプごとに、概要を記す。下線部分は、主な相違点を示すものである。

 千葉県条例は、特定自動車部品をヤード内で保管や分離を行う者に対する①知事への届出の義務づけ(3条)、②自動車部品の油等の地下浸透等の防止措置の義務づけ(4条)、③原動機を取引する場合の相手方の氏名・住所等の確認、不正品の疑いがある場合の警察菅への申告、取引記録の作成・保存等の義務づけ(5条、6条)、知事の勧告、命令、報告徴収及び立入検査(8条~11条)、土地を提供する場合の不正ヤードとして使用されるおそれがないか否かの確認、不正ヤードとして使用されている場合の関係機関への通報等の土地所有者等に対する努力義務(13条)、違反行為に対する罰則(16条~20条)等を規定している。三木市条例、坂東市条例及び八千代町条例も、千葉県条例とほぼ同様の規定を置いているが、三木市条例は、市長への届出は「三木市環境保全条例」19条に基づく事前協議を終了した後でなければできない(3条2項)としている。

 茨城県条例及び埼玉県条例は、ヤードにおける自動車解体等事業者に対する①公安委員会への届出の義務づけ(両条例3条)、②自動車の引き取り等における相手方の氏名・住所等の確認、盗難自動車の疑いがある場合の警察官への申告、取引記録の作成・保存等の義務づけ(茨城県条例4条、5条、埼玉県条例4条~6条)、土地等を譲渡等する場合のヤード内で盗難自動車の解体等に使用されるものでないことの確認、その旨を含む契約の締結等の土地等所有者の努力義務(茨城県条例6条、埼玉県条例8条)、警察職員による立入検査等(茨城県条例7条、埼玉県条例11条)、違反行為に対する罰則(茨城県条例10条~12条、埼玉県条例14条~18条)等を規定している。これに加えて、埼玉県条例は、事業者に対する従事者名簿の備付け(7条)等を定めている。

 愛知県条例及び三重県条例は、自動車解体業者に対する①公安委員会への届出の義務づけ(両条例3条)、②従業者名簿の備付け(両条例5条)、③自動車の引き取りにおける相手方の氏名・住所等の確認、盗難自動車の疑いがある場合の警察菅への申告、引取記録の作成・保存等の義務づけ(愛知県条例6条、7条、三重県条例6条)、盗難自動車であると疑う相当の理由がある場合における自動車解体業者に対する警察本部長等の当該自動車・部品の保管命令(両条例8条)、違反行為に対する公安委員会の指示、停止命令等(両条例9条、10条)、土地等の貸付け等をする場合の盗難自動車の解体に使用されるものでないことの確認、その旨を含む契約の締結等の土地等貸付者の努力義務(両条例11条)、土地等貸付者に対する公安委員会の勧告(両条例12条)、警察職員による立入検査等(愛知県条例13条、三重県条例14条)、違反行為に対する罰則(愛知県条例16条~20条、三重県条例18条~22条)等を規定している。これに加えて、三重県条例は、良好な生活環境の確保(7条)、中古自動車輸出業の届出等(13条)等を定めている。

 

(条例制定の背景等)

〇 千葉県条例の制定の背景について、千葉県資料「立法事実説明資料」が詳しく述べている。

 同資料のアウトラインは、概ね、以下の通りである。

1 平成25年末現在全国のヤード数は約2100か所であり、このうち、千葉県内のヤードは473か所で全国の約2割を占める。他県でヤード数が多いのは、埼玉県が約250か所、愛知県が約190か所、茨城県が約160か所である。

2 不適正なヤードによって、油等の地下浸透、流出等による周辺環境への悪影響、ヤードが関与する組織的な自動車関係の窃盗、盗品保管等の問題が発生している(同資料は、具体的な事例や統計数字を示している)。

3 ヤードにおいては、

① 矢板等で囲まれ、内部で行われている行為が物理的に確認できない

② 既存法令に基づく立入権限では、内部で行われている行為を実効的に確認できない場合がある

4 既存法令については、

① 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)は廃棄物を対象にしているが、取引の対象となる自動車部品は一般に有価物であり、同法の対象外となる

② 「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)は自動車の解体を行う者がその解体の過程で行う自動車部品の保管・分離は対象としているが、自動車の解体を行う者以外の者が行う自動車部品の保管・分離については同法の対象外となる

