太陽光発電設備の規制に関する条例

                                                  (令和3年1月22日更新)

【最近の動き】

〇 平成24年7月に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が開始されたのを契機に、太陽光発電の普及が進んでいるが、地域によっては、土砂流出や濁水の発生、景観への影響、動植物の生息・生育環境の悪化などの問題が生じている。そのため、太陽光発電設備等の適正な設置と自然環境との調和を図るため、その設置等を規制することを目的とした単独の条例を制定する自治体は、少なくない。

〇 こうした太陽光発電設備等の設置を規制する単独条例は、平成26年頃から制定され始め、令和2年12月3日時点で確認できるものとして、134条例を数えることができる。都道府県が3条例、市町村条例が131条例である。制定時期を見ると、平成26年は2条例、平成27年は5条例、平成28年は13条例、平成29年は19条例、平成30年は28条例、平成31年・令和元年は43条例、令和2年は24条例となっている。制定件数は、近年増加する傾向にある。

  なお、本稿における「太陽光発電設備等の設置を規制する単独条例」とは、太陽光発電設備又は再生可能エネルギー発電設備の設置について、自然環境や生活環境等との調和を図る観点から、届出、協議、確認、同意、許可、認定、禁止等のいずれかの手続や立地規制を課す単独条例とし、単に立地の促進のみを規定する条例や、環境影響評価条例、環境保全・緑地保全等に関する条例、景観条例等において太陽光発電設備等の設置の規制を規定するものは対象外としている。

〇 早い段階(平成26年、27年)で、条例を制定した自治体は、

大分県由布市

由布市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成26年1月29日公布 平成26年1月29日施行
岩手県遠野市

遠野市景観資源の保全と再生可能エネルギーの活用との

調和に関する条例

平成26年12月18日公布 平成27年4月1日施行
岡山県真庭市

真庭市自然環境等と再生可能エネルギー発電事業

との調和に関する条例

平成27年1月14日公布 平成27年1月14日施行
群馬県高崎市

高崎市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成27年3月31日公布 平成27年4月1日施行
静岡県富士宮市

富士宮市富士山景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成27年7月1日公布 平成27年7月1日施行
群馬県太田市

太田市環境、景観等と太陽光発電設備設置事業との調和

に関する条例

平成27年9月28日公布 平成27年12月1日施行
兵庫県赤穂市

赤穂市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成27年12月10日公布 平成27年12月10日施行

