地下水保全条例
(令和6年12月23日更新)
【制定状況】
〇 地下水に関する条例については、内閣官房水循環政策本部事務局と環境省が調査をし、整理をしている。
まず、内閣官房水循環政策本部事務局は、すべての都道府県及び市区町村を対象に網羅的に調査した結果を「地下水関係条例の調査結果」(令和5年10月末時点)として公表している。これによると、地下水関係条例は、令和5年10月末時点、47都道府県で86条例、632市区町村で776条例、合計679団体で862条例が制定されている(一団体で2以上の条例を制定している団体があるため、条例数が団体数を上回っている。)。都道府県は全団体が制定しており、市区町村は36%の団体が制定していることとなる。
862条例について、条例の目的、規制の内容及び罰則等の状況について分析をしているが、①条例の目的は、地盤沈下の防止(507条例)、地下水量の保全又は地下水涵養(472条例)、地下水質の保全(673条例)、水源地域の保全(259条例)など多様である、②規制等を設けているのは713条例で、規制の観点、対象行為は、水量の規制(採取行為342条例、採取設備148条例、地下掘削工事43条例など)、水質の規制(事業所設置395条例、水質の保全138条例など)、水源地域保全のための規制(土地取得21条例、開発行為325条例)と多様であり、規制手法は、全面禁止、許可制、届出制など多様である、③罰則等を設けているのは532条例で、懲役まで(209条例)、罰金まで(224条例)、過料まで(31条例)、公表まで(68条例)など多様である、としている。また、862条例の団体名及び条例名を「地下水関係条例一覧」として掲載している。
なお、条例名については、862条例のうち、条例名に「地下水」を含むものは121条例、また、条例名に「水源」、「水資源」、「水環境」または「水循環」を含むものは151条例であり、地下水や水源等に特化した条例は全体の約3分の1である。他の多くの条例は、公害防止条例や環境保全条例等で、公害防止、環境保全等の施策の一つとして地下水に関する事項が何らかの形で規定されていることとなる。また、862条例の中には、本文中に地下水について明示的な規定がないものがあり、また、規定内容も具体的な規制内容を定めるものから極めて簡単な訓示規定に留まるものなど様々である。
次に、環境省は、同省HP「地下水採取規制に関する条例等」(令和4年度)において、団体名、条例名、制定年月、最終改正年月、リンク先を示して、一覧表を掲載している。これによると、地下水採取の規制に関する条例は、令和4年度、28都道府県で29条例、309市区町村で322条例、合計337団体で351条例が制定されている(一団体で2以上の条例等を制定している団体があるため、条例数が団体数を上回っている。)。なお、明らかに地下水採取規制に関する条例と認められる条例であっても、掲載されていないもの(例えば、北海道占冠村の占冠村地下水保全条例、宮城県松島町の松島町地下水採取の規制に関する条例、奈良県曽爾村の曾爾村地下水資源保全条例など)があるので、注意を要する。
なお、千葉知世「日本の地下水政策」(京都大学学術出版会2019年3月)は、平成30年9月時点で「表題に『地下水』という単語を含む条例」で、「インターネット上で本文が入手できなかったもの、限定的な目的を有するものを除く」102条例について、詳細に分析している(同書57頁以下及び巻末表)ので参照されたい。本稿は、総合的な地下水保全条例等について、同書を参考にしている。
〇 「わが国には地下水の保全管理に関する総合的な法律は存在しない」(前記千葉知世著書57頁)とされる。工業用水法(昭和31年法律146号)及び建築物用地下水の採取の規制に関する法律(昭和37年法律100号)はそれぞれ地下水の採取について規制しているが、対象地域は、前者は工業用水の確保の観点から地盤沈下など地下水障害がある工業地域で、後者は冷房設備、水洗便所等の用水確保の観点から既に地盤沈下が発生し、高潮、出水等のおそれがある地域であり、いずれも限定的である。また、水質汚濁防止法(昭和45年法律138号)は、公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図ることを目的としているが、政令で指定された特定施設を設置する特定事業所のみを規制対象としている。
昭和50年ごろから関係省庁により地下水保全や地盤沈下防止に関する法案が検討されたが各省庁間で合意を得ることができす(前記千葉知世著書42頁以下)、また、議員立法により制定された水循環基本法(平成26年法律16号)を踏まえ地下水保全法の議論がなされた(三好規正「地下水の法的性質と保全法制のあり方―『地下水保全法』の制定に向けた課題―」(地下水学会誌58巻2号2016年)参照)が、実現に至っていない。
地下水の保全管理のための国の総合的な法制度が整備されない中にあって、各地で発生する地盤沈下、水質汚染、水量減少、水位低下などの状況に対応するため、自治体は独自に条例を制定し、これらの課題に対応することが求められたといえる。