③ 「古物営業法」は自動車(その部分品を含む。)について同法16条で帳簿記載が義務付けられているが、金属資源としての自動車部品等については帳簿記載が義務付けられていない

 等の問題があり、発生している事案に対して適切に対応することが困難である(同資料は、各法令の条文に即して、詳細に記述している)。

5 したがって、条例で、ヤードにおいて特定自動車部品の保管又は分離を行おうとする者に届出を義務づけること、油等の地下浸透等の防止措置を義務づけること、取引記録の作成等を義務づけることの必要性が認められる。

〇 茨城県条例については、「当初、県知事部局が所管し『県民の生活環境の保全上の支障の防止を図るとともに、県民の平穏な生活の確保に資すること』を目的とする千葉県条例型の条例の制定も模索された模様であるが、県警では、最終的に、茨城県公安委員会(・・・)が所管し自動車盗を予防することを目的とする新たな型の条例の制定を目指すこととした」(世取山茂「茨城県ヤードにおける自動車の適正な取扱いの確保に関する条例~自動車盗を予防することを目的とする県公安委員会所管条例~」(警察学論集71巻6号 平成30年6月)77頁)とされる。

 そして、千葉県条例では「立入調査権限を県知事部局の職員に付与したのに対して、本条例では、目的が自動車盗という犯罪の予防であるため、立入権限を警察職員に付与した」、取引の相手方の確認や取引の相手方等に係る書類の写しの作成又は保存を怠った者に対して、千葉県条例では知事命令に違反した場合に処罰するとしていることに対して、茨城県条例は「直罰の対象にしている」(世取山論文87頁、88頁)としている。

〇 愛知県条例については、「条例制定作業に当たっては、両県(千葉県及び茨城県)条例を参考にしつつ、更に効果的な条例とするために検討を加え、従業者名簿の備付け義務、盗難自動車の疑いがある自動車等の保管命令、条例に違反した場合の必要な指示、自動車解体業の停止命令等及び土地等の貸付け等をした者に対する勧告等といった独自の規定も設けた」(加藤達也「「ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例」に係る愛知県警察の取組等について」(警察学論集72巻10号 令和元年10月)103頁,104頁)とされる。

 また、ヤードの定義について、「ヤード内の場所貸し(又貸し)された場所や警察庁が定義するヤードの形態をとらない場所(倉庫などのヤード代替施設)で盗難自動車の解体が行われたり、・・・短期間のうちにヤードを設置して盗難自動車の解体を始めたりするなど、ヤードの実態を把握することが困難な事例も確認されている」ことを踏まえ、「潜在化するヤードの実態にも対応できるようにするため、端的な定義とした」(加藤論文85頁、89頁)としている。

〇 千葉県条例の内容等については千葉県HP「自動車ヤード対策」を、茨城県条例の内容等については茨城県警察HP「茨城県ヤードにおける自動車の適正な取扱いの確保に関する条例について」を、愛知県条例の内容等については愛知県警察HP「ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例(ヤード条例)」を、埼玉県条例の内容等については埼玉県警察HP「埼玉県ヤードにおける自動車等の適正な取扱いの確保に関する条例」を、三重県条例の内容等については三重県警察HP「盗難自動車の解体及び輸出の防止等に関する条例の制定について」を、坂東市条例の内容等については坂東市HP「坂東市特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例施行について」、八千代町条例の内容等については八千代町HP「八千代町特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例施行について」をそれぞれ参照されたい。

 

【スクラップヤード条例】

〇 解体された自動車の部品に限定せず、広く使用済みの物品や再生資源物の屋外での堆積や保管を規制する条例も制定されている。

 本稿では、こうした条例を「スクラップヤード条例」という。

 スクラップヤード条例として、令和6年10月8日時点で、以下の条例が確認できる。

長野県飯田市

飯田市環境保全条例

平成24年1月1日改正施行

鳥取県

鳥取県使用済物品等の放置防止に関する条例

平成27年12月24日公布

平成28年4月1日施行

神奈川県綾瀬市

綾瀬市再生資源物の屋外保管に関する条例

平成31年3月28日公布

平成31年7月1日施行

千葉市

千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例

令和3年10月5日公布

令和3年11月1日施行

茨城県境町

境町再生資源物の屋外保管に関する条例(廃止)