である。

〇 一方で、令和の時代に入って制定した自治体(令和2年12月3日時点で確認できるもの)は、

  都道府県では、

岡山県

岡山県太陽光発電施設の安全な導入を促進する条例

令和元年7月5日公布 令和元年10月1日施行

市町村では、

栃木県那須町

那須町の自然環境、景観等と太陽光発電設備

設置事業との調和に関する条例

令和元年5月31日公布 令和元年10月1日施行
長野県富士見町

富士見町太陽光発電設備の設置及び維持管理

に関する条例

令和元年6月18日公布 令和元年10月1日施行
静岡県函南町

函南町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業

との調和に関する条例

令和元年6月21日公布 令和元年10月1日施行
静岡県袋井市

袋井市自然環境、景観等と再生可能エネルギー

発電事業との調和に関する条例

令和元年6月28日公布 令和元年9月1日施行
長野県上田市

上田市太陽光発電設備の適正な設置に関する条例

令和元年7月1日公布 令和元年8月1日施行
山梨県北杜市

北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和

に関する条例

令和元年7月3日公布 令和元年10月1日施行
埼玉県日高市

日高市太陽光発電設備の適正な設置等に関する

条例

令和元年8月22日公布 令和元年8月22日施行
群馬県渋川市

渋川市自然環境、景観等と太陽光発電設備設置

事業との調和に関する条例

令和元年9月11日公布 令和2年1月1日施行
茨城県境町

境町太陽光発電設備の適正な設置に関する条例

令和元年9月12日公布 令和元年10月1日施行
長野県木曽町

木曽町地域の環境等と再生可能エネルギー発電

設備設置事業との調和に関する条例

令和元年9月17日公布 令和元年10月1日施行
千葉県御宿町

御宿町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業

との調和に関する条例

令和元年9月19日公布 令和2年1月1日施行
岡山県奈義町

奈義町生活環境等と太陽光発電設備

との調和に関する条例

令和元年9月20日公布 令和元年10月1日施行
京都府南丹市

南丹市太陽光発電施設の設置及び管理に関する

条例

令和元年9月20日公布 令和2年1月1日施行
長野県原村

原村太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例

令和元年9月24日公布 令和元年10月1日施行
山梨県西桂町

西桂町太陽光発電施設の適正管理による地域

環境の保全に関する条例

令和元年9月27日公布 令和2年1月1日施行
大阪府豊能町

豊能町太陽光発電施設の設置及び管理に関する

条例

令和元年9月30日公布 令和元年10月1日施行
大阪府熊取町

熊取町太陽光発電事業と地域との共生に関する

条例

令和元年9月30日公布 令和元年10月1日施行
茨城県かすみがうら市

かすみがうら市太陽光発電設備の適正な設置及び

管理による生活環境の保全に関する条例

令和元年9月30日公布 令和2年1月1日施行
宮城県富谷市

富谷市自然環境等と再生可能エネルギー発電

設備設置事業との調和に関する条例

令和元年10月17日公布 令和元年10月17日施行
静岡県焼津市

焼津市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備

設置事業との調和に関する条例

令和元年10月23日公布 令和2年1月1日施行
茨城県五霞町

五霞町太陽光発電設備の適正な設置に関する条例

令和元年12月11日公布 令和2年4月1日施行
福島県大玉村

大玉村太陽光発電設備と自然環境保全との調和

に関する条例

令和元年12月16日公布 令和元年12月16日施行
高知県土佐市

土佐市自然環境、景観等と再生可能エネルギー

発電設備設置事業との調和に関する条例

令和元年12月17日公布 令和元年12月17日施行
宮崎県新富町

新富町自然環境、景観等と再生可能エネルギー

発電事業との調和に関する条例

令和元年12月17日公布 令和2年4月1日施行
長野県朝日村

朝日村における再生可能エネルギー発電

設置設備事業と環境等との調和に関する条例

令和元年12月18日公布 令和元年12月18日施行
浜松市

浜松市適正な再生可能エネルギーの導入等

の促進に関する条例

令和元年12月19日公布 令和2年4月1日施行
佐賀県伊万里市

伊万里市自然環境等と再生可能エネルギー

発電事業との調和に関する条例

令和元年12月20日公布 令和2年3月1日施行
群馬県桐生市

桐生市自然環境、景観等と再生可能エネルギー

発電設備設置事業との調和に関する条例

令和元年12月25日公布 令和2年4月1日施行
京都府八幡市

八幡市太陽光発電設備の設置の規制等に関する

条例

令和元年12月25日公布 令和2年1月1日施行
静岡県裾野市

裾野市自然環境等と再生可能エネルギー

発電事業との調和に関する条例

令和2年1月15日公布 令和2年1月15日施行
和歌山県串本町

串本町太陽光発電設備と地域環境との調和

