民泊(住宅宿泊事業)に関する条例

                                                 (令和2年11月30日作成)

【住宅宿泊事業法(民泊法)の概要】

〇 住宅宿泊事業法(民泊法)が、平成29年6月16日に公布され、平成30年6月15日に施行された。同法は、「急速に増加するいわゆる民泊について、安全面・衛生面の確保がなされていないこと、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルが社会問題となっていること、観光旅客の宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するため、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、新たに制定された」(民泊制度ポータルサイト「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」)ものである。

  住宅宿泊事業を行おうとする者は、都道府県知事に対して届出が必要である(3条1項)とし、宿泊者の衛生・安全の確保、宿泊者名簿の備付け、宿泊者に対する騒音防止等の説明、苦情等への対応、標識の提示、都道府県知事への定期報告等が義務づけられ(5条〜14条)、都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、業務改善命令、業務停止命令、報告聴取及び立入調査をすることができる(15条〜17条)。

  住宅宿泊事業の年間提供日数の上限は180日(泊)である(2条3項)が、都道府県は「住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。」(18条)とし、条例により住宅宿泊事業が実施できる区域と期間を制限することができる。

  保健所設置市の長(政令市、中核市等及び特別区の長)は、都道府県知事と協議して、都道府県知事に代わり、届出の受理、監督及び条例制定事務を処理することができる(68条)。

 

【条例制定の概観】

〇 住宅宿泊事業法18条は、条例で区域及び期間の制限を定めることができるとしているが、これまで制定された条例を見ると、法18条に基づく区域・期間制限のみならず、住宅宿泊事業に関する行為規制も定めているものが少なくない。

〇 民泊制度ポータルサイト「各自治体の窓口案内(条例等の状況等)」では、こうした条例制定の状況をとりまとめている(自治体の条例の制定状況状況(平成31年4月1日時点の状況))。これによると、平成31年4月1日時点で、58自治体が条例を制定していることとなる。

  令和2年11月2日時点でも58自治体が条例を制定していることが確認でき、平成31年4月1日時点と比べて制定された条例数に変化はない。都道府県は47都道府県中19道府県で、保健所設置市85市(指定都市20市、中核市60市、保健所政令市5市)中20市、特別区23区中19区で、条例が制定されている。

  条例制定時期(公布日)を見ると、平成29年に制定したのが新宿区と大田区であり、また住宅宿泊事業法施行日である平成30年6月15日より後に制定したのが山形県、岩手県及び高知市である。それ以外の団体は、すべて平成30年2月から同年6月15日までの間に制定している。住宅宿泊事業法附則で住宅宿泊事業を営もうとする者は平成30年3月15日から準備行為の届出ができるとしているため、保健所設置市及び特別区では平成30年3月15日までに制定しているものが少なくない。

  条例の内容として、法18条に基づく区域・期間制限のみを規定する条例は22条例、法18条に基づく区域・期間制限と住宅宿泊事業に関する行為規制の双方を規定する条例は32条例、法18条に基づく区域・期間制限は規定せず住宅宿泊事業に関する行為規制のみを規定する条例は4条例となっている。条例の名称としては、区域・期間制限のみを規定する条例は「住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」とするものが多く、区域・期間制限及び行為規制の双方を規定する条例は「住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」や「住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」とするものが多い。「住宅宿泊事業法施行条例」の名称の条例は、すべてのタイプの条例に見られる。

〇 以下、特別区の条例、保健所設置市の条例、都道府県の条例ごとに、条例を列挙する。なお、表の右欄の数字は、1は区域・期間制限のみを規定する条例のタイプ、2は区域・期間制限及び行為規制の双方を規定する条例のタイプ、3は行為規制のみを規定する条例のタイプを意味する。なお、施行日については、住宅宿泊事業法施行日である平成30年6月15日以前に制定された条例はすべて平成30年6月15日施行であるが、このうち平成30年3月15日までに制された条例の多くは準備行為に関する規定については平成30年3月15日施行としている(下記の表の施行日の欄においては、その旨の記載を省略している)。

 

(特別区の条例)

千代田区

千代田区住宅宿泊事業の実施に関する条例

平成30年3月13日公布

平成30年6月15日施行

中央区

中央区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月8日公布

平成30年6月15日施行

港区

港区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月14日公布

平成30年6月15日施行

新宿区

新宿区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条

平成29年12月11日公布

平成30年6月15日施行

文京区

文京区住宅宿泊事業の運営に関する条例

平成30年3月15日公布

平成30年6月15日施行

台東区

台東区住宅宿泊事業の運営に関する条例

平成30年2月17日公布

平成30年6月15日施行

江東区

江東区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月14日公布

平成30年6月15日施行

品川区

品川区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月9日公布

平成30年6月15日施行

目黒区

目黒区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月9日公布

平成30年6月15日施行

大田区

大田区住宅宿泊事業法施行条例

平成29年12月15日公布

平成30年6月15日施行

(令和2年7月1日改正施行)