令和3年12月8日公布

令和3年12月8日施行

令和6年4月1日廃止

千葉県袖ケ浦市

袖ケ浦市再生資源物の屋外保管に関する条例

令和4年12月19日公布

令和5年4月1日施行

千葉県

千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例

令和5年10月17日公布

令和6年4月1日施行

茨城県常陸大宮市

常陸大宮市再生資源物の屋外保管に関する条例

令和5年12月26日公布

令和6年4月1日施行

山梨県

山梨県再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物

の適正管理の促進に関する条例

令和5年12月26日公布

令和6年7月1日施行

茨城県

茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例

令和5年12月27日公布

令和6年4月1日施行

さいたま市

さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例

令和5年12月28日公布

令和6年2月1日施行

埼玉県越谷市

越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例

令和6年3月21日公布

令和6年7月1日施行

埼玉県

埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例

令和6年7月9日公布

令和7年1月1日施行

福島県

福島県特定再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例

令和6年10月8日公布

令和7年1月1日施行

〇 飯田市条例は、昭和49年に制定されているが、平成24年1月1日改正施行により、使用済物品等の屋外堆積の規制に関する規定が追加された。

 すなわち、使用済物品等を「テレビジョン受信機、電気冷蔵庫その他の事業活動又は家庭生活において使用される物品で、使用済みのもの又は使用されることなく不要とされたものであり、かつ、再資源化その他の方法による再利用のために収集されたもの」であって、廃棄物処理法上の廃棄物等に該当しないもの(2条5号)と定義づけたうえで、事業者に対して、屋外に使用済物品等を一定規模を超えて堆積する場合に、市長への届出(21条の2)、市長の要請による地域住民への説明会の開催(21条の7)、事故時の措置(21条の9第1項)を義務づけ、市長は基準を定めて指導し(21条の4)、指導・勧告(6条)、事故時の措置の命令(21条の9第2項)、公表(34条)をすることができるとしている。無届出での事業着手、命令違反等に対して刑事罰を科している(36条、37条)。

 本条例の関係規定の内容等については、飯田市HP「屋外堆積等を行う場合の届出について」を参照されたい。

〇 鳥取県条例は、使用済物品等の放置を防止するために、平成27年12月に制定された。

 すなわち、使用済物品を農機具、バイク(原付を含む)、タイヤ、自転車、家電製品、小型電子機器及びその他金属及び金属以外の材料のいずれもが含まれる物品で放置されると生活環境が悪化するおそれがあるものであって、一度使用されたもの(但し、廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないもの)(2条1号)、使用済物品回収業を「使用済物品の収集又は運搬を行う事業」(2条2号)と定義づけたうえで、使用済物品回収業を営む場合の知事への届出(7条)、使用済物品の屋外保管や運搬に際しての基準の遵守(8条)を義務づけている。知事は、報告・検査(12条)、指導・助言(13条)、改善命令(14条)をすることができるとし、命令違反等に対して刑事罰等を科している(17条~19条)。

 本条例の関係規定の内容等については、鳥取県HP「使用済物品放置防止条例施行のお知らせ」を参照されたい。

〇 綾瀬市条例は、再生資源物の屋外保管を規制する単独条例として、平成31年3月に制定された。

 再生資源物を「使用を終了し、収集された木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器又はプラスチックを原材料とするもの(分解、破砕、圧縮等の処理がされたものを含む。)」であって、廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないもの(2条1号)と定義づけたうえで、再生資源物の崩落その他の事故等を防止するため、再生資源物を屋外に保管する事業者に対して市長への届出(5条)、基準の遵守(8条)、事故時の措置(9条)を義務づけ、市長は報告徴収、立入検査、指導・勧告、改善命令、公表(10条~14条)をすることができるとしている。罰則規定は置いていない。

 廃棄物ではない有価物の屋外での保管に関して、生活環境の保全と安全確保の観点から、事業者に市長への届出と一定の環境保全措置等を義務づけ、市長が報告徴収、立入検査、勧告、命令等を行うことができるとする点では、ヤード条例、特に千葉県条例、三木市条例及び坂東市条例と類似している。

