2014年 秋

債務名義取得後の分割払いの合意

Question

 当市では、保育園において、感染力の強いインフルエンザ、百日咳等の第2種感染症に感染した児童については、再び登園の許可をするに際して、医師の発行する「登園許可証」の提出を求めています。この措置は、厚生労働省が作成した「保育園のための感染症ガイドライン」に従ったもので、小中学校と同様の扱いをするものです。
 小中学校における登校許可証については、公的補助を実施しており、実質的にその補助金額が診断書料となっていますが、保育園にはその補助制度がありません。
 当市では、保育園についての補助の実施を検討しているが、医療機関によって診断書料が異なり、公平な実施が困難となっています。ただ、この点については、昭和56年8月に公正取引委員会が、医師会活動に関する独占禁止法の指針を出し、自由診療は文書料金を医師会が決定している場合は、
原則として違反となるとの見解を示していることから、地元医師会からは、診断書料を医師会が決めることは独占禁止法に違反するとの指摘がなされています。
 そこで、以下の点について教えて下さい。

1 当市として、地元医師会に標準の文書料金の設定を求めることがきますか。

2 医師会の協力が得られない場合に、市が登園許可証の診断書料について、各医療機関における診断書料の最低料金を参考にするなどして、一律の補助金額を設定することは、独占禁止法上問題となりませんか。

3 逆に補助をしないとした場合の説明として、保育所は、学校が義務教育を行う場であるのと異なり、保護者が保育に欠ける子どもを預ける場であることから、集団保育が可能な状況下について登園許可証を保護者の責任(負担)で出してもらうことは保護者の当然の責務であるという考え方は説明として適当でしょうか。

Answer

(結論)

1 できません。

2 問題となりません。

3 あまり適当とは思われません。

 

(理由)

結論1について

 学校保健安全法19条は、「校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等 があるときは、政令で定めると ころにより、出席を停止させる ことができる。」と規定し、学校保健安全法施行規則18条は、「学校において予防すべき感染症の種類は、次のとおりとする。」として、第1種感染症、第2種感染症、第3種感染症の病名を規定し、同規則19条において、出席停止の期間の基準を定めています。学校保健安全法の規定に基づき、小中学校をはじめとする各学校では、感染症対策を行っています。
 しかしながら、学校保健安全法施行規則19条2号において、「第2種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。 ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。」と規定はしていますが、医師の診断書作成料については何も決めていません。この点、質問市の場合小中学校においては公的補助を実施し、実質的にその補助金額は診断書料となっているとのことですから、医師会に依頼して診断書料を決定しているわけではありません。
 そもそも、文書作成料については、公正取引委員会が示しているように、医師会が金額を決定することは独占禁止法8条に違反する行為です。したがって、質問市におけるように学校保健安全法に基づく感染症について、保育園で同様に実施する場合においても、医師会に依頼して、医師会が診断書料を決定することは独占禁止法に違反することとなります。

結論2について

 医師会に働きかけることなく、市としての補助金を決定することはまったく問題ありません。補助金の交付により、診断書料を一定額にすべきであると
の判断は伴いませんので、独占禁止法8条に抵触するおそれはありません。各診療機関は、自己の判断で診断書料を徴収すれば良いのです。ただ、この場合において、市としては、地元医師会に対し、登園許可証の診断書に対し、1件当たりいくらの金額を補助することを決定したので、各会員にご通知くださいとの文書を送るべきでしょう。その結果として、登園許可証については、事実上一定の金額に集約される可能性が出ます。

結論3について

 補助金を出さない場合は、小中学校のように法律で定められた感染症には該当しないので、保護者の責任でお支払いくださいという説明が妥当はします。しかしながら、小中学校でも、診断書料は特定額に制約されているわけではありませんから、小中学校の例にならって、感染症対策をしているのに、補助金を保育園に対して出さない理由としては弱いでしょう。その意味で、あまり適当とはいえないとしました。