物流基盤強化に関する条例

(令和7年2月25日更新)

【山梨県の条例】

〇 山梨県は、令和6年7月、物流基盤の強化を図るため、

山梨県

山梨県物流基盤の強化に関する条例

令和6年7月22日公布

令和6年7月22日施行

を制定した。

〇 条例制定のねらいを、「国民生活や経済を支える重要な社会インフラである物流産業においては、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を示した働き方改革関連法が2024年4月から適用されます。これにより、ドライバーの長時間労働の改善が図られる一方、輸送力の低下による物流の停滞が懸念されています(物流の2024年問題)。持続可能な物流を実現するため、標準的な運賃の届出促進やDXによる生産性の向上、置き配の促進など、物流事業者、荷主企業、消費者それぞれに対する取組が進められています。」としたうえで、山梨県の取組みとして、本条例を制定したとし、本条例では「物流機能を持続的に発展させていくため、行政や事業者、消費者である県民が主体的に参画し、社会全体として物流基盤を強化していくことを定めています。」(山梨県HP「持続可能な物流の実現に向けた取組に関するお知らせ」)としている。

〇 基本理念として、「物流基盤の強化は、物資の円滑な流通が本県の県民生活の安定向上及び地域経済の健全な発展を図るために欠くことのできないものであることに鑑み、将来にわたって、その機能が十分に発揮されることが重要であるという基本的認識の下に行われなければならない。 」(2条)としたうえで、県、市町村、物流関連事業者等の責務(3条~5条)、県民の理解と協力(6条)を定めたうえで、基本的施策として①再配達の削減を図るための施策 、②貨物自動車運送事業における人材確保と労働環境改善を支援するための施策、③県内の物流関連事業者が提供するサービスの利用を促進するための施策等を規定している(7条)。

〇 本条例は物流の2024年問題に対応するための条例と言えるが、本条例のほかに他の自治体で同様の目的を持った条例は確認できない(令和6年12月1日時点)。

〇 本条例の内容等については、自治体法務研究2025年春号CLOSEUP先進・ユニーク条例「山梨県物流基盤の強化に関する条例」を参照されたい。

 

【物流の2024年問題に対する政府の取組み】

〇 物流の2024年問題に対応するため、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」は、令和5年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」、令和5年10月に「物流革新緊急パッケージ」を、令和6年2月に「2030年度に向けた政府の中長期計画」を、令和6年7月に「「物流革新に向けた政策パッケージ」の進捗状況と今後の対応」を取りまとめている。

 また、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が令和6年5月15日に公布され、1年以内に施行されることとなっている。

 物流に関する国土交通省の取組みについては、国土交通省HP「物流」を参照されたい。



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