2018年 秋

給水管に係る道路占用許可について

Question

東京都水道局は、水道管に関して、配水管については東京都水道局が道路占用許可申請を行うが、給水管については、各使用者が道路占用許可申請を行うものとしています。しかし、この取扱いは、道路法が本来道路に対する私権を制限することを趣旨の一つとしていることから(道路法第4条)、給水管を個人の所有とすることに疑問を感じます。この東京都の取扱いは道路法に反するものではないかと考えていますが、この考え方で間違っていませんか。
 また、私人が占用許可を受けるとすると、水道管のかかる占用許可は10年で更新することが必要であるところ(道路法施行令第9条)、全ての占用者から許可申請を取り直すことは困難です。 なお、都は、国道・都道については給水管についても自らが許可申請を行っているようです。

○道路法
(私権の制限)
第4条 道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。但し、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。
(道路の占用の許可)
第32条 道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。

一 略
二 水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件
三〜七 略
2〜5 略
(水道、電気、ガス事業等のための道路の占用の特例)
第36条 水道法(昭和32年法律第177号)、……の規定に基づき、水管(水道事業、水道用水供給事業又は工業用水道事業の用に供するものに限る。)、……を道路に設けようとする者は、第32条第1項又は第3項の規定による許可を受けようとする場合においては、これらの工事を実施しようとする日の1月前までに、あらかじめ当該工事の計画書を道路管理者に提出しておかなければならない。ただし、災害による復旧工事その他緊急を要する工事又は政令で定める軽易な工事を行う必要が生じた場合においては、この限りでない。
2 略

○東京都給水条例
(給水装置の新設等の承認等)
第4条 給水装置の新設又は配水管若しくは他の給水装置からの分岐部分若しくは量水器の取付部分の給水管の口径の変更をしようとする者は、あらかじめ東京都水道事業管理者(以下「管理者」という。)に申し込み、その承認を受けなければならない。
2 給水装置の新設、改造、修繕又は撤去をした者は、その工事完了後直ちに管理者に届け出なければならない。ただし、管理者が別に定める工事については、この限りでない。
(新設等の費用負担区分)
第5条 給水装置の新設、改造、修繕又は撤去に要する費用は、当該給水装置を新設、改造、修繕又は撤去する者の負担とする。ただし、管理者が給水上特に必要があると認めた給水装置の改造又は修繕については、都がその費用の全部又は一部を負担する。

Answer

(結論)
東京都の取扱いは、道路法に違反しません。

(理由)
1 道路法第4条は、確かに「道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない」と規定していますが、この私権に対する制限は、道路を道路として機能させるために、私権を制限したものです。そのため、道路法第32条は道路の占用許可を受ければ、道路を占用することができる旨を規定しています。水道管は、第32条第1項第2号において道路占用を認められる物件として規定されています。そして、その申請は、水道事業者だけに限定する旨の規定はありません。言い換えれば、私人でも、水道法に基づく水道を設置しようとする場合は、許可申請をすることが可能なのです。
2 そして、給水施設の新設等とは、「給水装置の新設又は配水管若しくは他の給水装置からの分岐部分若しくは量水器の取付部分の給水管の口径の変更をしようとする」ことを言い、新設等をする者に、水道事業管理者に届け出義務を課しています(東京都給水条例第4条第1項)。すなわち、新設等をする者の義務とされています。給水装置を新設しようとする者が、水道水を引くために配水管まで接続する水道管を含めた装置を給水装置と呼びますが、配水管は水道事業管理者が所有するもので、給水を受けるための水道管は私人の所有物となります。
3 私人の所有物を配水管に接続するために、道路法上の道路を使用する場合には、道路法の占用許可が必要となります。その占用許可は、給水施設を新設しようとする者が申請をするのが原則です。これを、東京都の場合、国道・都道に占用許可を申請する場合には、私人に占用許可申請をさせずに、水道事業管理者が行っているのです。したがって、市町村道に占用許可申請する場合には、私人が行うこととなります。その意味で、条例第4条は、「承認」を義務付けているだけで、水道事業者に占用許可申請を依頼するものではありません。実際問題としても、私人が、国道・都道に埋設された配水管から給水を受ける必要性がある場合は、そう多くはないものと思います。
4 私人の占用許可申請に基づく占用許可だと、10年後の更新がなされない可能性が高いとの御心配ですが、確かに私人の場合、占用許可を受けていることは知っていても、その許可期限がいつまでかは把握していない人が大半でしょう。その意味で、御心配はもっともなことです。このような場合の対処の仕方として、9年半以上10年未満の時期に、更新のお知らせをする方法があります。これにより、占用許可の期間が満了することを知れば、私人であってもかなりの率の方が更新申請をしてくれるでしょう。それでも、更新申請がなされない場合には、戸別に訪問し、更新手続を促すことになるでしょう。確かに、事務手続としては煩雑なような気もしますが、道路占用者を明確にしておく必要がありますし、道路法の定めですので、やむを得ないものと思います。