に関する条例

令和2年3月11日公布 令和2年7月1日施行
北海道古平町

古平町自然環境、景観等と再生可能エネルギー

発電事業との調和に関する条例

令和2年3月13日公布 令和2年3月13日施行
栃木県真岡市

真岡市太陽光発電設備の適正な設置及び管理

に関する条例

令和2年3月19日公布 令和2年4月1日施行
神奈川県松田町

松田町再生可能エネルギーの利用等の促進

に関する条例

令和2年3月19日公布 令和2年3月19日施行
岐阜県瑞浪市

瑞浪市における再生可能エネルギー発電設備

の設置と自然環境等の保全との調和に関する条例

令和2年3月23日公布 令和2年4月1日施行
愛媛県八幡浜市

八幡浜市における再生可能エネルギー発電

事業と地域との共生に関する条例

令和2年3月23日公布 令和2年4月1日施行
静岡県磐田市

磐田市自然環境等と再生可能エネルギー発電

事業との調和に関する条例

令和2年3月24日公布 令和2年6月1日施行
三重県南伊勢町

南伊勢町自然環境等と再生エネルギー発電

事業との調和に関する条例

令和2年3月25日公布 令和2年3月25日施行
愛媛県宇和島市

宇和島市太陽光発電設備の設置及び管理

に関する条例

令和2年3月25日公布 令和2年7月1日施行
栃木県那須塩原市

那須塩原市太陽光発電事業と地域との調和

に関する条例

令和2年3月26日公布 令和2年4月1日施行
(一部令和2年10月1日施行)
宮城県丸森町

丸森町環境と再生可能エネルギー発電設備

設置事業との調和に関する条例

令和2年3月27日公布 令和2年5月1日施行
茨城県東海村

東海村太陽光発電設備の適正な設置,管理等

に関する条例

令和2年3月27日公布 令和2年7月1日施行
静岡県長泉町

長泉町自然環境等と再生可能エネルギー発電

事業との調和に関する条例

令和2年3月27日公布 令和2年4月1日施行
三重県名張市

名張市太陽光発電設備の設置に係る手続等

に関する条例

令和2年3月30日公布 令和2年4月1日施行
愛媛県西予市

西予市再生可能エネルギー発電施設の適正な設置

及び維持管理に関する条例

令和2年4月1日公布 令和2年7月1日施行
佐賀県大町町

大町町の太陽光発電事業と地域との共生

に関する条例

令和2年6月11日公布令和2年8月1日施行
福島県西郷村

西郷村自然環境等と再生可能エネルギー事業

との調和に関する条例

令和2年6月19日公布 令和2年6月19日施行
静岡県熱海市

熱海市自然環境等と再生可能エネルギー発電

事業との調和に関する条例

令和2年6月24日公布 令和2年10月1日施行
静岡県沼津市

沼津市景観等と再生可能エネルギー発電

事業との調和に関する条例

令和2年6月30日公布 令和2年9月1日施行
群馬県みどり市

みどり市再生可能エネルギー発電設備の

設置の規制に関する条例

令和2年7月1日公布 令和2年10月1日施行
京都府木津川市

木津川市における太陽光発電設備に関する条例

令和2年7月15日公布 令和2年7月15日施行
長野県中川村

中川村太陽光発電施設の設置等に関する条例

令和2年10月1日公布 令和2年10月1日施行
北海道浜中町

浜中町再生可能エネルギー発電施設の設置

に関する条例

令和2年12月3日公布 令和3年4月1日施行

である。

〇 なお、平成28年から平成31年に条例を制定した市町村は、「別紙資料」の通りである。

 

【都道府県の条例】

〇 都道府県でこうした条例を制定しているのは、

兵庫県

太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例

平成29年3月23日公布

平成29年3月23日施行

和歌山県

和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例

平成30年3月23日公布

平成30年3月23日施行

(一部、平成30年6月22日施行)

岡山県

岡山県太陽光発電施設の安全な導入を促進する条例

令和元年7月5日公布

令和元年10月1日施行

 である。

〇 3県では、規制の対象施設とその手法は、異なる

兵庫県

・対象

・手続

・罰則

5000u以上の施設(区域によっては、1000u以上5000u未満)

計画の届出 報告聴取 指導・助言 勧告・公表

5万円以下の罰金

和歌山県

・対象

・手続

・罰則

対象合計出力が50kw以上(面積にして、50u〜100u以上が相当)の設備

計画の認定 指導・助言 報告聴取・立入検査 改善命令 勧告・命令 公表

なし

岡山県

・対象


・手続


・罰則

設置禁止区域(地すべり防止区域等)はすべての施設

設置に適さない区域(土砂災害警戒区域等)は合計出力が50kw以上の施設

設置禁止区域は、原則設置禁止、ただし、設置する場合には許可

設置に適さない区域は、届出 立入調査 指導・助言 監督処分 勧告 公表

なし

となっている。主な相違点は、兵庫県は、「全域を対象、届出制、罰則あり」、和歌山県は、「全域を対象、認定制、罰則なし」、岡山県は、「禁止区域の設定・許可制、設置不適地域の設定・届出制、罰則なし」などとしているところである。

