2019年 夏

過料の収入と管理者のいない地方公営企業等

Question

地方自治法第14条第3項並びに第228条第2項及び第3項の規定により過料を科する権限は、地方公共団体の長の権限として留保されるものであることは承知していますが、次のような場合、いずれの収入とすべきでしょうか。 (1)地方公営企業法の適用を受ける水道事業で、同法第7条に基づく管理者を置いていない場合
(2)地方公営企業法の適用を受けない下水道事業の場合

Answer

(結論)
 いずれの場合も、一般会計です。
(理由)
 予算の作成に関して、地方公営企業法第8条第1項第4号は、「地方自治法第14条第3項並びに第228条第2項及び第3項に規定する過料を科すること」を、地方公営企業の管理者ではなく、地方公共団体の長に委ねています。また、同条第2項は、「第7条ただし書の規定により管理者を置かない地方公共団体においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行う」と規定しています。この原則に従い、管理者のいる地方公営企業の管理者が過料を科する場合は、地方公共団体の長が過料を科すということは、質問者もご理解されているようです。
 地方公営企業法と他の法律との関係については、「本法と地方自治法(昭和22年法律第67号)……との関係は、本法はこれらの法律の特例を定めるものであって、地方公営企業の経営に関し本法に特別の定めがないものは、すべてこれらの法律によるものであること(法第6条)」とされています(地方公営企業法及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律(公営企業に係る部分)の施行に関する取扱いについて(昭和27年9月29日自乙発第245号)第一章第一節二)。
 すなわち、地方公営企業法上は、地方自治法の特例として、地方公営企業特有の法制度を設けており、それ以外は、地方自治法の適用になるということです。したがって、公営企業管理者のいる地方公営企業でも、条例に基づく過料については、地方公共団体の長の権限とされていますから、管理者のいない地方公営企業、地方公営企業法の適用を受けない下水道事業の場合は、地方自治法の原則どおり、地方公共団体の長が過料を科すことになり、収入も一般会計で処理されることになります。

○地方自治法
第14条 略
2 略
3 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

(分担金等に関する規制及び罰則)
第228条 略
2 分担金、使用料、加入金及び手数料の徴収に関しては、次項に定めるものを除くほか、条例で5万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
3 詐欺その他不正の行為により、分担金、使用料、加入金又は手数料の徴収を免れた者については、条例でその徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは、五万円とする。)以下の過料を科する規定を設けることができる。

○地方公営企業法
(管理者の地位及び権限)
第8条 管理者は、次に掲げる事項を除くほか、地方公営企業の業務を執行し、当該業務の執行に関し当該地方公共団体を代表する。ただし、法令に特別の定めがある場合は、この限りでない。
一 予算を調製すること。
二 地方公共団体の議会の議決を経るべき事件につきその議案を提出すること。
三 決算を監査委員の審査及び議会の認定に付すること。
四 地方自治法第14条第3項並びに第228条第2項及び第3項に規定する過料を科すること。
2 第7条ただし書の規定により管理者を置かない地方公共団体においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行う。