振込口座を誤った振込について

当市では、私立幼稚園に通っている児童の保護者に対し、補助金を交付していますが、ある児童の保護者から、それまでの父親名義の銀行口座から、母親名義の銀行口座に変更する旨の届を受けていましたが、担当者が手続を忘れ、変更前の銀行口座に振り込んでしまいました。
当該保護者から、変更後の振込先に入金がない旨の申し出があり、その際、父親名義の銀行口座は、住宅ローンの返済が滞っていることから、入金はできるものの引き出しができない状態になっているとの話がありました。
このような場合、再度補助金を交付しなければなりませんか。

 補助金交付の有効性を考える前に、誤って振り込んだ補助金を取り戻すことを考えるべきです。
 振込先を誤って振り込んだ場合には、振込を依頼した金融機関に対し、組戻しの依頼をします。組戻しとは、誤った振込を取り消し振込金を返却してもらう、あるいは再振込をしてもらうことをいいます。なお、組戻しには、手数料が必要となります。
 通常は、振込先の金融機関も組戻しに応じますが、振込先の金融機関が預金債権者に対し、反対債権を有し、その反対債権が不良債権になるおそれがあるような場合には、組戻しに応じないこともあります。
 ご質問のケースでは、住宅ローンの返済が滞っているということですので、組戻しに応じてもらえない可能性もあります。しかし、福祉目的の補助金という性質から補助金交付目的に使用されるべきことを説明し、さらには、おそらく金額的にも多額ではないものと思われることからすれば、金融機関に事情を説明、組戻しに応じてもらえる可能性が高いと考えられます。
 万一、組戻しに応じてもらえなかったとき、変更前の銀行口座に振り込んでしまったとしても、補助金の交付は有効になされていると考えるべきです。すなわち、私立幼稚園に通っている児童の保護者の銀行預金口座であることに違いはないからです。