  なお、兵庫県は、風力発電施設も対象としている。また、兵庫県と岡山県は、市町村条例との調整規定(規則で定める市町村の区域は、適用外)を置いているのに対して、和歌山県はそうした規定は置いていない。

   岡山県の条例については、自治体法務研究2019年冬号CLOSEUP先進・ユニーク条例「岡山県太陽光発電施設の安全な導入を促進する条例」を参照のこと。

 

【市町村の条例】

〇 市町村の条例も、それぞれの自治体によって、規制の対象施設とその手法は、様々である。

〇 いくつかのタイプに分けることができるが、それぞれについて条例を例示すると

@    抑制地域を設定 抑制区域以外は届出制とするタイプ

大分県由布市

由布市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成26年1月29日公布 平成26年1月29日施行

・抑制区域を設定し、事業を行わないように協力を求める ・抑制区域以外は、5000u以上の事業を対象

・事業を行うものは届出、市長と協議 ・事業者は、自治会及び近隣関係者に説明 ・市長は、審議会に諮問して、審査 

・市長は、指導、助言、勧告 ・勧告などに従わない場合は、公表 など

A    抑制地域を設定 抑制区域内を届出制・協定締結を義務付けるタイプ

長野県上田市

上田市太陽光発電設備の適正な設置に関する条例

令和元年7月1日公布 令和元年8月1日施行

・抑制区域を設定 ・抑制区域内の1000u以上かつ50kw以上の事業が対象 ・事業を行うものは届出、市長と届出前に協議

・事業者は、地域住民等に対する説明会を開催 ・地域住民等は、意見の申出と協議 ・事業者は、事業に関する協定を市長と締結

・市長は、報告徴収、立入調査 ・市長は、指導、助言、勧告 ・勧告などに従わない場合は、公表 など

B    抑制地域を設定 抑制区域以外は届出・同意制とするタイプ

岡山県真庭市

真庭市自然環境等と再生可能エネルギー発電事業

との調和に関する条例

平成27年1月14日公布 平成27年1月14日施行

・抑制区域を設定し、市長は当該区域の事業の同意しない ・抑制区域以外は、5000u以上の事業を対象

・事業を行うものは届出 ・市長の同意 ・事業者は、自治会及び近隣関係者に説明・市長は、報告徴収、立入調査

・市長は、指導、助言、勧告 ・勧告に従わない場合は、公表 など

C    抑制地域を設定 抑制区域内を許可制とするタイプ

栃木県那須町

那須町の自然環境、景観等と太陽光発電設備設置事業

との調和に関する条例

令和元年5月31日公布 令和元年10月1日施行

・抑制区域を設定 ・抑制地域内は10kw以上、抑制地域以外は50kw以上が許可の対象 ・許可基準に該当する場合は、許可

・事前協議が必要 ・事業者は、説明会を開催 ・市長は、報告徴収、立入調査 ・市長は、勧告、命令

・許可取消、命令などの場合は、公表 など

D    特別保全地域を設定 特別保全区域内を許可制とするタイプ

群馬県高崎市

高崎市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業

との調和に関する条例

平成27年3月31日公布 平成27年4月1日施行

・特別保全地区を設定 ・特別保存地区内は、許可の対象 ・許可基準に該当する場合は、許可 ・事前協議が必要

・事業者は、地域住民等に対する説明会を開催 ・地域住民等は、意見の申出と協議 ・市長は、報告徴収、立入調査

・市長は、措置命令 ・違反行為に対して、公表 など

E    禁止区域を設定するタイプ

茨城県つくば市

つくば市筑波山及び宝篋山における再生可能エネルギー

発電設備の設置を規制する条例

平成28年7月1日公布 平成28年7月1日施行

