2019年 春

職員に対する旅費を資金前渡の方法により支出することについて

Question

甲市では、出張する職員に対し支給する旅費を、資金前渡の方法により当該職員に支給することとしていますが、資金前渡を受ける職員は、各部の庶務担当課の経理担当職員です。しかしながら、旅費に関する条例第3条第1項では、出張する「職員に対し、旅費を支給する。」、地方公務員法第25条第2項では「職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。」という規定が存在し、資金前渡を受ける職員は、出張する職員に限られるのではないかとの疑問が出ています。 この点についての考え方を教えてください。

Answer

(結論)
 資金前渡で交付される旅費は、地方自治法施行令第161条第3項及び会計規則第76条第2項により指定を受けた職員が受けることができます。

(理由)
 確かに、地方公務員法第25条第2項では、「通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。」と規定していますが、その前に「法律又は条例により特に認められた場合を除き」と規定されています。その意味で、法律・条例で特別な定めがなされていれば、会計管理者から、出張職員に直接支払われなくともよいことになります。そこで、資金前渡を定めた法律である地方自治法をみると、第232条の5第2項において、「普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によつてこれをすることができる。」と規定し、資金前渡の具体的方法は定めていません。そこで、この規定を受けて、地方自治法施行令第161条第3項は、「資金の前渡は、特に必要があるときは、他の普通地方公共団体の職員に対してもこれをすることができる。」と規定し、特に必要のある場合には、「当該職員」以外の者に対してもすることができる旨を規定しています。 これを受けて、会計規則第76条第2項では、「局長は、特に必要があると認めるときは、同項に規定する職員以外の職員又は他の地方公共団体の職員を指定し、その職氏名を会計管理者及び特別出納員に通知の上、その者に資金の前渡を受けさせることができる。」と規定します。したがって、出張する職員以外の職員に、会計管理者は、資金前渡金を交付することができるのです。これにより、出張するたびに、出張する職員が資金前渡を受けるという煩雑な仕事から解放され、実際の会計事務をスムーズに進めることが可能となります。

○地方公務員法
第25条 職員の給与は、前条第5項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。
2 職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。

○旅費に関する条例
(旅費の支給)
第3条 職員が出張し、又は赴任した場合には、その職員に対し、旅費を支給する。

○地方自治法
(支出の方法)
第232条の5 普通地方公共団体の支出は、債権者のためでなければ、これをすることができない。
2 普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によつてこれをすることができる。

○地方自治法施行令
(資金前渡)
第161条 次に掲げる経費については、当該普通地方公共団体の職員をして現金支払をさせるため、その資金を当該職員に前渡することができる。
一〜十七 (省略)
2 歳入の誤納又は過納となつた金額を払い戻すため必要があるときは、前項の例により、その資金(当該払戻金に係る還付加算金を含む。)を前渡することができる。
3 前二項の規定による資金の前渡は、特に必要があるときは、他の普通地方公共団体の職員に対してもこれをすることができる。

○会計規則
(資金前渡)
第76条 次に掲げる経費は、局及び第6条第1項第2号の所にあつては課長、担当課長又は副本部長の、同項第3号ただし書の表の上欄に掲げる所にあつてはそれぞれ当該下欄に掲げる者の、その他の所にあつては所長の請求に基づき、必要な資金を前渡することができる。
一〜二十八 (省略)
2 前項に規定する職員のほか、局長は、特に必要があると認めるときは、同項に規定する職員以外の職員又は他の地方公共団体の職員を指定し、その職氏名を会計管理者及び特別出納員に通知の上、その者に資金の前渡を受けさせることができる。
3 第1項各号に掲げる経費に係る資金は、その都度前渡する。