2005年 夏

財産区の財産を地縁団体に譲渡することの可否

Question

財産区の財産を同区域内に居住する住民により構成される地縁団体に譲渡することは可能ですか。

Answer

財産区は、特別地方公共団体の一つで、市町村及び特別区(以下「市町村等」といいます。)の一部で財産を有し若しくは公の施設を設けているもので、その財産又は公の施設の管理・処分を行うことができるものです(自治法294条)。

財産区は、このように財産又は公の施設に着目して認められる特別地方公共団体ですから、財産区の財産がすべて売却等により消滅してしまえば、財産区を存続させる必要がないので、消滅するものと考えられています。

そこで、財産区がどのような場合に、その財産を処分できるかですが、地方自治法は、財産区のある市町村等の財産又は公の施設とするために処分又は廃止する場合を除き市町村又は特別区の財産区は、その財産や公の施設について、財産区の設置の趣旨を逸脱するおそれのある処分、廃止をする場合には、あらかじめ都道府県知事の認可を得なければならないこととされています(自治法296条の5第2項〉。

ご質問によれば、財産区の財産をすべて地縁団体に無償で譲り渡すということですから、前記の「財産区の設置の趣旨を逸脱するおそれのある処分」に該当するかどうかが問題となるでしょう。

地方自治法296条の5第2項に基づき同法施行令219条の3が規定されており、同条1項1号から4号までに基準が定めれていますが、要は「財産区の住民全体の福祉に反しない」ということが必要となります。この点を考えるに当たっては、財産区の住民と地縁団体の住民との異同が問題となります。財産区においては、財産区の区域内に住所を有するものが財産区の住民となり、住民であったが財産区の区域外に転出するとその権利を失うこととなります。

これに対し、地縁団体は、町又は字の区域その他市町村の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体をいい(自治法260条の2第1項)、その区域に住所を有するすべての個人は構成となることができますが、その相当数が構成員になれば足りるものとされています。そうとすると、財産区の区域と一致する地縁団体が作られても、構成員が一致する保証はありません。したがって、地方自治法296条の5第2項に基づく、知事の認可が必要になるものと考えます。

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