・事業禁止区域を設定、事業禁止 市長は、立入調査 ・市長は、勧告 ・勧告などに従わない場合は、公表 など

F    禁止区域を設定 禁止区域以外は許可制とするタイプ

大阪府箕面市

箕面市特定太陽光発電設備の設置の規制に関する条例

平成30年3月27日公布 平成30年4月1日施行

・禁止区域を設定、事業禁止 ・禁止区域以外の地域は10kw以上又は100u以上を許可の対象

・許可基準に該当する場合は、許可 ・事前協議が必要 ・許可基準の一つとして、住民との協定書締結が必要 

・市長は、報告徴収、立入調査 ・市長は、勧告 ・勧告などに従わない場合は、公表 など

G    禁止区域を設定、禁止区域以外に抑制地域を設定・許可制とするタイプ

滋賀県大津市

大津市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例

平成29年12月22日公布 平成30年4月1日施行

・禁止区域を設定、事業禁止 ・抑制区域を設定、50kw以上又は1000u以上を許可の対象 

・許可基準に該当する場合は、許可 ・事前協議が必要 ・事業者は、地域住民等に対して説明会開催などの事前周知

・事業者は、地縁団体との協締結定書締結(努力義務) ・市長は、改善命令 ・市長は、報告徴収、立入調査

・市長は、勧告 ・命令・勧告に従わない場合は、公表 など

H    全域を対象 届出制とするタイプ

茨城県境町

境町太陽光発電設備の適正な設置に関する条例

令和元年9月12日公布 令和元年10月1日施行

・全域を対象 ・事業を行うものは届出、町長と協議 ・事業者は、近隣関係者に説明・住民に周知

・町長は、指導、助言、勧告 ・勧告に従わない場合は、公表 など

I    全域を対象、届出・確認制とするタイプ

山梨県西桂町

西桂町太陽光発電施設の適正管理による地域環境の

保全に関する条例

令和元年9月27日公布令和2年1月1日施行

・全域を対象 ・10以上又は500u以上の事業を対象 ・事業を行うものは届出、市長の確認 

・事業者は、事業に関する協定を町長と締結(努力義務)・町長は、報告徴収、立入調査 ・町長は、指導、助言、勧告

・勧告に従わない場合等は、公表 など

J    罰金規定を設けるタイプ

山梨県北杜市

北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例

令和元年7月3日公布令和元年10月1日施行

・特定区域を設定 ・10kw以上の事業を対象(特定区域を含む全域) ・特定区域内の事業は、事前協議が必要 

・許可基準に該当する場合は、許可 ・事業者は、地域住民等に対して説明するなどのあらかじめ周知

・市長は、報告徴収、指導・立入調査 ・市長は、勧告、命令 ・命令違反行為に対して、公表

・命令違反した者などに対して5万円以下の罰金 など

K    過料規定を設けるタイプ

兵庫県神戸市

神戸市太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例

平成30年12月7日公布令和元年7月1日施行

・禁止区域を設定、事業禁止 ・10kw以上の事業を対象 ・特定区域を設定 許可の対象 ・許可基準に該当する場合は、許可

・禁止区域及び特定区域以外の区域は届出の対象 ・事業者は、近隣関係者に対して説明会の開始 ・市長は、報告徴収、立入調査

・市長は、指導、助言 ・市長は、勧告 ・勧告などに従わない場合は、公表 ・公表後勧告措置に従わない等の場合は、命令

・命令に従わない場合は5万円以下の過料、届出をしなかった場合は1万円以下の過料 など

〇 以上のように条例のタイプは様々であるが、上記に示した令和の時代に入ってから制定された条例には、これらのほとんどのタイプが存在し、一定のタイプに収束してきている状況は見られない。

