2013年 冬

用地買収時の借地権の移転時期

Question

当市では、市が保有する土地と、相手方法人が所有する財産とを交換し、差額を金銭で補填することを検討していますが、議会の議決が必要で しょうか。

当市が保有する土地の評価額は、6億7000万円、相手方が保有する財産は、土地が5 億5000万円、建物が1800万円で、建物は当市の施設として使 用するには不向きなため、取得後解体撤去の予定であり、その解体費用は1億円が見込まれています。さらに、相手方の土地には、地中障害物や自然由来の土壌汚染 の可能性があり、その調査費用が必要です。

また、当市の「財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」によれば、市有財産と相手方財産の価格の差額が4分の1を超えない場合には、議会の議決を要しないもの規定されています。

Answer

(結論)

議会の議決が必要となります。

 

(理由)

 市の「財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」によれば、交換財産の価格の差額が4分の1を超えない場合には、地方自治法96条1項6号の議決は不要とされています。そうしますと、相手方の財産の価額の総額は、5億6800万円となり、市所有の土地価格6億7000万円の87.58%になり、75%以上になりますから4分の1の価格になりそうな感じがします。

 しかし、市は、当該建物を取り壊す必要があり、その費用として1億円が見込まれるというのですから、通常の不動産取引では、除却費用を売買代金から控除します。

 また、相手方建物の評価額は、固定資産税における評価額である可能性が高く、これを売買代金のうちに算入することは通常行いません。そうとすると、これらの価格を相手方財産額から控除しなければなりません。
 5億5000万円+1800万円–1億円–1800万円=4億5000万円
 また、地中障害物や土壌汚染の調査費用及び万が一、地中障害物や土壌汚染も除去する必要があるかが、次に問題となりますが、調査費用は、市が調査するのであれば、控除の対象額となります。しかし、汚染が判明したときの除去費用については、当然には、控除の対象とはなりません。特に自然由来の場合については、その除却の必要性にもよります。そのため、契約書の中で、市の調査の結果、地中障害物や土壌汚染が発見され、かつ除却の必要性が高度の場合に、その費用負担を決めておくのが一般的で、契約価格からは、控除しません。
 このように考えますと、4億5000万円から、調査費用何百万円かを控除すれば足りるということになりますが、調査費用の見込額がないため、4億5000万円で考えます。
 そうすると、市所有土地の価格6億7000万円に対し、4億5000万円は67.16%となりますので、75%を切ります。すなわち、価格の差額が4分の1以上あることとなりますから、議会の議決が必要ということとなります。