世田谷区

世田谷区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月6日公布

平成30年6月15日施行

渋谷区

渋谷区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月9日公布

平成30年6月15日施行

中野区

中野区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年2月28日公布

平成30年6月15日施行

杉並区

杉並区住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年3月2日公布

平成30年6月15日施行

豊島区

豊島区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月27日公布

平成30年6月15日施行

荒川区

荒川区住宅宿泊事業の運営に関する条例

平成30年5月1日公布

平成30年6月15日施行

板橋区

板橋区住宅宿泊事業を実施する区域及び期間の制限

を定める条例

平成30年3月15日公布

平成30年6月15日施行

練馬区

練馬区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例

平成30年3月12日公布

平成30年6月15日施行

足立区

足立区における住宅宿泊事業の実施に関する条例

平成30年2月28日公布

平成30年6月15日施行

 

(保健所設置市の条例)

札幌市

札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年3月6日公布

平成30年6月15日施行

仙台市

仙台市住宅宿泊事業法の施行に関する条例

平成30年3月14日公布

平成30年6月15日施行

川口市

川口市住宅宿泊事業を制限する区域及び期間を定める条例

平成30年6月1日公布

平成30年6月15日施行

八王子市

八王子市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月27日公布

平成30年6月15日施行

横浜市

横浜市住宅宿泊事業の実施に関する条例

平成30年3月5日公布

平成30年6月15日施行

金沢市

金沢市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月26日公布

平成30年6月15日施行

(令和2年7月1日改正施行)

名古屋市

名古屋市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年3月13日公布

平成30年6月15日施行

京都市

京都市住宅宿泊事業の適正な運営を確保する措置

に関する条例

平成30年3月6日公布

平成30年6月15日施行

大阪市

大阪市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月28日公布

平成30年6月15日施行

(令和2年4月1日改正施行)

堺市

堺市住宅宿泊事業に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

寝屋川市

寝屋川市住宅宿泊事業法施行条例

平成31年3月27日公布

平成31年4月1日施行

神戸市

神戸市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例

に関する条例

平成30年3月2日公布

平成30年6月15日施行

西宮市

西宮市住宅宿泊事業法施行条例

平成30年3月28日公布

平成30年6月15日施行

姫路市

姫路市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月28日公布

平成30年6月15日施行

尼崎市

尼崎市住宅宿泊事業に関する条例

平成30年3月13日公布

平成30年6月15日施行

明石市

明石市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月26日公布

平成30年6月15日施行

奈良市

奈良市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

倉敷市

倉敷市住宅宿泊事業法施行条例

平成30年3月23日公布

平成30年6月15日施行

高知市

高知市住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限

に関する条例

平成31年1月1日公布

平成31年1月1日施行

那覇市

那覇市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年5月15日公布

平成30年6月15日施行

 

(都道府県の条例)

北海道

北海道住宅宿泊事業の実施の規制に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

岩手県

住宅宿泊事業法施行条例

平成30年10月9日公布

平成31年2月1日施行

山形県

山形県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年7月10日公布

平成30年7月10日施行

福島県

福島県住宅宿泊事業の実施の規制に関する条例

平成30年3月23日公布

平成30年6月15日施行

群馬県

群馬県住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月27日公布

平成30年6月15日施行

神奈川県

住宅宿泊事業法第18条の規定による住宅宿泊事業の実施

の制限に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

新潟県

新潟県住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

長野県

長野県住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例

平成30年3月22日公布

平成30年6月15日施行

岐阜県

岐阜県住宅宿泊事業条例

平成30年3月22日公布

平成30年6月15日施行

静岡県

住宅宿泊事業法第18条の規定による住宅宿泊事業の実施

の制限に関する条例

平成30年3月28日公布

平成30年6月15日施行

三重県

三重県住宅宿泊事業法施行条例

平成30年3月22日公布

平成30年6月15日施行

滋賀県

滋賀県住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限

に関する条例

平成30年3月29日公布

平成30年6月15日施行

京都府

京都府住宅宿泊事業の適切な実施の確保等に関する条例

平成30年3月12日公布

平成30年6月15日施行

兵庫県

住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月5日公布

平成30年6月15日施行

奈良県

奈良県住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例

平成30年3月27日公布

平成30年6月15日施行

和歌山県

和歌山県住宅宿泊事業法施行条例

平成30年3月14日公布

平成30年6月15日施行

島根県

島根県住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例

平成30年6月15日公布

平成30年6月15日施行

高知県

高知県住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限

に関する条例

平成30年12月25日公布

平成31年1月1日施行

沖縄県

沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例

平成30年3月30日公布

平成30年6月15日施行

 