なお、水循環基本法は、令和3年6月に改正され(水循環基本法の一部を改正する法律(令和3年6月16日公布・施行))、水循環に関する施策に「地下水の適正な保全及び利用に関する施策」が含まれることが明記されるとともに、国及び地方公共団体は「地域の実情に応じ、地下水に関する観測又は調査による情報の収集並びに当該情報の整理、分析、公表及び保存、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行う組織の設置又はこれに類する業務を行う既存の組織の活用、地下水の採取の制限その他の必要な措置を講ずるよう努める」(16条の2)ものとされたが、地下水の保全管理のための国の総合的な法制度が整備されるには至っていない。
、〇 国土交通省調査で見るように、地下水に関する条例は、その目的、規制の内容、規定の仕方などは多様であるが、規制の内容から見た場合、大きく次の4つのタイプに分けることができる。
① 地下水採取の規制
② 地下水に係る水源地域における土地取引の規制
③ 地下水に係る水源地域における事業所立地や開発行為の規制
④ 地下水の水質保全のため事業所における有害物質の使用・排出の規制
それぞれの規制の1つのみを規定する条例もあれば、2以上の規制を同一の条例で規定しているものもある。また、②、③及び④については、専ら地下水のみを対象とする条例もあれば、地下水のみならず地上水等も含んだ水源地域(水資源)全体を対象とする条例もある。また、これらの規制のみならず、地下水の涵養、節水・合理的利用、生態系の保全、汚染の浄化、協力金・基金等について規定する条例もある。
このうち、②については別項の「水源地域保全条例」で、③及び④については別項の「水道水源保護条例」において概観しているので、本稿では、①のタイプの条例及び①を含んだ総合的な内容を有する条例を中心に概観する。
【地下水採取規制を内容とする条例】
〇 地下水採取規制を内容とする条例は、地盤沈下の防止、水道用水・生活用水の確保等を目的としている。
〇 地盤沈下の防止を主たる目的とする条例として、例えば、
大阪府 | 平成6年3月23日公布 | 平成6年11月1日施行 |
|
大阪府枚方市 | 平成25年12月9日公布 | 平成26年4月1日施行 |
|
大阪府島本町 | 昭和50年6月20日公布 | 昭和50年7月1日施行 |
|
埼玉県 | 平成13年7月17日公布 | 平成14年4月1日施行 |
|
山形県 | 昭和51年3月31日公布 | 昭和51年4月1日施行 |
|
北海道占冠村 | 平成29年3月13日公布 | 平成29年4月1日施行 |
|
高知県香南市 | 令和2年9月28日公布 | 令和3年1月1日施行 |
|
福岡県岡垣町 | 令和5年12月25日公布 | 令和6年7月1日施行 |
がある。
大阪府条例は、5章1節の「地盤の沈下の防止に関する規制」において地下水採取の規制の規定を置いている。大阪市区域では、戦前から地盤沈下が発生していていたが、戦後、経済成長とともに再び沈下が激しく、昭和34年4月1日には「大阪市地盤沈下防止対策条例」が制定され、昭和37年には建築物用地下水の採取の規制に関する法律の制定により大阪市全域が指定地域とされるなどにより、昭和38年以降地盤沈下は鈍化した。一方で、この頃から大阪府内の他地域で地盤沈下が目立ちはじめ、大阪府は、昭和46年3月「大阪府公害防止条例」を制定し、地盤沈下の防止対策を進めた。平成6年11月に、この「大阪府公害防止条例」は廃止され、新しく制定されたのが本条例である(大阪平野の地盤沈下の状況や対策の経緯については、環境省HP「大阪府 大阪平野 地盤沈下情報 令和4年度版」を参照のこと)。
大阪府内の市町村では、大阪府とは別に、地盤沈下防止のため、数団体が条例を制定し、地下水採取を規制している。枚方市条例と島本町条例もその一つである。枚方市条例は、昭和46年制定の「枚方市公害防止条例」が平成25年に全部改正され制定されている。
埼玉県条例は、6章4節の「地盤の沈下の防止」において地下水採取の規制の規定を置いている。埼玉県内でも、昭和30年代半ばごろから地盤沈下の進行が確認され、昭和46年に「埼玉県公害防止条例」が制定され、地下水採取の規制がなされた。この「埼玉県公害防止条例」が廃止され、平成13年7月に新しく制定されたのが、本条例である(埼玉県の地盤沈下の状況や対策の経緯については、環境省HP「埼玉県 関東平野 地盤沈下情報 令和4年度版」を参照のこと)。
山形県条例は、「地下水の採取により、地盤の沈下、地下水の水位の異常な低下等の障害が生じ、又は生ずるおそれのある地域」(1条)を対象に、規制措置を講じることとしている。山形盆地についても、昭和30年代後半以降、井戸の抜け上がり等被害が生じたとされる(山形盆地の地盤沈下の状況や対策の経緯については、環境省HP「山形県 山形盆地 地盤環境情報 令和4年度版」を参照のこと)。