 本条例の内容等については、綾瀬市HP「綾瀬市再生資源物の屋外保管に関する条例」を参照されたい。

〇 千葉市条例は、綾瀬市条例と同様に再生資源物の屋外保管を規制する単独条例であるが、上記の「ヤード条例」、飯田市条例や綾瀬市条例が「届出制」としているに対して「許可制」としている。千葉市は、全国初の許可制の導入としている(千葉市報道資料「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例について」参照)。

 再生資源物の定義(2条1号)については、ほぼ綾瀬市条例と同様の規定を置いている。

 そのうえで、再生資源物の屋外保管事業場(敷地面積が100㎡を超えるもの)を設置しようとする者は市長の許可を受けなければならない(5条1項)とし、市長は屋外保管事業所の保管基準(7条)及び立地基準(8条)に適合している等の場合にのみ許可する(5条5項)としている。また、事業者に対して、周辺住民への説明会の開催(6条)、記録の作成(9条)、事故時の措置(20条)等を義務づけている。

 市長は勧告、命令、報告徴収、立入検査(14条、16条~19条)をすることができるとし、無許可での屋外保管事業場の設置・変更、命令違反等に対して刑事罰を科している(25条~28条)。

 本条例の内容等については千葉市HP「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例について」及び自治体法務研究2022年春号CLOSEUP先進・ユニーク条例「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例」を、また、条例制定の経緯や既存法令の問題点等については千葉市パブリックコメント資料「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例等案の骨子」を参照されたい。

〇 境町条例は、令和3年12月に制定されたが、令和6年4月に「茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」が施行されたことに伴い廃止された。千葉市条例と同様に「許可制」とし、条例の構成としては綾瀬市条例に近く、また屋外保管の基準は規則に委ねておらず、罰則規定は置いていなかった。

〇 袖ケ浦市条例も、千葉市条例と同様に、「許可制」とし、また、罰則規定を置いている。

 条例の構成は千葉市条例に近いが、独自の規定として、排出事業者や再生資源物の運搬者の責務(3条4項、5項)、事前協議(7条)、水質検査及び地質検査の実施等(11条)、記録の利害関係者への閲覧(12条)、名義貸しの禁止(14条)、公表(23条)等の規定を置いている。一方で、工業専用地域にある屋外保管事業場の特例(再資源物の高さ、保管の単位及び保管の間隔。9条3項)等の弾力的な規定も置いている。

 本条例の内容等については、袖ケ浦市HP「袖ケ浦市再生資源物の屋外保管に関する条例」を参照されたい。

〇 千葉県は、自動車ヤード条例である「千葉県特定自動車部品のヤード内保管等の適正化に関する条例」とは別に、令和5年10月に「千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例」を制定した。

 本条例は、特定再生資源を「使用を終了し、収集された製品(金属又はプラスチック(以下「金属等」という。)が使用されているものに限る。)」(2条1項1号)又は「収集された金属等(製品の製造、加工、修理又は販売、土木建築に関する工事その他の人の活動に伴い副次的に得られたものに限る。)」(2条1項2号)とし、規制対象を金属スクラップヤード又はプラスチックスクラップヤードとしている。なお、自動車ヤード条例で定める「特定自動車部品」等は特定再生資源から除外している。

 条例制定の背景を「・県内において、金属スクラップヤード等が332か所で確認された(R4.3.31現在)。 ・一部の金属スクラップヤード等において、高積みなどの不適正な保管による崩落の危険や事業場における火災の発生、保管物の破砕、切断等の作業に伴う騒音等が発生している。 ・金属スクラップヤード等の事業運営を直接規制する法令等がないため、県内における事業の実態を正確に把握することが困難であった。」(千葉県HP「千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例(通称:金属スクラップヤード等規制条例)」)としている。

 特定再生資源屋外保管業を「屋外(・・・)において、特定再生資源を積み上げる作業の用に供することができる機械のうち規則で定めるものを使用して特定再生資源の保管をする事業(保管をし、破砕等(・・・)をするものを含み、自ら原材料として使用するために保管をするものを除く。)」(2条2項)と定義づけ、特定再生資源屋外保管業を行おうとする者は、事業場ごとに知事の許可を受けなければならない(8条1項)とし、知事は9条各号に定める基準に適合している場合等にのみ許可する(9条本文)としている。また、事業者に対して、住民への周知(7条)、基準の遵守(11条)、廃業等の届出(13条)、台帳の作成・保存(14条)、現場責任者の設置(16条)等を義務づけている。