〇 大阪府は、太陽光発電施設に関する市町村条例の雛形(「太陽光発電施設に関する市町村条例の雛形について」 平成30年12月26日)を示している。

  同雛形では、対象地域について、「抑制地域」と「禁止区域」の案を示しているが、これに関して上記資料における解説は、「全国の条例において、市町村が事業者に対し『太陽光発電施設の設置を行わないよう求めることができる区域(抑制区域)』と『太陽光発電施設の設置を認めない、若しくは同意しない区域(禁止区域)』として設定されている事例等をそれぞれ示したものであり、区域の指定にあたっては、市町村における地域特性、過去に発生したトラブルの内容や今後の太陽光発電施設の事業見込みなどを考慮し、総合的に判断して設定することが必要である。」とするとともに、「全国の条例の傾向として、『届出制』において『抑制区域』を設定しているケースは比較的多く見られるほか、その他の事例としては、当該市町村内の特定の区域を『特別保全地区』若しくは『保全地区』として指定し、許可等の手続きをその区域に限定している事例も確認されている。」としている。

  また、「届出制」と「許可制」の案を示しているが、これに関しては、「太陽光発電施設を、特定の区域や一定規模の範囲等で規制することも視野に入れて検討を進めていく場合においては、『届出制』ではなく『許可制』とする選択肢も考えられることから、ここでは二案示すこととしたが、特に『許可制』に関しては、他の事業における規制との比較、土地の使用や事業活動の自由、既存法令の許認可との調整及び許可制とする区域の特性、必要性などの諸条件を十分検討した上で、制定することが必要である。」としている。    

  さらに、罰則に関しては、「全国の条例において、届出義務に対する違反や、立入調査を拒む若しくは妨げた事業者に対し 罰則を設定しているものも僅かながらある。しかし、FIT法では、条例を含めた関係法令の規定に違反した場合に、認定基準に適合しないとみなされ、国が事業認定の取消しを講じることとなっていることから、これにより事業者が条例を遵守する効果が期待できる。以上を踏まえ、罰則の設定については、それぞれの市町村において十分かつ慎重に検討し、判断する必要がある。」としている。

〇 板垣勝彦「<論説>ソーラーパネル条例をめぐる課題太陽光発電設備のもたらす外部不経済の解消に向けてー」 (横浜法学第27巻第1号2018年9月)281頁以下は、最初に制定された由布市の条例とそれに続く後続条例について、それぞれの紹介、評価等を行っている。また、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所 山下紀明「研究報告 太陽光発電の規制に関する条例の現状と特徴」(2020年12月3日)は、同意や許可を要件とするなどの形で太陽光発電の設置を抑制・規制する条例について、分析している。

〇 なお、条例名の中で「再生可能エネルギー発電事業」等としているものは、太陽光発電のみならず、風力、バイオマス、地熱などの発電事業も対象にしている。

 

【太陽光発電に関するその他の対応】

〇 太陽光発電事業に伴う自然環境などへの問題に対応するため、自治体は、これまで様々な施策を講じてきている。以上見てきた太陽光発電設備の規制に関する単独の条例を制定することは、その取り組みの一部であると言ってよい。

〇 少し古くなるが、環境省は、「太陽光発電事業の環境保全対策に関する自治体の取組事例集」(平成28年4月)を公表している。この中では、単独条例の制定以外に、

・環境影響評価条例による対応例(環境影響評価手続の対象)

・環境保全・緑地保全等に関する条例による対応例(事業者に環境配慮を求める環境保全協定等を締結)

・景観条例等による対応例(位置・規模・意匠の基準等を設定)

・土地開発等に係る条例等による対応例(許認可等の申請の前に事前協議を求める)

・ガイドライン等の策定

などの具体的な取組事例を示している。

〇 こうしたことに関して、 釼持麻衣「都市自治体における条例を通じた太陽光発電設備設置の適正化への取組み」(「都市とガバナンス」第28号2017年9月15日 92頁以下)、板垣勝彦「論説>ソーラーパネル条例をめぐる課題─太陽光発電設備のもたらす外部不経済の解消に向けて─」(横浜法学第27巻第1号2018年9月)、 内藤悟「太陽光発電設備を巡る地域における行政実務の現状と課題」(論考ジュリスト2019年冬号)、神山智美「太陽光発電の事業実施に係る一考察−発電設備設置における事業者による地域選定と地方公共団体−」(企業法学研究2019第8巻第1号)が参考となる。




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