占冠村条例、香南市条例及び岡垣町条例は、比較的最近制定された条例であるが、占冠村条例は「村内における地下水の枯渇及び地盤の沈下を防止するために、地下水の採取について必要な規制を行うとともに、村民生活にかけがえのない資源である地下水を将来にわたって保全することにより、村民の健康で文化的な生活に寄与すること」(1条)を目的とし、香南市条例は「市民生活にとってかけがえのない資源である地下水において、採取による著しい地下水位の低下とこれに伴う地盤沈下を未然に防止し、将来にわたり水質及び水量の両面から保全を図り、地下水が市民の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることを認識し、その環境をより質の高いものとして、将来の世代に適切に継承していくこと」(1条)を目的とし、岡垣町条例は「この条例は、地下水が 本町の上水道の主要な水源となっており 、町民の生活にとって欠くことのできない重要な資源であることを踏まえ、地下水採取による地下水の枯渇、水位の低下、地盤沈下 、水質の悪化等(以下「地下水の枯渇等」という。)の障害の発生を未然に防止し、町民が豊かで良質な地下水の恵みを将来にわたって享受できるよう必要な措置を講ずることにより、地下水の保全を図り、もって町民の健康の保護及び生活環境の保全に資すること」(1条)を目的としている。なお、占冠村は占冠村水道水源保護条例を占冠村地下水保全条例と同時に、香南市は香南市水道水源保全条例を香南市地下水保全条例と同時に、それぞれ公布・施行している。
〇 水道用水・生活用水の確保を主たる目的とする条例として、例えば、
岩手県山田町 | 昭和46年12月27日公布 | 昭和46年12月27日施行 |
|
福島県福島市 | 昭和48年12月21日公布 | 昭和49年3月1日施行 |
|
東京都八丈町 | 昭和48年6月27日公布 | 昭和48年7月10日施行 |
|
石川県白山市 | 平成17年2月1日公布 | 平成17年2月1日施行 |
|
三重県四日市市 | 平成17年6月28日公布 | 平成18年1月1日施行 |
|
鳥取県 | 平成24年12月21日公布 | 平成25年4月1日施行 |
|
長野県飯山市 | 平成30年3月29日公布 | 平成30年7月1日施行 |
|
長野県池田町 | 令和2年2月28日公布 | 令和2年4月1日施行 |
|
京都府木津川町 | 令和3年10月1日公布 | 令和3年10月1日施行 |
|
長野県須坂市 | 令和4年3月18日公布 | 令和4年7月1日施行 |
|
三重県伊賀市 | 令和4年12月27日公布 | 令和5年4月1日施行 |
がある。
山田町条例は、かなり早い時期に制定された条例の一つであり、「上水道水源の保護」(1条)を図ることを目的としている。地下水を水源とする井戸の掘さくの許可(2条)など6条から構成されている。
福島市条例も、かなり早い時期に制定されているが、「市民の生活用水の確保を図るため、他の法令の定めとあいまって地下水を保全」(1条)することを目的としている。地下水採取の届出(5条)など9条から構成されている。
八丈町条例は、「町民の飲料水確保と公衆衛生の向上に寄与すること」(1条)を目的としている。離島であり、地下水の確保が住民生活にとって不可欠であるので、町長の責務として、「あらゆる施策を通じて町民の飲料水確保と公衆衛生の保持のため,最大の努力をしなければならない」(3条)との規定を置いている。
白山市条例は、水道事業及び工業用水道事業の「水源地の地下水の保護維持を行い、生活用水及び工業用水の供給を円滑」(1条)にすることを目的としている。
四日市市条例は、「本市の主たる水道水源の地下水が有限で市民共有の貴重な資源」であるとした上で、「安全で良質な飲料水を将来にわたって安定的に確保し、市民の生活基盤を守ること」(1条)を目的としている。また、「水道水源」とは、「水道水の原水となる地下水をいう。」(2条1号)と定義づけている。
鳥取県条例は、「地下水が豊かな自然環境により長期間かけて育まれる貴重な資源であり、県民生活にとって欠くことのできない水道及び農業、工業その他の産業に利用されていることに鑑み、地下水の採取に関し必要な規制等を行うことにより、地下水を将来にわたって持続的に利用できる環境を守り、もって県民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与すること」(1条)を目的としている。