 知事は変更命令、措置命令、報告徴収、立入検査、指導・助言等(17条~22条)をすることができるとし、無許可での営業、命令違反等に対して刑事罰を科している(29条~31条)。

 市町村との関係については、市町村長は、規則で定めるところにより、条例の規定の適用除外を求める旨の申出をすることができる(27条1項)としている。

 本条例の内容等については千葉県HP「千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例(通称:金属スクラップヤード等規制条例)」を、また、条例制定の経緯については千葉県HP「条例制定までの経緯」を参照されたい。

〇 常陸大宮市条例も、「許可制」とし、再生資源物の定義(2条1号)については、綾瀬市、千葉市等の条例とほぼ同様の規定を置いている。

 再生資源物の屋外保管事業場(敷地面積が100㎡を超えるもの)を設置しようとする者は市長の許可を受けなければならない(6条1項)とし、市長は屋外保管事業所の保管基準(7条)及び立地基準(8条)に適合している等の場合にのみ許可する(6条2項)としている。また、事業者に対して、周辺住民への説明会の開催(9条)、事故時の措置(16条)等を義務づけ、市長は勧告、命令、報告徴収、立入検査(15条、17条)をすることができるとし、無許可での屋外保管、事業場の設置・変更、命令違反等に対して刑事罰を科している(21条~24条)。

 本条例の内容等については、常陸大宮市HP「常陸大宮市内で再生資源物を屋外保管する場合は許可が必要になります(令和6年4月1日から)」を参照されたい。

〇 山梨県条例は、「届出制」とし、再生資源物の保管等のほか、産業廃棄物の保管についても規制の対象にしている。

 「特定処理物」を①肥料、②肥料を製造する過程にある物、③木材を切断し、又は破砕した小片その他これに類する形状の物、④建設工事に利用される、・汚泥を固化、混練、焼成等より再生したものであって土砂と同様の形状又は性状を有するもの、・陶磁器くずを破砕し、又は粉砕したもの、・ガラスを破砕したもので、廃棄物でないもの、「特定収集物」を①収集された物品のうち、その使用を終了し、かつ、原材料として利用され得るものであって、その全部又は一部に金属が用いられているもの、②収集された自動車用のタイヤ、③これらと一体として保管されている物で、廃棄物等でないものとしたうえで、 再生資源物を「特定処理物及び特定収集物」と定義づけている(2条3~5号)。

 特定処理物の保管場所(300㎡以上のもの)については知事への届出(8条1項)、特定処理物保管基準の遵守(10条)及び管理簿の備付け(11条)が、特定収集物に係る事業場(100㎡を超えるもの)については知事への届出(12条1項)、特定収集物保管等基準の遵守(14条)及び管理簿の備付け(15条)が、産業廃棄物の保管場所(300㎡以上のもの)については知事への届出(16条1項)及び管理簿の備付け(18条)が、それぞれ義務付けられている。知事は、報告徴収、立入検査をすることができる(19条、20条)とともに、特定処理物保管者及び特定収集物保管者に対して改善命令、措置命令等を行うことができる(21条、22条)とし、命令違反、無届出等に対して刑事罰を科している(25条~28条)。

 本条例の内容等については、山梨県HP「「山梨県再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物の適正管理の促進に関する条例」について」を参照されたい。

〇 茨城県は、自動車ヤード条例である「茨城県ヤードにおける自動車の適正な取扱いの確保に関する条例」とは別に、令和5年12月に「茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」を制定した。

 本条例は、「許可制」とし、再生資源物の定義(2条1号)については、綾瀬市、千葉市等の条例とほぼ同様の規定を置いている。

 再生資源物の屋外保管事業場(敷地面積が100㎡を超えるもの)を設置しようとする者は知事の許可を受けなければならない(6条1項)とし、知事は屋外保管の基準(5条)に適合している等の場合にのみ許可する(7条1項)としている。また、事業者に対して、記録の作成(9条)、事故時の措置(18条)等を義務づけている。知事は勧告、命令、報告徴収、立入検査(11条、16条、17条)をすることができるとし、無許可での屋外保管事業場の設置・変更、命令違反等に対して刑事罰を科している(23条~26条)。