〇 これらの条例に関しては、北村喜宣「民泊新法の施行と自治体の対応」(自治実務セミナー2018年6月号)、北村喜宣「住宅宿泊事業法に関する条例の制定動向」(自治総研2018年8月号)及び北村喜宣「1年を経過した住泊法と都市自治体の今後の課題」(都市とガバナンス Vol.31 2019年3月)が、住宅宿泊事業制定に伴う自治体の対応、条例の制定状況、条例の内容等について詳しく分析をしている。また、堀田祐三子「民泊法制度の現状と課題−地方自治体の独自規制に着目して−」(住民と自治2020年5月号)は、自治体の独自規制について論じている。本稿は、これらを参考にしている。

  民泊に対する自治体の取組については、自治体法務研究2018年春号は特集「民泊と自治体の役割」を組んでいるので、参照されたい。また、自治実務セミナーは2018年6月号で「自治体の民泊対策」、都市問題は2019年8月号で「民泊の現状と課題」をそれぞれ特集している。

 

【区域・期間の制限の内容】

〇 条例の内容(令和2年11月2日現在で確認できるもの)について、区域・期間の制限と行為規制とに分けて、概観する。

〇 区域・期間の制限については、住宅専用地域や学校等周辺地域において平日を中心に事業を制限するものが多いが、特別区の区内全域を制限区域とするものや、住宅専用地域を全ての期間にわたり制限するものなどもある。平日を制限期間とするものについても、具体的な定め方は条例により千差万別である。また、制限区域・期間を定めたうえで、一定の住宅や区域を適用除外とするものを少なくない。

  各条例における区域・期間の制限の内容は以下のとおりである。なお、細部の要件、例外の要件等について記述を省略しているものがあるので留意されたい。正確には、条例本文を参照されたい。

1 住居専用地域(第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域)を制限

 @ 全ての期間を不可とするもの

  大田区・大阪市・神戸市・西宮市・尼崎市・明石市・兵庫県 

   ※大田区は法11条1項各号に該当しない届出住宅を適用除外

   ※大阪市は幅員4m以上の道路に接している届出住宅や法11条1項各号に該当しない届出住宅を適用除外

   ※西宮市は住居専用地域の周囲100m以内の区域も制限、但し、歴史的価値を有する住宅は適用除外

   ※兵庫県は市町村の申出により認めた区域については制限期間の例外あり

 A 平日を不可とするもの

  文京区・板橋区・名古屋市・堺市・那覇市・高知県(日曜日正午〜金曜日正午は不可)

   ※板橋区は家主居住型等を適用除外

   ※杉並区は法11条1項2号に該当する届出住宅のみを制限対象

   ※堺市は法11条1項各号に該当しない届出住宅を適用除外

   ※高知県は、南国市、四万十市のみ制限対象

  新宿区・中野区・杉並区・練馬区・足立区・寝屋川市(月曜日正午〜金曜日正午は不可)

   ※中野区は家主同居型住宅で区長が許可をしたものは適用除外

  世田谷区(月曜日正午〜土曜日正午は不可、但し区長が認める区域は区長が相当と認める期間に変更が可)

  札幌市(土日祝日、12月31日〜1月3日は可)

  金沢市(土曜日正午〜日曜日正午は可)

  姫路市(日曜日正午〜土曜日正午は不可、但し、町家等の住宅で市長が認めるものは適用除外

  岩手県・三重県(土日祝日は可)

   ※岩手県は知事が認めるものは例外あり

   ※三重県は条例で定める市町村が制限対象

  長野県・静岡県(月曜日〜金曜日は不可)

   ※長野県は一定の要件に該当するものは適用除外、規則で定めるものは例外あり

   ※静岡県は知事が定める区域は制限対象外

 B その他

  港区(1/11正午〜3/20正午、4/11正午〜7/10正午、9/1日正午〜12/20正午は不可、但し、家主不在型のみ制限)

  渋谷区(1/7〜3/25、4/5〜7/20、8/29〜12/25は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

  仙台市(連休の末日の正午〜連休の初日の正午は不可)