飯山市、池田町、木津川町、須坂市及び伊賀市の条例は、比較的最近制定された条例であるが、飯山市条例は「市民生活にかけがえのない水道水源としての地下水を将来に引き継ぐため、地下水利用の現状把握及び乱開発の防止を図り、水道水源を保護し、市民の快適な生活環境を確保すること」(1条)を、池田町条例は「地下水の保全とかん養及び適正な利用を図」ること(1条)、木津川町条例は「市内における地下水の適正な採取と合理的な利用を図り、生活用水を保全するとともに、地下水の枯渇、地盤沈下等を防止」すること(1条)を、須坂市条例は「市民の生活用水の根源である地下水について、持続可能な地下水の保全と活用」すること(1条)を、伊賀市条例は「限りある資源である地下水を適正に保全し、及び利用」すること(1条)を、それぞれ目的としている。木津川町条例は生活用水の保全と併せて地下水の枯渇、地盤沈下等の防止を目的としている。なお、須坂市条例は、昭和59年に制定された「須坂市水資源保全条例」が全部改正されて、制定されている。
〇 その他の目的をも有する条例として、例えば、
山梨県山中湖村 | 平成30年3月26日公布 | 平成30年10月1日施行 |
|
山梨県都留市 | 平成30年3月26日公布 | 平成30年10月1日施行 |
|
東京都檜原村 | 令和4年9月16日公布 | 令和4年12月1日施行 |
がある。
山中湖村条例は、「世界文化遺産構成資産である山中湖の保全と村民の住みよい快適な生活環境を確保すること」(1条)を目的としており、山中湖の保全が目的に入っている。
都留市条例は、「富士山や本市を取り囲む豊かな山林からもたらされる地下水資源(温泉法・・・の規定による温泉を含む。・・・)を市民が将来にわたり享受できるよう、地下水資源の保護と採取の適正化を図り、もって市民の良好で快適な生活環境を確保すること」(1条)を目的としている。地下水には温泉を含むとしており、温泉の保護と採取の適正化も目的に含まれている。
檜原村条例は、「地下水資源の保護と採取の適正化を図るため、地下水について必要な規制を行い、もって檜原村(・・・)の清流と豊かな森林の自然環境を保全し、住民の良好で快適な生活環境を確保すること」(1条)を目的としている。
【地下水採取規制のみならず、水質保全、水源涵養、節水等をも内容とする条例―総合的な地下水保全条例】
〇 地下水採取規制のみならず、地下水について、水質の保全、水源の涵養、節水・合理的利用、汚染の浄化なども内容も含んだ、総合的な地下水保全条例として、例えば、
熊本県 | 平成2年10月2日公布 | 平成3年4月1日施行 |
|
神奈川県座間市 | 平成10年4月10日公布 | 平成10年12月1日施行 |
|
神奈川県秦野市 | 平成12年3月24日公布 | 平成12年4月1日施行 |
|
岐阜県岐阜市 | 平成14年6月28日公布 | 平成15年4月1日施行 |
|
熊本県熊本市 | 平成19年12月25日公布 | 平成20年7月1日施行 |
|
沖縄県宮古島市 | 平成21年6月30日公布 | 平成21年10月1日施行 |
|
愛媛県西条市 | 令和4年9月30日公布 | 令和5年4月1日施行 |
がある。
熊本県条例は、「地下水の汚染の防止、地下水の適正な採取、地下水の合理的な使用及び地下水の涵(かん)養に関し必要な措置を講ずる」(1条)としている。また、「地下水の保全は、地下水の流動が蒸発、降水、地下への浸透並びに河川及び海への流出を繰り返すという水の循環の一部をなすものであり、かつ、地下水が県民生活及び地域経済の共通の基盤となっている」としたうえで、「地下水は公共水(公共性のある水であることをいう。)であるとの認識に立ち」(2条)とし、地下水が「公共水」である旨を明記している。熊本県は、「生活用水の約8割、工業用水の約4割は地下水を水源としており、全国的にも稀な地下水に恵まれた地域」であり、「豊かで良質な地下水を将来にわたり守り継ぐことは県政の重要課題の一つである」(自治体法務研究2013年夏号CLOSEUP2013年LOSEUP先進・ユニーク条例「熊本県地下水保全条例の一部を改正する条例」参照)とされる。昭和53年に「熊本県地下水条例」が制定され、平成2年には「熊本県地下水質保全条例」が制定されたが、平成12年には、この2つの条例が統合されて、本条例となっている(「熊本県地下水条例」の廃止、「熊本県地下水質保全条例」の改正による)。また、平成24年には、大きな改正がなされている。
座間市条例は、「地下水が市民共有の貴重な資源であることにかんがみ、その保全を図ることにより市民生活に必要な水を確保し、もって市民の健康で文化的な生活に寄与すること」(1条)を目的としているが、5章から構成され、2章は「地下水の汚染の防止及び浄化」、3章は「地下水の採取」及び4章は「地下水の涵養及び水源の保護」について規定している。
秦野市条例は、「化学物質による地下水の汚染を防止し、及び浄化することにより地下水の水質を保全すること、並びに地下水を涵(かん)養し、水量を保全することにより、市民の健康と生活環境を守ること」(1条)を目的としている。9章から構成され、2章は「汚染の防止」、3章は「汚染の調査及び浄化」、4章は「水量の保全」、5章は「地下水の涵(かん)養」及び6章は「基金」について規定している。なお、地下水は「公水であるとの認識」に立つ(1条)としている。