 市町村との関係については、市町村が制定した条例が茨城県条例と同趣旨であり、同等以上の効果が発揮できるものと知事が認めるときは、当該市町村の区域には条例の規定は適用しない(21条)としている。

 本条例の内容等については、茨城県HP「茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」を参照されたい。

〇 さいたま市条例も、「許可制」とし、再生資源物の定義(2条1号)については、綾瀬市、千葉市等の条例とほぼ同様の規定を置いている。

 再生資源物の屋外保管事業場(敷地面積が100㎡を超えるもの)を設置しようとする者は、市長と事前協議をし、周辺住民への説明会を開催しなければならない(6条、7条)とし、そのうえで、市長の許可を受けなければならない(8条1項)としている。市長は屋外保管事業場の立地基準及び構造基準(10条)に適合している等の場合にのみ許可する(9条1項)とし、事業者は保管基準を遵守しなければならない(15条)としている。また、事業者に対して、帳簿の備付け(16条)、事故時の措置(21条)等を義務づけている。市長は許可事業者に対する勧告・命令(13条)、事業者等に対する報告徴収、立入検査(17条、18条)、許可事業者以外の事業者に対する勧告・命令(19条)、命令に従わない事業者の公表(20条)をすることができるとし、無許可での屋外保管事業場の設置・変更、命令違反等に対して刑事罰を科している(27条~30条)。

 本条例の内容等については、さいたま市HP「さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例」を参照されたい。

〇 越谷市条例も、「許可制」とし、再生資源物の定義(2条1号)については、綾瀬市、千葉市等の条例とほぼ同様の規定を置いている。

 再生資源物の屋外保管事業場を設置しようとする者は、市長と事前協議をし、周辺住民への説明会を開催しなければならない(6条、7条)とし、そのうえで、市長の許可を受けなければならない(8条1項)としている。市長は屋外保管事業場の立地基準(10条)、構造基準(11条)及び保管基準(16条)に適合している等の場合にのみ許可する(9条1項)とし、事業者は保管基準を遵守しなければならない(16条)としている。また、事業者に対して、記録の作成・保管(17条)、事故時の措置(22条)等を義務づけている。市長は許可事業者に対する勧告・命令(14条)、事業者等に対する報告徴収、立入検査(18条、19条)、許可事業者以外の事業者に対する勧告・命令(20条)、命令に従わない事業者の公表(21条)をすることができるとし、無許可での屋外保管事業場の設置・変更、命令違反等に対して刑事罰を科している(28条~31条)。

 本条例の内容等については、越谷市HP「越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例」を参照されたい。

〇 埼玉県は、自動車ヤード条例である「埼玉県ヤードにおける自動車等の適正な取扱いの確保に関する条例」とは別に、令和6年7月に「埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例」を制定した。前者は知事提案によるものであるが、後者は議員提案により制定されている。

 本条例は、「許可制」とし、特定再生資源の定義(2条1項)については、千葉県条例とほぼ同様の規定を置いている。

 特定再生資源屋外保管業(事業場の敷地面積が100㎡を超えるもの)を行おうとする者は、知事の許可を受けなければならない(8条1項)とし、知事は9条各号に定める基準に適合している場合等にのみ許可する(9条本文)としている。また、事業者に対して、住民への周知(7条)、基準遵守(11条)、廃業等の届出(15条)、台帳の作成・保存(17条)、現場責任者の設置(18条)、事故時の措置(25条)等を義務づけている。知事は勧告、改善命令、措置命令、報告徴収、立入検査、指導・助言等(19条~24条)をすることができるとし、無許可での営業、命令違反等に対して刑事罰を科している(34条~37条)。

 市町村との関係については、市町村が地域の実情に応じて条例で必要な規定を定めることを妨げるものではないといたうえで、市町村が制定した条例が埼玉県条例と同趣旨であると知事が認めるときは、当該市町村の区域には条例の規定は適用しない(32条)としている。

 本条例の内容等については、埼玉県HP「埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例」を参照されたい。

〇 福島県条例も、「許可制」としている。

 特定再生資源物の定義を、使用を終了し、収集された物のうち、ア 金属(分解、破砕、圧縮その他の処理がされたものを含む。)又は金属を含む混合物、イ プラスチック(分解、破砕、圧縮その他の処理がされたものを含む。)又はプラスチックを含む混合物で、廃棄物処理法上の廃棄物及び有害使用済機器を除くもの(2条1号)としている。