  川口市(9月16日〜7月15日は不可)

  京都市(3月16日正午〜1月15日正午は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

  奈良市(規則で定める期間の月曜日正午〜金曜日正午は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

  北海道(条例で定める市町村を対象―土日休日、年始年末は可、但し、一定の要件に該当する事業が制限対象)

  京都府(制限対象の市町村を条例で規定し、市町村ごとに条例で規定する期間は不可)

  ※横浜市は第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域のみを制限(月曜日正午〜金曜日正午は不可)

  ※寝屋川市は第一種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域を制限

        (月曜日正午〜金曜日正午は不可)

  ※山形県は第1種低層住居専用地域のみを制限(土日祝日は可)

  ※神奈川県は第1種低層住居専用地域のうちの箱根都市計画特別用途地区建築条例第3条に規定する第1種観光地区のみを制限

        (3/6正午〜6/1正午、8/1正午〜9/1正午、10/1日正午〜12/1正午は不可)

  ※沖縄県は第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域(条例で規定する市町村)、

       第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域(条例で指定する市町村)を制限

        (月曜日午前0時〜金曜日正午は不可)

2 住居専用地域以外の用途区域や個別法・条例等による地域を制限

  千代田区(文教地区、地区計画のうちホテル又は旅館の用途に供するための建築物の建築が制限されている区域―

        家主居住型・管理者常駐型の場合は日曜日正午〜金曜日の正午は不可、管理者駆け付け型の場合は全ての期間不可)

  港区(文教地区―1/11正午〜3/20正午、4/11正午〜7/10正午、9/1日正午〜12/20正午は不可、

        但し、家主不在型のみ制限)

  文京区(住居地域、準工業地域・第1種文教地区・第2種文教地区―日曜日正午〜金曜日正午は不可)

  大田区(工業地域・工業専用地域・文教地区・特別業務地区・流通業務地区・一定の地区計画区域―全ての期間不可、

        但し、法11条1項各号に該当しない届出住宅は適用除外)

  渋谷区(文教地区―1/7〜3/25、4/5〜7/20、8/29〜12/25は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

  練馬区(田園住居地域―月曜日正午〜金曜日正午は不可)

  川口市(市街化調整区域・第1種住居地域・第2種住居地域・準住居地域・田園住居地域・近隣商業地域・準工業地域・

      工業地域・工業専用地域―9月16日〜7月15日は不可)

  金沢市(第1種住居地域(3000u超の住宅)及び工業地域―土曜日正午〜日曜日正午は可)

  西宮市(第1種住居地域・第2種住居地域・準住居地域及びこれらの地域の周囲100m以内の区域―

        4/27〜5/6、8/11〜8/20、12/28〜1/6は可、但し、歴史的価値を有する住宅は適用除外)

  姫路市(第1種住居地域・第2種住居地域―日曜日正午〜土曜日正午は不可、但し、町家等の住宅で市長が認めるものは適用除外)

  奈良市(歴史的風土特別保存地区・奈良町都市景観形成地区―

        規則で定める期間は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

  倉敷市(倉敷市美観地区―全ての期間)

  那覇市(第1種住居地域―日曜日正午〜金曜日正午は不可、但し、家主不在型のみ制限)

  那覇市(第1種文教地区―日曜日正午〜土曜日正午は不可)

  岩手県(田園住居地域―土日祝日は可、但し、知事が認めるものは例外あり)

  長野県(田園住居地域、住居専用地域に準ずる区域―月曜日〜金曜日は不可、

        但し、一定の要件に該当するものは適用除外、規則で定めるものは例外あり)

  静岡県(特別用途地区等で知事が定める区域―月曜日〜金曜日は不可)

  兵庫県(田園住居地域・景観地区―全ての期間、

      国立・国定公園・県立自然公園・景観形成地区・広域景観形成地域―週末等の期間・夏期・冬期は不可、

        但し、市町村の申出により認めた区域については制限期間の例外あり)

  奈良県(歴史的風土特別保存地区・第1種歴史的風土保存地区・第1種歴史的風土保存地区―

        知事が指定する期間は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外)

3 学校等の周辺区域を制限

 @  学校の周囲100m以内を制限

  千代田区(家主居住型・管理者常駐型の場合は日曜日正午〜金曜日の正午は不可、管理者駆け付け型の場合は全ての期間不可)

  大阪市・奈良市・高知市・長野県・静岡県・島根県・高知県(月曜日正午〜金曜日正午は不可)

   ※大阪市は法11条1項各号に該当しない届出住宅を適用除外

   ※奈良市は一定の要件に該当するものは適用除外)