岐阜市条例は、「清流長良川及び豊かな森林に支えられ、市民にとって貴重かつ限りある資源である本市の地下水を汚染から守り、そのかん養を図ることによって、自然環境の保全及び水循環の安定に寄与し、並びに市民の健康及び生活環境を保護するとともに、秩序ある事業活動の促進を図ること」(1条)を目的としている。7章から構成され、2章は「地下水のかん養」、3章は「地下水の利用」、4章は「汚染の防止」及び5章は「地下水汚染対策本部」について規定している。
熊本市条例は、「市民生活にとってかけがえのない資源である地下水を将来にわたって市民が享受できるよう、水質及び水量の両面から地下水の保全を図ることにより飲料水その他市民生活に必要な水を確保し、もって市民の健康で文化的な生活に寄与すること」(1条)を目的としている。7章から構成され、2章は「地下水の水質の保全」、3章は「地下水のかん養」、4章は「節水」及び5章は「地下水の管理」(第11条―第14条)について規定している。「生活用水、農業用水、工業用水等として社会経済活動を支えている貴重な資源であることにかんがみ、公水(市民共通の財産としての地下水をいう。との認識の下に、その保全が図られなければならない。」(2条2項)とし、地下水が「公水」であるとしている。
宮古島市条例は、「地下水が公共的資源、すなわち公水であるとの認識の下に、生活用水、農業用水及び工業用水として適正かつ有効に利用されるように、その保全を図ることにより、宮古島市の地下水資源の適正利用に寄与し、もって住民の福祉を増進すること」(1条)を目的とする。6章から構成され、2章は「地下水の保全」及び3章は「水道水源の保全」について規定している。地下水が「公水」であるとしている。平成17年に制定された「宮古島市水道水源保護条例」及び「宮古島市地下水保護管理条例」が廃止され、平成21年に本条例が制定されている。
西条市条例は、「地下水を市民の共有財産である地域公水と位置付け、育水の考えの下、保全し、及び管理し、並びに適正な利用を図ることにより、清浄で豊かな地下水を次世代へ引き継ぎ、もって市民の健康の保持、快適で持続可能な生活環境の確保及び維持並びに持続可能な産業の発展に寄与すること」(1条)を目的している。6章から構成され、2章は「地下水保全管理計画」、3章は「地下水の保全及び管理の具体策」、4章は「異常時の対策」とし、このうち、3章では地下水の保全及び管理の基本方針(1節)、対象事業(2節)、有害物質使用事業場(3節)、地下工事(4節)、井戸の設置(5節)について規定し、4章では汚染時(1節)、渇水時(2節)、災害時(3節)について規定している。地下水を「地域公水」と位置づけるとともに、「育水」の考え方を導入している。平成16年に制定された「西條市地下水の保全に関する条例」が廃止され、令和4年に本条例が制定されている。本条例の制定経緯、内容等については、西条市HP「「西条市地下水の保全及び管理並びに適正な利用に関する条例」トップページ」を参照されたい。
【地下水採取規制の手法】
〇 地下水採取規制の手法に関してモデルとなるのが、工業用水法と建築物用地下水の採取の規制に関する法律である。両法ともに、概ね、①対象地域を指定、②一定の規模以上の揚水設備による地下水の採取は、都道府県知事の許可を要する、③許可基準が設定されている、④許可に付した条件に違反した場合等には、許可の取消、一時停止命令等を、緊急時には地下水採取の制限命令等を行う、⑤許可を得ないで地下水を採取した場合等は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する、との手続をとっている。
〇 これに対して、各自治体の地下水採取規制条例の手続は、様々となっている。地下水の利用状況、地下水採取が地域に与える影響等を踏まえて、それぞれの地域に適合した方法が取られてきていると見ることができよう。
〇 まず、上記条例のうち、地盤沈下の防止を主たる目的とする条例のグループについて見てみると、
大阪府条例については、国の法律とほぼ同様の手法を取っている。法律の対象となっているエリアは法律の規制により、また、法律の対象外のエリアは条例の規制により対応し、その規制方法はほぼ同様としているものと考えられる。なお、一定の地下水採取者には水量測定器の設置及び地下水採取量の記録・知事への報告を義務付けている(76条)が、これは法律にはない措置である。また、地下水採取規制地域を指定する場合は、あらかじめ市町村長の意見を聴かなければならないとしている(104条)。
これに対して、大阪府下の枚方市条例は、届出制(18条)を取り、基準に適合しないものは計画変更命令(20条)を出すこととしている。また、検査(22条)、採取量の測定等(25条)等の規定を置いている。
また、同じく大阪府下の島本町条例は、許可制(3条)を取っているが、対象地域は定めておらず、許可の基準も定めていない。汲上げ量測定義務(7条)を規定している。罰則はないが、制裁として、公表するとともに、「行政上一切の協力を拒否することができる」(11条)としている。