 屋外保管事業場(敷地面積が100㎡を超えるもの)を設置しよう者は、知事の許可を受けなければならない(7条1項)とし、知事は8条各号に定める基準に適合している場合にのみ許可する(8条本文)としている。また、事業者に対して、基準の遵守(6条)、住民への周知(7条2項)、記録の作成(10条)、現場責任者の設置(19条)、事故時の措置(22条)等を義務づけている。知事は勧告及び命令(12条)、報告徴収(20条)、立入検査(21条)をすることができるとし、無許可での設置、命令違反等に対して刑事罰を科している(29条~32条)

 本条例の内容等については、福島県HP「金属やプラスチックなど特定再生資源物の屋外保管を規制する条例が施行されます!!」を参照されたい。

 

【資材置場条例】

〇 スクラップヤード条例は使用済みの物品や再生資源物の屋外の堆積や保管に関して規制を行う条例であるが、使用済み以外のものを含む資材、容器、機械、器具、土砂等を屋外に保管する資材置場の設置に関して規制する条例は、他の自治体でかなり以前から制定されていた。また、埼玉県川口市は、令和3年12月に資材置場の設置を規制する条例を制定している。

 本稿では、こうした条例を「資材置場条例」という。

 資材置場条例として、例えば、以下のような条例がある。

兵庫県宝塚市

宝塚市青空駐車場、洗車場及び資材等置場の設置

に関する条例

平成9年12月24日公布

平成10年4月1日施行

兵庫県西宮市

快適な市民生活の確保に関する条例

平成12年3月30日公布

平成12年7月1日施行

神奈川県横須賀市

適正な土地利用の調整に関する条例

平成17年3月31日公布

平成17年3月31日施行

埼玉県川口市

川口市資材置場の設置等の規制に関する条例

令和3年12月24日公布

令和4年7月1日施行

〇 宝塚市条例は、資材等置場を「資材、容器、機械、器具、土砂その他これらに類する有用物」の保管の用に供する施設であって、廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないもので、かつ、建築基準法上の建築物及び工作物以外のもの(2条3号)と定義づけたうえで、資材等置場を設置する事業者に対して市長への届出(4条)、基準の遵守(6条)、計画の公表(9条)を義務づけ、市長は命令、協定締結の求め、立入調査等(8条、10条、11条)を行うことができるとしている。また、命令違反等に対して過料を科している(13条)。

 本条例は、資材等置場とともに、青空駐車場及び洗車場の設置についても規制している。

〇 西宮市条例は、生活環境の保全を図ることを目的とした条例であるが、資材等置場を設置する事業者に対して法令の基準の遵守(16条)、市長への届出(17条)、計画の公表(18条)を義務づけ、市長は指導、命令、協定締結の求め、立入調査等(20条、21条、22条、23条)を行うことができるとしている。また、命令違反等に対して刑事罰を科している(25条~27条、29条、30条)。

 本条例も、資材等置場とともに、駐車場及び洗車場の設置についても規制している。

〇 横須賀市条例は、一定の土地利用行為の調整手続を定める条例であるが、対象となる土地利用行為の一つとして、市街化調整区域内の500㎡以上の資材置場の設置(2条5号)が掲げられている。設置基準を定める(30条、32条)とともに、市長の承認を義務づけ(46条)、違反行為に対して、市長は勧告(52条)、命令(53条)を行うことができ、また、罰則(刑事罰・過料 62条、63条)を科している。

〇 川口市条例は、資材置場の設置を規制する単独条例である。

 資材を「土石、廃棄物、再生資源、建築用の材料その他これらに類するもの」(2条3号)、資材置場を「屋外において資材を堆積し、又は保管するために利用する土地」(同条4号)と定義づけたうえで、資材置場の設置に係る工事に着手しようとする者は、あらかじめ、計画を定め、市長の許可を受けなければならない(6条1項)とし、市長は条例・規則で定める基準に適合する場合に許可をする(7条1項)ものとしている。市長は報告徴収、立入検査、勧告、措置命令(15条~18条)をすることができるとし、措置命令の違反には30万円以下の罰金(20条)、届出等の違反には5万円以下の過料(22条)を科すとしている。

 本条例の内容等については、川口市HP「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例(令和4年7月1日施行)」を参照されたい。



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