   ※長野県は規則で定めるものは例外あり

   ※静岡県は知事が定める区域が制限対象

   ※島根県は知事が認めるものは例外あり

   ※高知県は条例で規定する市町村が制限対象

  西宮市(全ての期間不可、但し、一定の場合は市長が定める期間は可、歴史的価値を有する住宅は適用除外)

  那覇市(日曜日正午〜土曜日正午は不可)

  岩手県(土日祝日、授業のない日は可、但し、知事が認めるものは例外あり)

  山形県(土日祝日、長期休業日は可、但し、知事が認めるものは例外あり)

  新潟県、三重県(授業が行われる日は不可)

   ※新潟県は知事が指定する学校のみが制限対象

   ※三重県は条例で定める市町村が制限対象

  京都府(制限対象の市町村を条例で規定し、市町村ごとに条例で規定する期間は不可)

  沖縄県(学校の休業日は可、但し、条例で規定する市町村が制限対象)

 A 学校の出入り口の周囲100m以内を制限

  札幌市(土日祝日、授業のない日は可)

  北海道(土日祝日、授業のない日は可、

      但し、条例に規定する市町村で知事が指定する学校を制限、また、一定の要件に該当するものが制限対象)

 B 保育所等の周囲100m以内を制限

  奈良市・高知市・長野県・静岡県・高知県(月曜日正午〜金曜日正午は不可)

   ※奈良市は一定の要件に該当するものは適用除外

   ※長野県は規則で定めるものは例外あり

   ※静岡県は知事が定める区域が制限対象

   ※高知県は条例で規定する市町村が制限対象

  山形県(土日祝日は可、但し、知事が認めるものは例外あり)

  三重県(保育が行われる日は不可、但し、条例で定める市町村が制限対象

  京都府(制限対象の市町村を条例で規定し、市町村ごとに条例で規定する期間は不可)

 C 児童福祉施設の周囲100m以内を制限

  岩手県(土日祝日は可、但し、知事が認めたものは例外あり)

  島根県(施設開所日は不可、但し、知事が認めるものは例外あり)

 D 旅館業法3条3項各号(学校、児童福祉施設、社会教育施設)の周囲100m以内を制限

  姫路市(全ての期間不可、一定の認定こども園も対象)

  兵庫県(全ての期間不可、但し、市町村の申出により認めた区域については制限期間の例外あり)

  奈良県(月曜日正午〜金曜日正午は不可、但し、一定の要件に該当するものは適用除外、また、規則定める区域は制限対象外)

 E 旅館業法3条3項1、2号(学校、児童福祉施設)の周囲100m以内を制限

  神戸市(全ての期間不可、市長が告示する施設も対象)

  尼崎市(全ての期間不可、図書館・博物館・公民館等も対象、但し全ての施設の長の同意が得られたときは期間を定めて営業が可)

  明石市(全ての期間不可、図書館・博物館・公民館等も対象、但し市長が認めたものは適用除外)

  福島県(土日祝日、夏休み等の期間は可、但し、田村市・檜枝岐村・飯館村は制限対象外、また、知事が認めるものは例外あり)

 F 学校施設・児童福祉施設の周囲110m以内を制限

  群馬県(知事が指定した区域と月曜日〜金曜日の範囲内で知事が指定する期間は不可)

 G 図書館、公民館、児童福祉施設及び公園の周囲100m以内を制限

  西宮市(全ての期間不可、但し、一定の場合は市長が定める期間は可、歴史的価値を有する住宅は適用除外)

 H 図書館・博物館・公民館の周囲100m以内を制限

  島根県(施設開館日は不可、但し、知事が認めるものは例外あり)

 I 児童厚生施設・公民館・図書館・医療施設・社会福祉施設等で規則で定めるものから100m以内を制限

  長野県(開館日または施設ごとに規則で定める期間は不可)

4 区内全域を制限区域とするもの

  目黒区(日曜日正午〜金曜日正午は不可)

  中央区・江東区・荒川区(月曜日正午〜土曜日正午は不可)

  台東区(月曜日正午〜土曜日正午は不可、管理者が常駐しない届出住宅のみ営業制限) 

  ※品川区は近隣商業地域及び商業地域を除く区内全域を制限(日曜日正午〜土曜日正午は不可)

5 その他の区域を制限区域とするもの

  千代田区(人口密集区域であって条例で定める町丁の区域―日曜日正午〜金曜日の正午は不可、但し、管理者駆け付け型のみ制限)

  神戸市(北区有馬町―5月第2月曜日〜7月第2週土曜日は可)