一方、埼玉県条例は、第1種指定地域及び第2種指定地域の2つの地域を指定し(85条)、第1種指定地域における一定の規模超の揚水施設による地下水の採取は許可(86条)とし、第1種指定地域における一定の規模以下及び第2種指定地域における一定の規模超の揚水施設による地下水の採取は届出(90条)としている。許可条件に違反する場合等は許可の取消や一時停止(99条)、施設基準に違反する場合は改善勧告や改善命令(100条)を行うこととしている。また、採取量の測定等(96条)、地下水の採取の抑制(103条)、地下水のかん養(104条)、地下水のゆう出を伴う掘削工事に関する措置(105条)等の規定を置いている。市町村との関係については、同等以上の効果が期待できる条例を有する市町村は適用除外できる旨(119条2項)定めている。
また、山形県条例は、地下水採取適正化地域を対象にして届出制(7条)を取っている。地下水採取適正化地域について地下水採取適正化計画を定める(3条)こととしているが、計画の策定に当たっては、関係市町村長に案を示して意見を聴かなければならない(4条4項)としている。また、地下水採取適正化計画で定めた基準に適合しない場合等は、計画変更等の勧告(9条)を行うこととしている。
占冠村条例は、対象地域は定めておらず、一定規模超の揚水機による井戸の掘削は許可(5条)、一定規模以下の揚水機による井戸の掘削は届出(13条)としている。許可基準(6条)はやや抽象的であるが、許可申請があった場合は審議会の意見を求める(9条)としている。また、許可対象施設の場合、関係住民等に対する説明会の開催を義務づけ(7条)、水量測定器の設置と採取量の報告を義務づけている(12条)。
岡垣町条例は、対象地域は定めておらず、届出制(4条)とし、採取量及び水位の記録と報告を義務づけている(8条)。
以上の条例は、届出制または許可制を取っているが、香南市条例は、事前協議及び協定締結という手法を取っている。すなわち、一定の大規模な地下水採取者は、あらかじめ市長と協議し、協定を締結しなければならない(7条2項)とし、協議や協定締結をしない者には、市長が勧告をする(同条3項)としたうえで、勧告に従わない者は5万円以下の過料に処する(22条1号)としている。
なお、環境省水質保全局企画課調べ「地盤沈下防止のための地下水規制に関する条例等(昭和50年1月現在)」によると、19都道府県36市町村で条例等を制定しており、そのうち、届出制を取るのは10県16市町、許可制を取るのは7都府県7市町としており、昭和50年当時から、自治体の対応は分かれていたといえる。
〇 次に、水道用水・生活用水の確保を主たる目的とする条例のグループについて見ると、昭和40年代に制定された山田町条例、福島市条例及び八丈町条例のうち、八丈町条例は、国の法律とほぼ同様の手法を取っている。許可処分等を行う場合は、審議会の意見を聞く(20条)ものとしている。
山田町条例は、一定の地域における許可制(2条)としているが、特に対象地域や許可の基準は規定していない。水量減少の防止装置の設置(4条)について規定している。
福島市条例は、一定以上の水量の地下水採取の場合、届出制(5条)としている。特に対象地域は設けていない。指導及び勧告(8条)について規定しているが、公表、罰則等の規定はない。
白山市条例は、禁止地域と規制地域を定めており、禁止地域では原則井戸の設置を禁止し(4条)、規制地域では許可制(5条)としている。指導又は勧告(9条)及び措置命令等(10条)について規定しているが、公表、罰則等の規定はない。
四日市市条例は、国の法律とほぼ同様の手法を取っているが、許可の適否は審査会に諮問する(9条2項)こととしている。揚水量の測定(20条)の規定を置いている。なお、市長は、定期的に地下水調査を行う(5条)とし、また、雨水の地下浸透の促進に努める(6条)としている。
鳥取県条例は、井戸を設置して地下水を採取しようとする者に対して、影響調査の実施(6条)と影響調査計画書の届出(7条)を義務づけている。そのうえで、地下水採取計画の届出(9条)を義務づけ、変更命令(11条)、採取の制限(12条)、措置命令(17条)等について規定している。また、水量測定器の設置、採取量の報告等(15条)を義務づけている。さらに、重点保全地域を指定し(18条1項)、重点保全地域ごとに採取基準を設定して(19条)、採取基準を遵守させる(20条)としている。なお、事業者等の相互協力の場として、協議会を設置する(22条)としている。市町村との関係については、重点保全区域を指定する場合は管轄市町村長の意見を聴かなければならない(18条2項)とするとともに、同種の条例を制定している市町村等については、条例で具体的な市町村名を示し適用除外としている(27条2項)。
