借上車両の修理

市で借り上げた車両(以下「借上車両」といいます。)が、公務中に交通事故を起こし、
①私有物(個人宅のブロック塀)の損壊及び
②借上車両の破損の損害が生じてしまいました。
この場合の取扱いについて、教えてください。

(1)「市有車」と同様に、損害賠償の責任主体は、市であると考え、借上車両の補修に係る費用として保険会社が補修業者に直接支払う額及びブロック塀の損壊に伴って被害者が支出する費用の額については、議会の議決が必要であると考えてよろしいですか。
(2)この借上車両は「市有車」ではなく他人の所有のものでありますが、公務のために借り上げて使用した自動車であること、またその使用中に生じた損傷であることから、市として修繕すべきものと考え、市の修繕費で支出してよろしいでしょうか。

(結論)

(1)議会の議決が必要です。

(2)市の修繕費で支出してください。

 

(理由)

(1)加害者請求の自動車保険は、本来は、加害者が損害を支払い、その支払った損害額を保険会社に請求するものですが、加害者が支払った損害額が適正なものである保証がないため、保険会社が適正と判断した額を被害者に支払うこととなっています。したがって、保険会社が支払う保険金は、加害者が被害者に与えた損害です。
地方自治法第96条第1項第13号は、「法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること」を規定していますので、市が第三者に与えた損害賠償額を決めることとなりますので、議決事項に当たります。
(2)他人から借りたものですから、返す場合には、借りた状態で返すことが必要となります。そのためには、事故で壊れた部分を補修する必要があり、修繕費で修理する必要があります。