  北海道(知事が指定する別荘地・道路事情が良好でない集落―知事が指定する期間は不可、一定の要件に該当するものが制限対象)

  長野県(別荘地やスキー場周辺地域であって規則で定める区域―規則で定める期間は不可)

  静岡県(その他制限が必要であるとして知事が定める区域―知事が定める期間は不可)

  滋賀県(草津市野路東三丁目、野路東四丁目、野路東五丁目の区域―日曜日正午〜金曜日正午は不可)

〇 なお、住宅宿泊事業法施行令は、住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例の基準として、@法18条の規定による制限は、区域ごとに、住宅宿泊事業を実施してはならない期間を指定して行うこと、A住宅宿泊事業を実施する期間を制限する区域の指定は、土地利用の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である地域内の区域について行うこと、B住宅宿泊事業を実施してはならない期間の指定は、宿泊に対する需要の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である期間内において行うことの3点を示している(1条)。

  また、住宅宿泊事業法施行法要領(ガイドライン)(平成29年12月26日策定、平成31年3月15日改正)は、条例による住宅宿泊事業の実施の制限の考え方について示しており(30頁以下)、「区域の設定において、例えば、都道府県等の内の『住居専用地域』全域を対象とするなど、かなり広範な区域を制限の対象とすることを検討する場合」や「期間の設定において、月や曜日を特定して設定し、その結果、年間の大半が制限の対象となるような場合」には、「合理的に必要と認められる限度を超えて過度な制限となっていないか等について特に十分な検証を行い、本法の目的や法第 18条の規定に反することがないようにする必要がある。」とし、また、「年間全ての期間において住宅宿泊事業の実施を一律に制限し、年中制限することや、都道府県等の全域を一体として一律に制限すること等は、本法の目的を逸脱するものであり、適切ではない。」、「家主居住型と家主不在型を区分して住宅宿泊事業の制限を行うことは適切ではない。ただし、例えば、家主不在型の民泊客の急激な増大に起因して生活環境が悪化するような特別な場合等合理的に認められる限度において、類型ごとに制限することまでを否定するものではない。」などとしている。

〇 平成29年12月に他の自治体に先駆けて大田区住宅宿泊事業法施行条例を制定した大田区は、平成28年1月に全国で初めて国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を実施しており、こうした事業の実施状況も踏まえて条例制定をしているが、同条例は、住宅宅専用区域、工業地域、工業専用地域、文教地区、特別業務地区、流通業務地区及び一定の地区計画区域において全ての期間にわたり住宅宿泊事業を制限した。「全国に先駆けて制定された条例であり、大きな反響を呼び」、「所管省庁からは、『実施そのものを制限するような過度な制限』と指摘され」た(自治体法務研究2018年春号条例制定の事例CASESTUDY「大田区住宅宿泊事業法施行条例」39頁)とされている。なお、令和2年7月1日改正施行により、法11条1項各号に該当しない届出住宅は適用除外とした。

 

【行為規制の内容】

〇 住宅宿泊事業法18条は、条例で区域及び期間の制限を定めることができるとしているが、必ずしも条例での規定を想定されていない行為規制が定められている条例は、58条例中38条例存在することになる(上記表中右欄で2及び3を表示したもの)。

〇 大田区とともに平成29年12月に他の自治体に先駆けて新宿区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例を制定した新宿区は、民泊に対する苦情件数が多く、平成29年3月に国から示された住宅宿泊事業法案が「新宿区が考える住民本位のルールとしては十分とはいえ」ないため、「事業者が地域において適切に運営されるために必要な『新宿区ルール』」が必要として制定された(自治体法務研究2018年春号条例制定の事例CASESTUDY「新宿区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」47頁以下)とされる。同条例は、住宅宿泊事業法に基づき規定すべき事項及び法に定めるもののほか「住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関し必要な事項を定めることにより、住宅宿泊事業に起因する事象による生活環境の悪化を防止することを目的」(1条)とし、法18条に基づく区域及び期間の制限のほか、区、区民、住宅宿泊事業者及び宿泊者の責務を定めるとともに、住宅宿泊事業者に対して周辺地域の住民に対する説明、廃棄物の適正処理、苦情等及びその対応の記録と保存を義務づけ、また、区長は届出住宅の所在地、住宅宿泊事業者、連絡先等を公表しなければならない等と規定した。