飯山市条例は、規制区域における一定の井戸の掘削は許可(8条)、それ以外の井戸の掘削は届出(13条)としている。許可要件に該当する場合は、事前協議(7条)と影響調査(10条)を義務づけている。
木津川市条例は、対象地域は定めておらず、揚水施設設置に当たり許可申請が必要(4条、6条)としている。測定機器の設置と取水量等の報告(10条)を義務づけている。罰則規定は、置いていない。
須坂市条例は、市内全域を保全区域(8条)とし、1日当たりの地下水採取量が10㎥以上の場合(1日20㎥未満かつ年間3500㎥未満の場合は除く)は許可(10条)、それ以外の場合は届出(12条)としている。
伊賀市条例は、対象地域は定めておらず、一定規模超の揚水施設による地下水採取について、届出制(3条)としている。取水量等の市長への報告を義務づけている(6条)。立入調査(9条)について規定しているが、指導、勧告、命令等の規定は置いていない。
以上の条例は、届出制または許可制を取っているが、池田町条例は、採取者の責務として、適正な地下水の採取と生活環境や水循環に影響を及ぼさない利用を義務づける(6条)ことのみを規定している。
〇 その他の目的をも有する条例のグループについては、
山中湖村条例は、村内全域を対象に許可制を取っている(4条)が、村内における地下水採取量を条例で規定(日量500立方メートルを超えない)している(3条)。また、許可の有効期限を1年(8条)とするほか、特別地域においては許可に当たり協定を締結する(12条)ものとしている。
都留市条例は、規制区域(市域全域)と特別規制区域を定め(7条)、いずれも許可制(10条)とし、事前協議を義務付けている(9条)いるが、許可基準を特別規制区域においては規制区域より厳しくしている(11条)。地下水の採取量等の報告(14条)の規定を置いている。違反行為には。過料を科している(27条)。
檜原村条例は、、村内全域を対象に、一定規模超の揚水機による井戸の掘削は許可(5条)、一定規模以下の揚水機による井戸の掘削は届出(12条)としている。許可対象施設の場合、関係住民等に対する説明会の開催を義務づけ、協議により必要が生じた場合は関係住民等と協定を締結する(7条)ものとし、水量測定器の設置と採取量の報告を義務づけている(11条)。罰則規定は置いていない。
【総合的な地下水保全条例における地下水採取規制の手法及び他の措置の内容】
〇 総合的な地下水保全条例について、地下水採取規制の手法及び水源涵養、節水等の措置の内容について、概観する。
〇 熊本県条例は、地下水採取規制については、指定地域(25条)及び重点地域(25条の2)の2つの地域を指定し、それぞれの地域ごとに揚水設備の規模により、地下水の採取を、許可(25条の3)または届出(26条)としている。重点地域にあっては一定の規模以上の自噴井戸、指定地域・重点地域以外の地域であっても一定の規模以上の揚水設備によるものは、届出の対象としている(26条)。地下水の採取量の報告を義務づけ(29条)、一定の規模以上の揚水設備による場合は水量測定器の設置を義務付けている(30条)。知事は、地下水に代わる水源の確保を要請できる旨の規定を置いている(30条の2)。
許可制については、地下水の水位が低下傾向にあること等を踏まえ、平成24年に改正されて、導入された。許可制導入にあわせて、地下水が公共水であることを明確にし(1条の2)、また、地下水の合理的な使用及び地下水の涵養に係る対策の強化に関する規定を追加した(3章3節、4節)。
このうち、地下水の合理的な使用については、知事は、地下水使用合理化指針を定め(32条の2)、地下水採取の許可を受けようとする者は、地下水使用合理化計画を作成しなければならない(32条の4)とするとともに、県は啓発や地下水の合理的な使用に配慮した給水機器等の普及に努める(32条の6)こととしている。また、地下水の涵養については、知事は、地下水涵養指針を定め(33条)、地下水採取の許可を受けようとする者は、地下水涵養計画を作成しなければならない(35条)とし、重点地域において一定の規模以上の開発行為をする者は、地下水涵養指針を踏まえ、水利用に関する計画及び地下水涵養に関する計画を知事に提出しなければならない(35条の3)としている。
「許可制だけでは地下水位の低下傾向に歯止めをかけることは難しい。許可制と連動して一定規模を超える地下水採取者に地下水の合理的な使用と地下水涵養の取組みを求める仕組みを制度化したことが大きなポイント」(自治体法務研究2013年 夏号CLOSEUP先進・ユニーク条例「熊本県地下水保全条例の一部を改正する条例」参照)としている。
なお、市町村との関係については、指定地域及び重点地域を指定する場合は管轄市町村長の意見を聴かなければならない(25条、25条の2)とするとともに、市町村が同種の条例を制定した場合等については、本条例の全部又は一部の規定を適用しないこととすることができる(43条1項)としている。