〇 また、京都市は、違法民宿が増加し、様々な問題を引き起こしている状況を踏まえ、平成27年12月には「民泊」対策プロジェクトチームを発足させ、対策を進めてきたが、住宅宿泊事業法が制定され、「届出という簡便な方式により『民泊』営業ができるようになると、・・・トラブルが急増するおそれが」あり、「市民の生活環境に重大な影響を及ぼすことのないよう、・・・条例等により本市独自のルールを設けることとした。」(自治実務セミナー2018年6月号「京都市における民泊への取組み」21頁)とされる。本条例では、法18条に基づく区域及び期間の制限のほか、基本理念、市、住宅宿泊事業者等、宿泊者及び市民の責務を定めるとともに、届出予定者による事前の掲示と近隣住民への説明等、届出の際に行う報告と書類(消防法令適合通知書等)の提出、住宅宿泊事業の適正な実施(事業者が日本国籍を有しない場合の代理人の選任、本人確認、宿泊者に対する注意事項の説明、説明事項の備付け、管理者の10分以内の駐在)、衛生設備及び衛生に必要な措置、共同住宅に存する届出住宅等における住宅宿泊事業の適正な実施、避難通路の幅員が1.5m未満である届出住宅における住宅宿泊事業の適正な実施、定期報告の際に行う報告及び提出書類、勧告及び命令、報告徴収及び立入検査、届出の状況の公表、命令の公表、命令違反等に対する過料等、詳細な規定を置いている。

〇 このように、都道府県並びに都道府県に代わり住宅宿泊事業法の事務を行う保健所設置市及び特別区では、住宅宿泊事業の適正な運営の確保を図るため、住宅宿泊事業者に対する行為規制を行っている。その内容は、条例により様々であり、多岐にわたっているが、主な項目は次のようになる。

1 近隣住民への事前説明け

  住宅宿泊事業者に対して、法3条2項の届出に先立って、近隣住民に対して事前説明や周知を求めることである。特別区や保健所設置市の条例及で行為規制を規定するものは、そのほとんどが義務付けている。また、都道府県では、長野県、兵庫県、岐阜県が義務付け、新潟県、岐阜県、京都府では努力義務としている。なお、和歌山県では、近隣住民に反対する意思がないことの確認も求めている(3条10項)。

2 必要書類の添付・提出

  法3条2項の届出に際して、一定の添付書類を義務づけるものである。千代田区(12条)、中野区(8条)、尼崎市(4条1項)、長野県(3条)、岐阜県(5条2項)、三重県(3条)、兵庫県(5条)、和歌山県(2条)等は「添付しなければならない」とし、豊島区(5条)、八王子市(7条3項)、金沢市(12条)、京都市(9条2項)、大阪市(4条1項、5条)、姫路市(3条)等は「提出する」「提出しなければならない」としている。

  なお、平成30年11月22日付け厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官、国土交通省住宅局長、国土交通省観光庁次長通知「住宅宿泊事業の届出に係る手続の適正な運用について」(平成30年11月22日)は、「住宅宿泊事業の届出の際に必要な添付書類については、・・・条例等の規定に基づく場合であっても、当該規定の目的と相応していないような過剰な手続を求めることは不適切である。」とし、具体的な例として、「・一律に立入検査等を届出の要件とすること ・ 周辺住民等への事前説明について、届出前に長期にわたる周知期間を設けることや、広範な地域の住民の同意を義務付けるなど事実上届出を断念せざるを得ないような過剰な手続を求めること ・住宅宿泊事業法第6条に規定する安全措置について、建築士による確認又はチェックリストへの署名等、本来不要な手続を一律で届出の必須事項とすること ・その他、届出の提出前にかかる期間を含めて届出の受理までに要する期間が、数ヶ月を要するような過剰な手続を求めること」を挙げている。

3 構造基準、衛生基準、安全基準等

  千代田区は構造設備の基準(7条)及び衛生の確保に必要な措置の基準(8条)を具体的に定め、京都市は衛生設備及び衛生に必要な措置の基準(13条)及び届出住宅内部の避難通路幅員1.5m未満のものに関する安全基準(15条)を具体的に定めている。また、京都府も衛生措置の基準(4条)を定め、兵庫県は設備基準等に関する規定(3条)を置いている。明石市は設置を禁止する設備を規定している(5条)。

4 苦情等及びその対応の記録と保存

  法10条は苦情等への対応について規定しているが、苦情等及びその対応を記録し、それを保存することを求めることである。ほとんどの特別区条例は、義務づけており、保存期間は3年としている。八王子市や和歌山県でも、義務づけている。

5 管理人の常駐又は駆け付け

  千代田区は家主不在型届出住宅における住宅宿泊管理業者について届出住宅内等の常駐又は駆け付け可能な場所への待機を義務づけ(10条)、荒川区は住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者についておおむね1キロメートル以内の営業所等の常駐を義務づけている(8条)。また、金沢市及び京都市は住宅宿泊管理業者の現地対応管理者をおおむね10分以内に到着することができる場所に駐在させることを義務づけ(金沢市8条4項、京都市12条7項)、和歌山県は住宅宿泊管理業者を通常徒歩おおむね10分で到達できる距離の範囲内に駐在させることを義務づけている(16条2項)。岐阜県は住宅宿泊管理業者に対して周辺住民の苦情に対応する場合おおむね30分以内(交通手段の状況等により当該届出住宅への到着に時間を要すると認められる場合にあっては、60分以内)に到着することを努力義務として求めている(10条3項)。

6 事業者が日本国籍を有しない場合の代理人の選任

  京都市は、住宅宿泊事業者が個人であって日本国内に住所を有しないとき又は外国法人であるときは代理人(日本国内に住所を有する者に限る。)を選任しなければならない(12条1項)としている。

7 宿泊者の本人確認、宿泊者に対する重要事項の説明や掲示、標識の掲示、宿泊者名簿の作成、外国人観光客への対応、宿泊客に対する衛生・安全等の確保、知事等への報告など

  以上の点については、住宅宿泊事業法、政省令、ガイドライン等で規定されているが、条例で、確認的に、また、より具体的に、さらには、手続や内容などを追加して、規定しているものも少なくない。特に、千代田区、金沢市、京都市、岐阜県、和歌山県が、詳しく規定している。

8 廃棄物の適正処理

  特別区のほとんどの条例及び八王子市は、住宅宿泊事業者は廃棄物を法令に従い自らの責任において適正に処理しなければならない旨規定している。

9 届出住宅の公表

  多くの条例は、区長、市長、知事が届出住宅について、所在地、住宅宿泊事業者、連絡先等を公表する旨の規定を置いている。

10 証票制度・認証制度

  大田区は区が推奨する基準を満たした住宅宿泊事業者及び施設であることを示す証票を交付することができる(4条)とし、京都府は安心・安全の確保に配慮した届出住宅を認証する制度を設けている(9条)。

11 附属機関

  長野県は長野県住宅宿泊事業評価委員会の設置(7条)、岐阜県は岐阜県住宅宿泊事業審議会の設置(12条)について規定している。

12 指導・勧告、公表、命令、報告徴収及び立入検査等

  住宅宿泊事業法は、知事等による業務改善命令(15条)、業務停止命令等(16条)、報告徴収及び立入検査(17条)について規定しているが、条例では、別途、指導・勧告、公表、命令、報告徴収及び立入検査等の規定を置くものがある。

  千代田区は報告徴収・立入検査(22条)、指導・勧告(23条)、業務改善命令(24条)、命令違反者の公表(25条)を、港区は指導(15条)、業務改善命令(16条)、業務停止命令等(17条)、報告徴収及び立入検査(18条)を、金沢市は勧告及び命令(13条)、命令の公表(14条)、報告徴収及び立入検査(15条)を、京都市は勧告及び命令(17条)、報告徴収及び立入検査(18条)、命令の公表(20条)を規定している。

  また、台東区では命令違反者の公表(19条)、江東区は指導及び勧告(15条)を、大田区では改善勧告(5条)、勧告に従わない者の公表(6条)、渋谷区条例は報告の徴収及び立入検査(17条)、荒川区条例は指導及び勧告(10条)、業務改善命令(11条)、命令違反者の公表(12条)を、八王子市は指導及び勧告(10条)、勧告に従わない者の公表(11条)を、神戸市は勧告(4条)、勧告に従わない者の公表(5条)、姫路市は指導(5条)、尼崎市は報告の聴取等(6条)、指導に従わない者の公表(6条)、京都府は指導又は助言(10条) を規定している。

13 罰則

  住宅宿泊事業法は、命令違反等に対する罰則規定を置いている(72条〜79条)が、金沢市及び京都市は、別途、市長の命令に対する違反等に対して5万円以下の過料に処する(金沢市17条、京都市22条)としている。また、渋谷区、奈良市、奈良県は区域・期間の制限違反者に対して5万円以下の過料に処する(渋谷区12条、奈良市7条、奈良県6条)としている。

  なお、住宅宿泊事業法施行法要領(ガイドライン)は、法第18条に基づき制定される「条例による制限に違反した場合について、本法の罰則は適用できないため、必要な罰則等は、条例において定める必要がある。」(31頁)としている。




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