〇 座間市条例は、対象地域を限定せず、井戸の設置に対する届出制(16条)を取っている。市長は、地下水利用基本計画を策定する(14条)。地下水採取量の報告(20条)、地下水等の有効利用(21条)等について規定している。罰則規定はない。
地下水の涵養及び水源の保護については、市長は地下水涵養策を推進しなければならない(24条)とするとともに、水源保護地域の指定をし(25条)、水源保護に影響を及ぼすおそれがある行為については、事前届出制(26条)とするとともに、水源保護地域にける水源涵養策などへの助成に関する規定を置いている(27条)。
また、市長は、「地下水調査等必要な施策を実施するために要する費用について、地下水採取事業者に対して協力金の納入を求めることができる」(33条)とするとともに、「市民の浄財を受けて、地下水を保全する事業その他必要な事業を行うために地下水保全対策基金を設置することができる」(34条)としている。
〇 秦野市条例は、井戸の設置を禁止したうえで、市長の許可を得た場合はこの限りでない(39条1項)としている。対象地域を限定せず、許可をする場合は審議会の意見を聴く(39条2項)ものとしているが、許可要件は「水道水その他の水を用いることが困難なこと」等(施行規則19条)としている。
井戸設置者は、地下水の循環利用を行い、節水に努めなければならない(48条)とするとともに、工事施行者は、地下水への影響に対する処置をとる(49条)ものとし、市長は、工事により地下水の水質又は水量に影響を与えたと認めるときは、処置命令を行うことができる(50条)としている。
地下水の涵養については、市長は、地下水人工涵養を行う(51条)、水源林の保全に努める(52条)、休耕田等の調査を行う(53条)、水辺の整備に当たっては雨水の保水及び涵養に配慮する(54条1項)等としている。
なお、秦野市地下水汚染対策基金を設置する(58条)とともに、市長は、「地下水の水質を保全する事業その他必要な事業に要する経費の一部に充てるため、事業者に対し、協力金の納入を求めることができる」(69条)としている。。
〇 岐阜市条例は、対象地域を限定せず、揚水設備の設置に対する届出制(11条)を取っている。地下水揚水量の報告(16条)、地下水の効率的な利用(18条)等に関する規定を置いている。また、地下水影響工事等の実施について、届出を義務づけ(20条)、工事施行者は地下水への影響防止措置を講じる(21条)ものとし、市長は地下水への影響に対する措置命令を行うことができる(23条)としている。
地下水のかん養については、森林の保全(7条)、雨水の地下浸透の促進(8条)、水辺の整備(9条)等について規定している。
〇 熊本市条例は、許可制及び届出制のいずれも取らず、地下水採取者は、使用の用途に必要な量を著しく超えて採取をする等地下水の過剰な採取をしてはならない(21条1項)とし、市長は、違反者に対して勧告、命令を行うことができる(21条2項、3項)としている。また、一定の深さを超える地下工事をする者はあらかじめ市長に届出をしなければならない(23条2項)とし、水道水源周辺で地下工事をする者は水道事業管理者と協議しなければならない(24条)としている。
地下水のかん養については、市長は地下水かん養対策指針を策定する(12条1項)ものとし、開発行為者等は雨水浸透施設を設置しなければならず(13条)、大規模地下水採取者は地下水かん養対策をしなければならない(14条1項)としている。
また、節水については、市長は節水対策指針を策定する(16条1項)ものとし、建築物の建築をする者は、節水に配慮した給水設備を設置しなければならず(17条)、大規模地下水採取者は節水計画を作成し、実施しなければならない(18条1項)としている。
〇 宮古島市条例は、市域全域を対象にしているが、地下水の採取を動力の揚水設備による場合は許可制、人力・畜力よる揚水設備による場合は届出制(11条)としている。いずれの場合も、地下水の利用状況の報告を義務付けている(15条)。市は、地下水利用基本計画を定めるものとしている(10条)
〇 西条市条例は、対象地域を限定せず、一定の規模の井戸の設置による地下水の採取に対する許可制(34条)を取っている。地下水採取者は、あらかじめ周辺住民に説明を行う(32条)とともに、影響調査をし、周辺地下水に影響を及ぼすことが明らかな場合は、井戸の設置場所の変更等必要な措置を講じなければならない(33条)としている。また地下水採取者は、水量測定器を設置し、地下水の採取量を記録するとともに、市長の求めに応じて報告するようと努めなければならない(37条)としている。
このほか、地表水又は地下水の水質・水量に影響を及ぼすおそれがある事業の実施に対して許可制(15条)、有害物質使用事業所の設置に対して届出制(20条)、地下工事の実施に対して届出制(25条)を取っている。
〇 上記の条例はすべて、地下水採取の規制や水源涵養、節水等の規定とともに、地下水の水質の保全や汚濁の防止等に関する規制等の規定を置いている。